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DTS Play-Fiで“ワイヤレス5.1ch”。VRゲームで立体音響のHeadphone:Xも
2017年1月9日 10:30
ワイヤレスの「Play-Fi」で“スピーカーフリー”の5.1ch
複数のスピーカーを連携させて同時に鳴らせる「Play-Fi」の新たな活用方法として、サウンドバーとワイヤレスリアスピーカーを使った5.1ch再生をデモ。リアスピーカーをワイヤレス化できるため、リアル5.1chサラウンドながら、ケーブル接続を前面のサウンドバーだけに限定できる。
リアに配置するスピーカーはフロント用の2chでもPlay-Fi対応であればそのまま利用でき、他社メーカー製品同士であっても連携できるという。もちろん、同メーカーの方が音質面で特性を合わせやすいが、気に入ったスピーカーがある場合などは、5.1chのために全部を買い直す必要がないのがユニークだ。
今回のデモでは、HDMIでBDプレーヤーから入力した音声をサウンドバーでデコードして、ワイヤレスでリアスピーカーに伝送。1msというPlay-Fiの低遅延を活かし、映像とのリップシンクを可能とし、サウンドバーとリアスピーカー間の遅延も抑えられるという。
実際にカーチェイスなどスピード感のある映像シーンをPlay-Fiの5.1chで視聴した。後ろから迫るパトカーのサイレンなど、リアルな5,1ch音声が遅延なく一体感をもって伝わり、Play-Fiの新たな活用として高い実力を持っていることが分かった。
VRゲームでリアルな立体音響の「Headphone:X」
ヘッドフォン向け音響技術の「Headphone:X」は、現在ゲーム向けにも展開し、ASUSやHPなどが採用しているが、これをバージョンアップし、新たにヘッドセットのGear VRやOculus Riftで楽しむVRゲーム向けのコンテンツをデモ。
これまでのHeadphone:Xは、7.1chなどの音声をHeadphone:X用に変換して出力する形をとっているが、今回のコンテンツは、チャンネルベースではなくオブジェクトベースで入力され、制作時の状態に近いリアルな立体音響をヘッドフォンでも楽しめるのがポイント。映画などよりも前から、オブジェクトベースで音声が制作されているゲームは、Headphone:Xにも親和性が高いという。
現在販売されているVRゲーム「Airborne VR 1944」を元に、開発中のHeadphone:X音声を採用したバージョンを体験した。空挺部隊の一員となり、パラシュートで降下するシーンで、上空で展開されている戦闘の銃撃音も頭の上で知覚できるように再現されていた。
低価格なテレビのスピーカーだけで立体サラウンド「Virtual:X」
音声を仮想的に最大11.1chへ拡張し、サウンドバーなどでもサラウンドが楽しめるというポストプロセッシング技術「Virtual:X」を、新たにテレビにも展開。テレビの内蔵スピーカーでも、立体的なサラウンドが体感できるという。
テレビの薄型化に伴い、スペースの問題でスピーカーが下向きに配置されるなど、音質は犠牲にされる事が多い。そこで、正面を向いていないスピーカーでも自然なサラウンド感を実現するために開発。この機能をON/OFFして聴き比べると、OFFの状態では「スピーカーがある下の方から鳴っている」のがはっきり分かる一方、ONにすると映像との一体感があり、スピーカーの場所を感じさせない。
テレビのスピーカーの位置は機種によって違うため、対応するにはスピーカー配置に応じた音質のチューニングが必要だが、下向きや後ろ向きなど、大まかなパラメータをDTSが用意しており、そこから調整して機種ごとに最適な設定ができるという。
黒川代表によれば、Virtual:Xのテレビへの採用は'18年モデルを見込んでおり、サウンドバーやAVアンプにおける搭載は「'18年ごろに発表できるのでは」としている。