ニュース
パナソニックGH5やキヤノンEOS M6、動画向けレンズ。CP+ 2017開幕
2017年2月23日 22:07
国内最大級の写真映像関連イベント「CP+ 2017」(シーピープラス2017)が23日、パシフィコ横浜で開幕した。期間は26日まで。入場料は当日一般1,500円(税込)で、Web事前登録者は無料。デジタルカメラの中でも高い動画撮影機能を備えたモデルや動画撮影用レンズ、ドローン製品などの展示を中心にレポートする。
パナソニックはGH5。「6Kフォト」体験も
パナソニックのブースでは、3月23日発売予定のミラーレス一眼カメラ「LUMIX DC-GH5」(GH5)を中心に展開。国内で一般来場者が実機に触れられる機会はこれが初めてだという。試写エリアでは「6Kフォト」機能を試すことができ、内部構造の分解展示なども見られる。
GH5は、ミラーレス一眼として世界初となる4K/60pの動画撮影機能を搭載。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はボディのみで24万円前後、標準ズーム「LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S. (H-FS12060)」が付属するレンズキット「DC-GH5M」は27万円前後。
撮像素子は有効2,033万画素の新開発Live MOSセンサーで、ローパスセンサーを省き、解像力を高めている。4K/60p動画撮影に対応する高速読み出しも実現。画像処理の「ヴィーナスエンジン」も新開発となる。
4K/30p/4:2:2/10bit撮影をサポートし、本体のSDカードに記録できる。4:2:2 10bit 4K60pでのHDMI出力も可能。ATOMOSのモニタ一体型HDMIレコーダなどを組み合わせた動画撮影システムが展示されていた。
「6Kフォト」機能は、H.265/HEVCのMP4で録画し、画像選択後にJPEGで書き出すもの。AFも強化し、空間認識技術「DFDテクノロジー」を進化させ、最速0.05秒のAF速度を実現、動く被写体に対するAF追従性能が飛躍的に向上したとする。
キヤノンはEOS M6など新製品多数。8K機器の展示や4Kシアターも
EOSシステム誕生30周年を迎えるキヤノン。4月発売のミラーレス一眼「EOS M6」やデジタル一眼レフ「EOS 9000D」、「EOS Kiss X9i」、1型コンパクト「PowerShot G9 X Mark II」など、数多くの製品を手にとって試せる。来場者向けの撮影ゾーンはポートレート、走る鉄道模型、風景や花に分けられ、カメラの特性や購入層に合わせた展開がされていた。さらに、8Kカメラや8K HDRディスプレイの参考展示も行なわれていた。
EOS M6は、2,420万画素でデュアルピクセルCMOS AFに対応したAPS-Cセンサーを搭載。高速かつ高精度な合焦ができるという。画像処理エンジンは「DIGIC 7」。サブ電子ダイヤルが加わり、3つのダイヤルに設定変更の割当ができるなど操作性も進化している。動画撮影はMP4形式で、1080/60pまで対応する。
動画ゾーンでは“EOS MOVIE”や、プロ向けのCINEMA EOSシステムを軸に、4K/60pのカメラ内部録画が可能なカメラ「C700」などを展示。昨年の国際放送機器展「Inter BEE 2016」で発表された8K撮影対応カメラや、30型の8K HDRディスプレイも参考展示されている。
8K HDRディスプレイは2台用意され、EOS 5Ds Rによる風景撮影のRAWデータから生成した8K HDRタイムラプス映像や、8Kカメラによる撮影映像を流している。
4K LCOSプロジェクタ「4K501ST」による「4Kシアター」も設営。臨場感のある鮮明な4K映像を、大型スクリーンで楽しめる。
DJIは、折りたためるドローン「Mavic Pro」など
DJIは、4K動画撮影に対応し、プロペラ付きの4本のアームをコンパクトに折りたためるドローン「Mavic Pro」を多数展示。ネットに囲われた飛行エリアでは、説明員によるデモフライトも見られる。
