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投写画面を指で操作、ソニーモバイルの小型プロジェクタ「Xperia Touch」

 ソニーモバイルコミュニケーションズは、壁や床に投写した映像を指でタッチして操作できるAndroidベースの小型プロジェクタ「Xperia Touch(G1109)」を発売する。6月9日から予約受付開始し、6月24日より順次商品が届く。価格はオープンプライスで、ソニーストアでの販売価格は149,880円。販売はソニーストアに加え、家電量販店でも行なう。

「Xperia Touch(G1109)」の使用イメージ

 SXRD方式の小型プロジェクタ。素子は0.37型で、解像度は1,366×768ドット。超短焦点レンズを備え、壁にピッタリと付けて設置して約23型、そこから少し離していって最大80型までの映像が投写できる。光束は100ルーメン、光源はレーザーダイオードを使用。コントラストは最大4,000:1。

「Xperia Touch(G1109)」

 加速度センサーを備えており、壁だけでなく、床への投写も可能。本体を配置した向きに合わせて、壁と床への投写は自動的に切り替わる。投写する壁との距離を測るセンサーも備えており、投写時のレンズはオートフォーカスで調整する。

背面には壁との距離を測るセンサーが

 最大の特徴は、赤外線と1,300万画素のイメージセンサーを搭載している事。床に投写した際に、23型の投写映像全体をカバーするように赤外線を照射。投写した映像の上に指を置くと、その赤外線を指が反射する事になるが、イメージセンサーも組み合わせてそれを読み取り、投写した映像のどこに指があるのかをXperia Touchが判断。スマホやタブレットのアプリを指でタッチした時と同じように、床に投写した映像をタッチして、様々な操作ができる。

Xperia Touchの正面。上から電源ボタン、ビデオチャット用カメラ、人感センサー、照度センサー、ボリュームキー、入力切り替えキー、NFCマーク、マイク
テーブルに投写しているところ。本体の前面、下の方に赤い光が見える。これが赤外線だ

 読み取りの頻度は毎秒60フレームと細かく、遅延のないタッチ操作を実現。さらに、最大10点のマルチタッチに対応するため、複数人での同時操作が可能。

 使用イメージとして、地図をテーブルに表示して複数人で見て、指で操作したり、アイスホッケーのようなゲームを2人でプレイ、ピアノ演奏アプリを両手で演奏、ドラムアプリを叩いて演奏といった事が可能。

 また、子供が指でお絵かきをしたり、数字を書き込むと計算してくれるアプリ、線を描くとそこを線路として電車が走る、といった知育アプリの利用も提案。

ホーム画面を机に投写したところ
文字入力も指で可能
楽器演奏アプリも快適
地図表示画面
ホッケーのようなゲームにも使える

 壁への投写では、Googleカレンダーや時計、写真などを投写できるほか、メモアプリなどを使い、子供のメッセージを登録し、仕事から帰宅したお父さんがそれを見るといった使い方もできる。

 人感センサーも備えており、約2m範囲に人間が近づくと自動的に壁に投写をするといった事も可能。「ハイ、エクスペリア」と話しかけて、天気予報やニュースといった情報を表示させる事も可能。Google Nowにも対応する。

壁にホーム画面を投写
声で呼びかけ、ニュースを表示させる事もできる

 Android 7.0を採用しているため、こうしたアプリは自由に追加可能。ただし、全てのアプリには対応しておらず、主にタブレット向けの横向き表示に対応したアプリが使いやすいという。スマホ向けの縦向きアプリも利用可能だが、その際は画面がプロジェクタに対して横向きに表示されるため、プロジェクタをユーザーの正面ではなく、横に設置する工夫が必要となる。また、スマホを傾けて操作するようなゲームでは利用できない。

 また、赤外線とイメージセンサーを使って指の動きを読み取るタッチ機能は、赤外線がカバーする範囲が最小投写の23型の映像範囲のみのカバーとなるため、それ以上に投写映像を大きくした状態では利用できない。

 通常のプロジェクタのように、映画などの映像を壁に投写する事も可能。映像配信サービスのアプリを大画面で楽しめるほか、Miracastをサポートしており、スマホの映像をXperia Touchに転送して表示する事もできる。背面にHDMI Type Dの入力端子も備えており、DVDプレーヤーなどを接続してその映像を投写する事もできる。

 さらに、PlayStation 4のリモートプレイにも対応。大画面でゲームが楽しめる。

背面にHDMI Type Dの入力端子
映画を投写しているところ

 本体には他にも、照度センサー、GPS、地磁気、気圧、気温、湿度センサー、2ウェイのステレオスピーカー、NFC、マイク、ボリュームキーも装備。別途スピーカーを用意せず、音声も再生できる。カメラとマイクを使い、Skypeアプリを用いたビデオチャットも可能。

ビデオチャットの様子

 CPUはSnapdragon 650、メモリは3GB。ストレージメモリは32GBで、microSDXCカードスロットも装備。236GBまでのカードが利用可能。背面には給電、データ転送用のUSB Type-C端子も装備する。

 バッテリも搭載し、約1時間の投写が可能。電源はACアダプタを使う。なお、電源を抜いてバッテリで動作する際は、プロジェクタの最大輝度が約50%に自動調整される。

 外形寸法は69×134×143mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクトで、重量は932g。バッテリも内蔵しており、約1時間の投写・再生が可能。USB Type-C端子を備え、ACアダプタ経由で充電しながらの投写もできる。

ACアダプタのほか、バッテリでも動作する

ジェスチャー入力への対応も検討

 前述のように、タッチ操作は画面が23型の時に限定されるが、赤外線を使わず、イメージセンサーを用いて操作する方法として、ジェスチャー入力への対応も検討。例えば、プロジェクタの前で特定の手の動きをすると、その動きに合わせた操作ができるといった事が想定されている。