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ボーズの無線スピーカー「SoundTouch」がSpotify対応。「オーディオのIoT化を」
2016年11月1日 13:53
ボーズは1日、Bluetooth対応のワイヤレススピーカー「SoundTouch wireless music systems」3機種を、音楽配信サービス「Spotify」に対応させた。専用アプリにSpotifyの操作機能を組み込んでおり、Spotify上の楽曲とSoundTouch systems本体をシームレスに操作できる。この連携はSpotifyのプレミアムサービス会員のみ利用でき、無料プランでは通常のBluetoothスピーカーとして連携する。同日に、連携機能を紹介する発表会も開催した。
「SoundTouch」シリーズは、「SoundTouch 30 Series III」(74,000円)、「SoundTouch 20 Series III」(44,000円)、「SoundTouch 10」(27,000円)の3モデルで構成されている。Spotify連携機能は今後販売されるこれらSoundTouchシリーズで対応するほか、既に利用しているユーザー向けには無料のソフトウェア・アップデートで提供される。
いずれのモデルもBluetooth受信が可能なほか、IEEE 802.11b/g/nの無線LAN機能も搭載。同一LAN内にあるPCに保存した音楽ライブラリをワイヤレスで再生できるほか、インターネットラジオの再生も可能。天面に6つのプリセットボタンを備え、音楽ファイルやネットラジオ局を登録可能。手軽な操作でネットワークオーディオが楽しめるシリーズとして販売されている。
この機能を拡張する形で、Spotifyに対応。ボーズとSpotifyが共同開発したもので、Spotifyの専用アプリからSoundTouchスピーカーを操作できるほか、ボーズが開発したSoundTouch用アプリ内にもSpotifyアイコンを新たに追加。配信している楽曲やアルバム、アーティスト、プレイリストを瞬時に検索し、SoundTouchスピーカーから再生できるようになる。
2つのアプリは相互に同期するため、それぞれのアプリを切り替えても中断した時点から操作を再開できる。
SoundTouch用アプリでは、SoundTouchスピーカーの天面に搭載しているプリセットボタンに、Spotifyのプレイリストやアルバム、楽曲を登録する事も可能。一度登録すれば、アプリを使わず、ワンタッチでそれらを再生できる。
さらに「プレイリストジェネレーター」という機能も用意。これを選ぶと、ユーザーにマッチしたプレイリストが自動で作られ、SoundTouchスピーカーから再生できる。
こうした連携機能はSpotifyの有料プレミアムサービス利用者のみが利用でき、無料プランのユーザーの場合はSoundTouch用アプリ内にSpotifyのアイコンは登場しない。SpotifyアプリでSpotifyの無料プランを利用し、スマホのBluetooth機能を使って、通常のBluetoothスピーカーとしてSoundTouchに音楽を転送し、再生する事はできる。
Spotifyはサブスクリプション型の音楽配信サービスで、9月29日から日本でサービスを開始した。月額980円のプレミアムサービス(Spotify Premium)のほか、広告付き無料プラン(Spotify Free)が用意される点が特徴。4,000万曲以上が聴き放題となる。まずは、エントリー制でスタートしており、メールアドレスを登録すると招待者に利用コードが送付される。
「SoundTouch 30 Series III」は、「ボーズの一体型スピーカーの中でも最高のパフォーマンスを提供する」というモデル。重低音再生専用にウーファを内蔵、正面にはネオジウムマグネットを使ったユニットを2つ搭載している。外形寸法は435×181×246mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は8.4kg。
「SoundTouch 20 Series III」は、コンパクトな筐体を採用しつつ、音の広がりに注力。外形寸法は314×104×188mm(同)で、重量は3.2kg。
新たにシリーズへ追加された「SoundTouch 10」はコンパクトなモデル。外形寸法は141×87×212mm(同)で、重量は1.31kg。
「オーディオのIoT化を」
ボーズ マーケティング本部の橋本理智本部長は、Spotifyなどのストリーミング音楽配信サービスが次々と日本でスタートしている事や、2015年に、ダウンロードとストリーミングサービスの合計売上が、グローバルでCDなどの物理メディアの売上を初めて上回った事などを紹介、「いよいよストリーミングで音楽を聴く時代が到来した」と語り、そうした時代にマッチし、手軽にストリーミング配信を楽しめる製品として、SoundTouchシリーズとSpotifyの連携を紹介した。
なお、海外ではSpotifyの他に、Deezer、iHeartRadio、Pandora、AmazonのPrime Musicとの連携も実現。日本でも順次対応していく予定だが、具体的なスケジュールは未定だという。
発表会には、スポティファイジャパンの玉木一郎社長も登壇。音声広告付きだが、無料で利用できるプランを用意している事、無料で楽しめるものでありながら、アーティストへの収益還元モデルを確立している事、ユーザーの聴取傾向に合わせ、新しい音楽との出会いを提供する豊富なプレイリスト提案といった、Spotifyの強みを説明。
また、こうしたサービスを「違法性のある音楽の聴き方を超える利便性の高さ、使いやすさを提供する事で、ユーザーを(アーティストに還元されるという)本来の形に持っていきたい。Spotifyには現在1億人のユーザーがいるが、プレミアム会員になっているのは4,000万人以上。(この割合の高さが)利便性を追求しているサービスの証」とした。
ボーズとの共同開発については、「(両社が)“良い音を簡単に、いつでも、誰にでも”というビジョンを共有しているから実現できた」と説明。音楽を検索して楽しみ、主にヘッドフォンを使っているモバイルユーザーには、スピーカーを使って良い音で音楽を楽しむ体験を、本格的なコンポを使ってCDを主に楽しんでいるユーザーには、「日々の音楽シーンの変化や、新しい音楽どの出会いを提供していきたい」とし、そのため施策として今回のボーズとの連携のような「オーディオのIoT化こそが解決策になる」とした。