搭載カメラは最高4K/30fpsの動画撮影ができ、フルHDの場合は96fps撮影が可能。静止画は最高1,200万画素のRAW(DNG)撮影に対応する。レンズは広角85度。3軸のジンバルも備えており、ブレを抑えた安定した撮影が可能。2秒間の長時間露光などもサポートする。
ハンディタイプのスタビライザー「Osmo Mobile Silver」のコーナーも設置。スマートフォンとスマホ向けアプリ「DJI GO」の連携による、手ブレを抑えた動画撮影を体験できる。
ソニーの4K撮影向け電動ズームや、富士フイルムのEマウントレンズなど
動画撮影用レンズも各社で展示されていた。ソニーブースでは、4K動画撮影に適するEマウントの電動標準ズーム「E PZ 18-110mm F4 G OSS」(SELP18110G)が展示。4月発売予定で、価格は44万4,000円。
焦点距離18~110mmの光学6.1倍ズームレンズで、開放F値はF4固定。独立したフォーカス、絞り、ズームリングを備え、プロ向けの操作性を実現。スーパー35mm/APS-Cフォーマットに対応しており、ブースではミラーレス一眼「α6500」の組み合わせで操作感を試せるようになっていた。フルサイズのα7シリーズなどでも利用できる。
富士フイルムのブースには、22日に発表されたばかりの動画撮影用レンズ「MKレンズ」シリーズが展示。ソニーEマウント対応「FUJINON MK18-55mm T2.9」が3月上旬に発売予定で、価格は42万円。今夏には「MK50-135mm」も発売予定。動画撮影で使われることが多い、ソニーの業務用カムコーダー「PXW-FS5」での利用を念頭に置き、Eマウントレンズを先行して発売する。
いずれも独立したフォーカス、絞り、ズームの3連リングを搭載。富士フイルムのXマウント対応MKレンズも年内発売予定で、会場には「18-55mm T2.9」と「50-135mm T2.9」の2種類が参考展示されていた。焦点距離やT値以外のスペックは未定。
シグマのブースでは、放送機器展示会「IBC 2016」で発表したシネマカメラ用の交換レンズライン「SIGMA CINE LENS」3機種を展示。ズームレンズの「18-35mm T2」と「24-35mm T2.2 FF」、「50-100mm T2」をカメラに装着し、動画撮影システムに組み込まれた状態で操作感を試せるようになっていた。
M4/3用250度魚眼レンズや、NOKIAの3D 360度VRカメラ「OZO」。アクセサリも多数
インタニヤのマイクロフォーサーズ用超広角魚眼レンズ「Fisheye 250 MFT」が、オリンパスとインタニヤのブースでそれぞれ展示されていた。価格は38万8,000円で、同社直販サイトで販売中。3つのイメージサークルサイズ(焦点距離)を選ぶことができ、別売オプションの交換パーツ「Fisheye 250 MFT後群キット」でイメージサークルサイズを後からユーザー自身で変更することも可能。
業務用ビデオ機器などの販売や、コンテンツ制作などを手がける三友は、NOKIA製のプロ向け3D 360度VRカメラ「OZO」を展示。8つのレンズと8つの同期化された2K×2Kセンサー、8つのマイクを搭載し、撮影した動画と音声を1つのファイルに同期して書き出せる。
リグや配線などの複雑なセットアップ作業や、データ同期などの手間を解消、360度VR撮影を容易にするという。撮影中の映像は、HMDで確認可能。500GBのSSDを内蔵した付属カートリッジに録画でき、カートリッジの交換も行なえる。
パナソニック AVCネットワークスは、4K対応のフリースタイルポータブルレコーダ「POVCAM」とレコーダ「AG-UMR20」をセット展示。いずれも昨年のInter BEEで発表されたもので、今回は最終デザインの実動モデルを展示。今年春頃の発売を予定している。価格はいずれも現時点では未定。
4K撮影対応の小型カメラヘッド「AG-UCK20」と、レコーダの「AG-UMR20」で構成。別売の専用ケーブルで、AG-UMR20と接続できる。映像制作などで、シネマカメラのサブ機としての活用を想定しているという。「AG-UMR20」は、3G-SDI入力を備え、1080/60pのHD録画が可能。ストレージとしてSDXC対応のSDカードスロットを2基搭載し、リレー記録による長時間録画が可能。