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11月3日は「ビデオの日」。2,800店でレンタル全品100円/記念セールなど実施

 日本映像ソフト協会(JVA)と日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合(CDVJ)は、DVD発売20周年とBlu-ray発売10周年を記念し、毎年11月3日を「ビデオの日」に制定。11月3日限定で、全国の対象ビデオレンタル店において、新作タイトルを含むBD/DVDレンタルが全品100円となるキャンペーンを行なうなど、レンタル・セル市場の盛り上げを狙った各種キャンペーンを実施する。

11月3日は「ビデオの日」

 DVDは'96年11月、Blu-rayは'06年11月に発売され、今年でそれぞれ発売20周年と10周年を迎える。ビデオソフト市場は'04〜'05年をピークに縮小傾向にあるため、ビデオソフト業界が一丸となってレンタル・セル市場の再活性化による売上増を狙う施策を打ち出している。そのひとつとして「ビデオソフトの楽しさ・魅力・エンタテインメントとしての価値をユーザーに改めて伝えていく」ことを目標に、毎年11月3日を「ビデオの日」として記念日協会認定を取得した。

タレントの中川翔子さんがアンバサダーに

 「ビデオの日」キャンペーンで想定しているターゲット層は、ビデオテープやDVDなど物理メディアによる“ソフトレンタル・セル全盛世代”である、30代以上の世代。レンタル店から足が遠ざかった人や、映画などに興味があってもあまりビデオソフトを購入しない人に向け、店鋪でビデオソフトを手に取ることの優位性をあらためて訴求し、テレビCMや公式キャラクター「ビィくん」などを活用していく。

 具体的な取り組みとして、「ビデオの日」の11月3日限定で、新作を含むBD/DVD/VHSレンタルが全品100円となるキャンペーンを発表。TSUTAYAやゲオなど、CDVJ加盟の全国355社2,800店鋪で開催される。実施店舗の詳細はキャンペーンサイトを参照のこと。

新作を含むBD/DVD/VHSレンタルが全品100円となるキャンペーン
TSUTAYAやゲオなど、CDVJ加盟の全国355社2,800店鋪で開催

 ビデオソフト販売店では、「ビデオの日」記念セールを実施。楽天やセブンネットショッピング、タワーレコード、TSUTAYA、Amazon.co.jp、山野楽器、ローソンHMVエンタテインメントなど多数の販売店が参加し、各自でポイント還元や値引き販売などを行なう。


    「ビデオの日」記念セール実施店の主な施策
  • 楽天ブックス:ポイント最大20倍やタイムセールなどのキャンペーン
  • セブンネットショッピング:BD/DVDの最大70%オフ
  • タワーレコード:「ビデオで観るべき100選」の対象作品が期間限定ポイント12倍
  • TSUTAYA:「113万ポイント山分けプレゼント」キャンペーン
  • Amazon.co.jp:BD/DVDセール
  • 山野楽器:銀座山野楽器本店で邦画名作コーナーを展開
  • ローソンHMVエンタテインメント:「ビデオで観るべき100選」展開&特別セールなど

 また、JVAは雑誌「日経エンタテインメント!」編集部と協力し、「ビデオで観るべき100選」と題した映像作品100タイトルのオススメラインナップを作成。雑誌やWebサイトで紹介しているほか、映画館で配布しているフリーペーパーに掲載したり、劇場売店やロビーで「100選」什器を使ったビデオソフトの販売強化も行なっている。

「ビデオで観るべき100選」
映画館の売店に「100選」什器を展開してビデオソフト販売
「ビデオの日」参画企業・団体が一堂に介した。中央は公式キャラクターのビィくん

