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スマホの無料動画アプリ利用は前年比23%増の3,338万人。有料は50%増。ニールセン調査

 ニールセン デジタルは31日、スマートフォン視聴率情報の「Nielsen Mobile NetView」のデータをもとに、2016年12月の日本における無料/有料動画アプリの利用状況を発表。無料動画は前年同月から23%増の3,338万人、有料動画は同50%増の481万人となった。この増加率は、スマートフォン利用者数全体の伸び(14%増)よりも高くなっている。

動画アプリ利用者数の、2015年12月と2016年12月の比較。カッコ内はリーチの割合
出典:ニールセン デジタル

 Nielsen Mobile NetViewは、日本全国の8,000名(iOS、Android各4,000名)の調査協力モニターのアクセスログ情報を元に作成したもの。アンケート調査とは異なり、アプリやウェブサイトの利用時間や利用頻度などの正確な利用動向が分かるデータとなっている。今回の調査の「無料動画アプリ」はAbemaTV、GYAO!、TVer、YouTube、ニコニコ動画の集計。「有料動画アプリ」は、Amazon Prime Video、dTV、Hulu、Netflix、U-NEXTを集計したもの。

 年代別の利用は、無料/有料動画ともに若くなるにつれてリーチが高く、無料動画は18~34歳が62%、35~49歳が56%、50歳以上が49%。有料動画は18~34歳が10%、35~49歳が8%、50歳以上が7%だった。

年代別の動画アプリへのリーチ(2016年12月)
出典:ニールセン デジタル

 1人あたりの月間利用回数は、無料動画は月平均21回で、有料動画の14回の1.5倍。1回あたりの利用時間は、有料動画は平均して1回あたり25分で、無料動画の15分よりも長い。

動画アプリの一人当たりの月平均利用回数、1回あたりの利用時間(2016年12月)
出典:ニールセン デジタル

 ニールセン デジタルの高木史朗シニアアナリストは、無料/有料動画の利用増について「NetflixやAbemaTVが認知獲得のためにテレビCMを活用し始めたことや、テレビの見逃し配信やオリジナルコンテンツが増加したこと、AbemaTVのような新しいサービスが登場したことなど、様々な要因が影響している。コンテンツの増加や環境の整備は進んでいくことが予想されるため、今後も動画サービスの利用は拡大していく」としている。

 高木氏は、“注目すべき点”として、若年層において動画アプリのリーチが高い点を挙げており、「動画アプリはテレビCMではリーチできない若い世代とコミュニケーションをとるのに適したメディア。今回はスマホアプリのみに注目したが、テレビやPC、タブレットなどでの動画視聴もあるため、企業が消費者とコミュニケーションをとっていく上では、トータルでの視聴状況を把握したうえで、最適なデバイスやメディアの組合せにより、ターゲットにリーチしていくことが重要」としている。