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4K HEVC/AVC/MPEG-2の1チップLSIをソシオネクストが開発。8K向け技術も
2016年11月10日 17:09
ソシオネクストは、HEVC/H.265や、MPEG-4 AVC/H.264、MPEG-2の映像信号処理を1チップで行なえるマルチフォーマットコーデックLSI「MB86M30」を、11月末から量産出荷開始する。
また、PCI Express接続のボード1枚で8K/60p映像のHEVC/H.265リアルタイムエンコードが行なえるソリューションを、12月末より放送事業者などに向けて提供開始することも発表した。
上記の製品/ソリューションは、いずれも11月16~18日に千葉・幕張メッセで開催される国際放送機器展「Inter BEE 2016」に展示される。
映像配信向けの4K/60p HEVC対応マルチフォーマットコーデック
プロフェッショナル用のハイエンド製品などに向けて量産出荷開始する「MB86M30」は、富士通研究所と共同開発したHEVC/H.265対応のエンコーダコアを搭載し、従来のMPEG-4 AVC/H.264やMPEG-2での映像と音声のエンコード、デコード、トランスコードなどの機能を1チップで実現。低消費電力性能と処理密度により、デジタル放送用の映像伝送機器に最適としているほか、インターネット映像配信のデータセンターの低消費電力化や、省スペース化にも寄与するという。
4K/60p映像のリアルタイムエンコード/デコードが行なえ、HEVCエンコードは10msの低遅延で処理。HDR(ハイダイナミックレンジ)映像にも対応する。これらの機能を1チップで実現することで、従来の複数の半導体部品やCPUによる処理と比べ、消費電力を1/50に削減した。また、マルチチャンネル動作により映像ストリームの処理密度を4倍に高めている。
PCI Expressのボード1枚で8K HEVCリアルタイムエンコーダを実現
'18年に予定されている8K実用放送などに向けて開発された、世界初の「8K HEVCリアルタイムエンコーダソリューション」を提供開始。これを適用可能なハードウェアとして、量産中のエンコーダLSI「MB86M31」を4個搭載した「VEGA-3304」が台湾Advantechから発売される。
今回のソリューションは、PCI Express接続のボード1枚のサイズで8K/60p映像のHEVC/H.265リアルタイムエンコードが行なえるもので、ソシオネクストの最先端コーデック製品に適用し、パソコンやサーバーに内蔵可能な小型/低消費電力のボードで8K映像のリアルタイムエンコードが可能となった。
台湾Advantechから発売されるPCI Express接続の「VEGA-3304」は、4K/60p HEVCエンコーダLSIの「MB86M31」を1枚のボードに4個搭載。ソシオネクストのコーデック技術により4K/60p映像のリアルタイムエンコードにおける消費電力を従来技術と比べ1/50に削減。従来の8Kエンコーダ装置と比較して大幅な小型化と消費電力75W以下の低消費電力を実現している。
上記の4K/60p HEVC対応マルチフォーマットコーデック「MB86M30」など、ソシオネクストのエンコーダLSIにも順次適用予定で、「今後も拡大が見込まれる8K映像伝送機器市場におけるNo.1ソリューション・プロバイダーを目指す」としている。