「宝の山から探す楽しみを」。中川翔子さんがアンバサダーに

JVAの島谷能成 会長

 JVAの島谷能成 会長(東宝 代表取締役社長/「ビデオの日」実行委員会 委員長)は、ビデオソフト市場の現状と記念日の狙いについて説明。

 「2015年のビデオソフト市場は約4,000億円、映画興行収入は約2,170億円。映画と比べても2倍の市場規模が存在している。現在のビデオソフトの総タイトル数は(アダルトをのぞき)25〜30万タイトルに上り、これらを積み重ねた時の高さは富士山とほぼ同じ。まさに富士山級の宝の山が存在するということ」と話し、ビデオパッケージの特徴として「手に取ったビデオの喜び、人と共有できる喜び、これがフィジカルの魅力ではないかと個人的に思っている」とコメントした。

 「ビデオの日」制定の狙いは、「ビデオソフト売上をV字回復させたい。業界が一丸となるのは難しかったが、競合、利害といった垣根を超え、レンタルもセルも協力して盛り上げていきたい。この業界がこれだけ足並みをそろえるのは初めての試みだと思う。その象徴としてこの記念日を設けた」とした。

 そして、「ビデオの日に、来年、再来年と継続的に新しい企画を設けて、認知してもらう。『知られざる宝の山から何かを探す楽しみ』を知ってもらいたい。ビデオソフト業界が健全であることが、ひいては映像の作り手に還元し、新しい才能を育てることにもつながる。映画『君の名は。』の新海誠監督も、自主制作に近い形の映像作品から始まった」として、業界発展への意気込みを語った。

JVAの川合史郎 理事

 JVAの川合史郎 理事(20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン 代表取締役社長)は、ビデオパッケージならではの魅力を「パッケージでしか見られない作品」、「パッケージだけの映像特典」、「手頃な価格」と紹介。映画「タイタニック」のソフトを例にとり、「パッケージメディアでしか見られない“もうひとつのエンディング”などの映像も見られるのが良いところ」と話した。

 「ビデオの日」アンバサダーとして迎えられたタレントの中川翔子さんや、「ビデオで観るべき100選」を作成した「日経エンタテインメント!」編集委員の品田英雄氏も登場。

ゴジラや貞子がステージに現れ、興奮気味の中川翔子さん。右奥が「日経エンタテインメント!」の品田英雄氏

 品田氏は100選のタイトル選定にあたり、3つの基準があったと話し、ターゲットとなる30代以上の層にとっての「青春」、蔵書と同じように並べられる「パッケージ(の良さ)」、若い頃とは異なった感じ方に出会える「もう一つの視点」を挙げた。

「ビデオで観るべき100選」の内容

 100選には映画やドラマ、音楽ソフト、ドキュメンタリーなどさまざまなジャンルの作品を含み、「泣きたい作品のラインナップの中に、『タイタニック』ではなくあえて『シザーハンズ』を入れた」(品田氏)などのこだわりも紹介。

「シリーズ作」としてスター・ウォーズやインディ・ジョーンズ、マッドマックス初作などをラインナップ
「泣きたい作品」にはショーシャンクの空に、ローマの休日、シザーハンズを入れるといったこだわりも
アニメはAKIRA、ガンダム、千と千尋の神隠しなど
ドキュメンタリーもラインナップに加え、NHKスペシャル 映像の世紀や羽生結弦の映像作品などが入っている

 選ばれたタイトルについて、無類の映画・アニメ好きで知られる中川翔子さんからは「『セーラムーン』は入れるべきでしょう」、またステージにゴジラ、貞子が登場している一方で「ゴジラ」シリーズや「リング」が100選には入ってないことにツッコミを入れつつも、「ビデオソフトには配信とはまた違った『素敵』がある。11月3日はみんな思いっきり引きこもってビデオを観ましょう」とアピールしていた。

ゴジラと貞子、中川翔子さんがステージ上で戯れるひとコマも
中川翔子さんが「目を閉じて頭のなかで再生できるほど見た」という、ブルース・リー「死亡遊戯」を映画ポスター風に再現したイラストも
会場ではアニメ「機動戦士ガンダム サンダーボルト」のUltra Blu-rayソフト展示も行なっていた