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邦アニメ売上減で、'16年の販売用BDが前年割れ。邦楽作品は伸長

 日本映像ソフト協会(JVA)は14日、2016年のビデオソフト出荷統計調査の結果を発表。2016年1月~12月のビデオソフト売上金額は2,047億2,700万円で、前年比93.9%。売上数量は7,310万473枚で同100.8%と、ほぼ前年並みだった。

 '16年上半期の実績が前年比100.6%の1,025億7,700万円で前年同期をわずかに上回ったが、下半期が1,021億5,000万円で前年比87.9%と伸び悩み、年間実績で前年を割り込んだ。

 ビデオソフトの総売上金額をメディア別で見ると、BDが前年比94.1%の883億5,700万円、DVDも1,163億7,000万円で前年比93.7%と、両方とも前年割れとなった。BDとDVDの売上金額の構成比は43.2:56.8で、ほぼ前年と同じ割合だった('15年統計は43:57)。なお、BDソフトの売上には'16年6月度調査から集計開始したUltra HD Blu-ray(UHD BD)ビデオソフトの売上を含む。

 全体の流通チャネル別販売状況を見ると、販売用の売上金額が1,531億6,500万円で前年比94.2%、レンタル店用が491億900万円の同90.5%で、いずれも前年割れ。'16年から調査対象に加わった「特殊ルート」(雑誌・コミックに付くBD/DVD)の売上金額は10億1,600万円だった。各チャネルの割合は、販売用、レンタル店用、業務用、特殊ルートの74.8:24:0.7:0.5で、販売用が4分の3程度を占める。

 BD全体の売上金額における販売用、レンタル店用、業務用、特殊ルートの構成比は94.7:4.5:0.3:0.5で、販売用の売上が前年に引き続きが最も多いが、前年比は93.2%と前年を割り込んだ。レンタル店用は102.7%で、前年をわずかに上回っている。

 DVD全体の売上金額における販売用、レンタル店用、業務用、特殊ルートの構成比は59.7:38.8:1:0.5。前年比は販売用が95.4%、レンタル店用が89.6%。

邦アニメの販売用売上1割減で「全体に大きく影響」。邦楽BD/DVDは伸長

 ビデオソフトのうち、販売用の売上金額におけるBDとDVDの割合は54.6:45.4で、'14年以降はBDの割合が過半を占めている。

 ジャンル別で販売用全体の売上金額を見ると、「音楽(邦楽)」が前年比102.5%と好調に推移して536億3,700万円となり、構成比35%で前年に引き続き首位となった。「日本のアニメーション(一般向け)」は、前年比85.3%と1割以上の減少となり、418億4,900万円で構成比27.3%に後退('15年統計は30.2%)。「洋画(TVドラマを除く)」は前年比96.3%の177億7,700万円、「邦画(TVドラマを除く)」は前年比94.5%の74億8,200万円。

 各ジャンルの販売用の売上金額におけるBDの割合は、「日本のアニメーション(一般向け)」が構成比38.3%で1位となったものの、前年比82.4%の320億4,300万円となり、「(邦アニメの)ダウンが全体に大きく響いた」(JVA)としている。「音楽(邦楽)」は前年比104.2%の233億3,800万円で、構成比は27.9%で2位。「洋画(TVドラマを除く)」は前年比102.4%の121億400万円で、構成比14.5%。「邦画(TVドラマを除く)」は前年比99.7%の35億5,500万円で構成比4.2%だった。

 ビデオソフトのうち、レンタル用の売上金額におけるBDとDVDの割合は8.1:91.9('15年統計は7.1:92.9)で、引き続きDVDが主流。レンタル用BDの売上額は39億6,500万円で前年比102.7%とわずかに前年を上回った。レンタル用DVDの売上額は451億4,400万円で前年比89.6%と減少傾向が続く。

 ジャンル別の売上金額を見ると、1位が「洋画(TVドラマを除く)」の115億200万円(構成比23.4%)、2位は「日本のアニメーション(一般向け)」で83億6,300万円(同17%)、3位「邦画(TVドラマを除く)」が80億1,100万円(同16.3%)となった。