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プロ野球選手向けのVR打撃練習システムをNTTデータと楽天が共同開発
2016年9月6日 08:30
NTTデータは、プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスを運営する楽天野球団と共同で、VR技術を用いたプロ野球選手向けの打撃練習システムを開発。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着して、実写を使った合成映像によるVRコンテンツを見ながら、投手の球筋や攻略方法を習熟できるというもので、楽天は2017年から本格導入する。NTTデータでは、同システムを使った商用サービスを国内や米国市場に展開していく。
この打撃練習システムは、打者がHMDを装着すると、実際のバッターボックスに入って打席に立った目線で、投手の投球を仮想体験できるというもの。NTTメディアインテリジェンス研究所が開発した、個々の選手目線のコンテンツを簡易に作成する「スポーツ一人称視点合成技術」を採用しており、全周囲映像データを基にした3次元の野球場空間を合成。この空間上に投手の投球映像データを実写で重ねる。ボールの映像はCGで再現され、投手が投げる実際のボールの映像は隠される。
ボールの軌道には、楽天野球団が独自に取得した投球データが活用され、選手ごとに異なる打席内での立ち位置や、スイング中の頭部位置の変化に対して、常に正確なボールの軌道を再現。映像は繰り返し視聴でき、試合前に投手の動作の特徴や球筋、バッティングのタイミングを効率的に習熟できるとする。また、シーズン中のコンテンツ更新も可能で、トレーニングによるチーム力の継続的な向上も期待できるとする。
このシステムを楽天選手が使い、投球のリアリティなどVRコンテンツとしてのクオリティを確認し、実現性や有用性を検証した結果、実戦に活かせると判断した。プロスポーツチームが保有するデータとVR技術の連携により、シーズンを通した選手の能力強化に使える品質での運用を実現したのは、世界初だという。
楽天では一般来場者らを対象に、このVRシステムの体験会を9月9~11日まで開催。仙台の「楽天Koboスタジアム宮城」内にあるスマイルグリコパークで実施される。