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ソニーのロボット型「Xperia Agent」や触れるテーブル「T」など、アイディアが形に

 「IFA 2016」のソニーブースでは、今年も様々な新製品が登場。スマートフォン最上位の「Xperia XZ」や、ウォークマンなどオーディオ機器の「Signature」シリーズなどが注目される中、まだ製品化の時期は決まっていないが他社との連携を提案するというコンセプト展示も登場。そこにも来場者の関心が集まっていた。

ソニーブース

 そうした参考展示の中から、スマホや家電機器とネットワーク連携するXperiaスマートプロダクトや、「Future Lab Program」の新規プロジェクトなどを中心にレポートする。なお、既に発売が決まっている「Xperia Ear」については別記事で掲載している

発売が決まったXperia Ear

ロボットが、テレビやコーヒーメーカーと連携

 Xperiaスマートプロダクトは、スペインで3月に行なわれた「Mobile World Congress」で披露されていたが、今回のIFAでは、他社とのコラボレーションや新たなデモなどが行なわれている。

Xperia Agent(左)と、ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ i [アイ](右)の連携

 ロボット型のXperia Agentは、ネスレ日本のサービスと組み合わせたデモを行なっている。ネスレのBluetooth搭載コーヒーメーカー「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ i [アイ]」と連携し、ユーザーの好みに合わせた濃さのコーヒーを淹れてくれるという内容。

 Agentに搭載するカメラと顔認識技術でユーザーを認識。「いつもと同じ」かどうかを音声で確認した後で、連携する「バリスタ i」でコーヒーが作られる。待っている間に、天気や交通などの情報をAgentのディスプレイに表示することが可能。また、コーヒーを淹れた時の写真を撮影し、離れて住む家族に届けることも可能で、毎日の見守りにも活用できるという。

Xperia Agentとコーヒーマシンとの連携デモ

 別のコーナーでは、Agentとテレビの連携も紹介。ユーザーが声でAgentを操作すると、無線LANで連携したテレビのコンテンツを再生できるほか、手元の写真をテレビ画面に出力したり、Agent単体で音楽を再生するといったことも可能。

音声でテレビのボリュームなどを操作
音楽を再生

画面にさわれるプロジェクタでショッピングやゲーム

 Xperia Projectorは、壁やテーブルなどに近距離投写できる超短焦点プロジェクタに、赤外線センサーを組み合わせることで、投写された面を指で触るとタッチ操作のように画面に反映されるというもの。

Xperia Projector

 Androidアプリが利用可能で、シンプルな使い方としてはスマホ用ゲームを大きなプロジェクタ画面で楽しめる。複数の指や人で同時にタッチすることもできる。プロジェクタのデバイスは、ソニー「LifeSpace UX」のポータブル超短焦点プロジェクタのものと同じだという。

 今回のデモでは、ヤフーと協力し、オンラインショッピングをプロジェクタ画面で行なえるという内容を紹介。頻繁に購入する日用品などを、思いついた時にすぐ買えるといったメリットを紹介している。

タッチ操作でゲームやショッピング

ネックバンド型「N」のユーザー募集開始

 ユーザーと共に未来のライフスタイルを作るという「Future Lab Program」は、第1弾のネックバンド型デバイス「N」のと、第2弾の「T」を披露している。

「N」の装着例

 コンセプトプロトタイプ第1弾の「N」は、カメラやスピーカー、マイクを備えたコミュニケーション用のウェアラブルデバイスで、首に掛けたまま、必要な情報を耳を塞がずに聞けるのが特徴。よりしっかり聞きとるための“オープンイヤー型イヤホン”も外付けで用意する。ユーザーの参加受付を9月1日から開始している。

“オープンイヤー型イヤホン”は着脱可能
カメラで前方を撮影可能

 独自の行動認識技術を活かして、ユーザーの情報や場所に応じた情報を“ラジオDJ風”に伝えるという「パーソナライズドラジオ・サービス」も利用できる。

テーブル上で“自然に情報へ触れる”「T」

 第2弾プロジェクトの「T」は、テーブル上に投写するプロジェクタがついたもので、テーブルや、上に置いたものを触って操作できる「自然に情報に触れあえる体験を提供する」という。画面は32~40型を表示できる。

「T」のデモ

 独自の画像認識技術により、テーブル上で手指の三次元的な動きやテーブル上に置かれた物体形状を認識。例えばモノクロの絵本を置くと、そこに色を重ねるといったことが可能。また、機械学習により指の形などを高精度に判別可能としている。

モノクロの絵本に色を投写
指を置いた座標や角度なども追従して表示

 ソニーのシアタープロジェクタに使われている反射型液晶のSXRDとレーザーによるモジュールにより、テーブル面や物体上にクリアな映像を投写。レーザー光源によりフォーカス範囲が深く、物体とテーブルの両方に焦点が合った映像を表示できる。

 今回のデモでは、絵本やカップなどをテーブルに置くと様々な映像を組み合わせるという家庭向けのバージョンと、家の模型を置くと間取りなどを投写する業務利用のバージョンを紹介。体験者からのフィードバックを今後の開発に反映させるという。また、開発者向けキットの提供も計画しているという。

置いた箱を認識し、縦置きと横置きも判別して瞬時に情報を表示
建物の模型を置くと、その階の間取りを映像で表示
プロジェクタ部