ニュース

ULTRASONEの超小型アンプ、Unique Melodyから約7万円の「MACBETH II Classic」

 東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックが主催する「ポータブルオーディオ研究会(ポタ研) 2017夏」が、7月8日の土曜日に中野サンプラザの15階で開催。入場は無料。ポータブルアンプや、ヘッドフォン/イヤフォンの国内外メーカーが、参考展示などを含めた新製品を出展した。ここではミックスウェーブ、ULTRASONE、エミライなどのブースをレポートする。

「MACBETH II Classic」

ミックスウェーブ

 ミックスウェーブでは、Unique Melodyの新イヤフォンとして「MACBETH II Classic」を参考展示している。発売開始時期は7月、または8月を予定。想定売価は7万円台を予定する。

 Unique Melodyのエントリー機「MACBETH」の2世代と位置付けられており、ドライバ構成は非公開だが、ハイブリッド型ではなく、BA(バランスド・アーマチュア)のみになっているという。デザインも内部構造も新設計で、カーボンを用いたラインデザインも特徴。“Classic”というモデル名の理由は、「3Dプリンタは使わず、シェルに従来のカスタムIEMの素材を使うなど、あえて手をかけて作っているため」だという。

 7月1日から発売しているのが、カスタムIEM(インイヤモニター)とユニバーサルイヤフォンの「MENTOR V2」。価格はカスタムIEMが21万4,500円、ユニバーサルが19万2,400円。

 Unique Melodyは、中国 ・ 珠海市に本社を置くメーカーだが、各地の代理店と協力し、地域性に特化した特別なチューニングモデルなどを展開しているのが特徴。日本向けにも、代理店のミックスウェーブによる専用モデルを発売している。しかし、「MENTOR V2」は、Unique Melodyのサウンドエンジニアがチューニングを手掛ける「Unique Melodyオリジナルモデル」なのがポイントだ。

 カスタム/ユニバーサルのいずれも、10基のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを搭載し、ドライバ構成はLow×4、Mid×2、Mid/High×2、High×2。4ウェイのクロスオーバーを内蔵する。周波数特性は20Hz~20kHz、入力感度は112dB、インピーダンスは20Ω。

「MENTOR V2」

 JH Audioからは「LOLA」が出展。Jerry Harvey氏が「業界に新たなパラダイム・シフトを起こす」事を掲げて開発した意欲作。同社としては初となるハイブリッド型のカスタムイヤフォンだ。価格はオープンプライス、実売は21万円前後。

 なお、カスタム版は6月17日から販売がスタートしているが、ユニバーサルバージョン「LOLA HYBRID UNIVERSAL IEM」も7月13日より発売予定。価格は192,200円となっている。

JH Audio「LOLA」のユニバーサルバージョン「LOLA HYBRID UNIVERSAL IEM」

 独自技術「freqphase Technology」や「Steel Tube Waveguide」の他に、特許出願中の新技術「D.O.M.E Midrange Enclosure Technology」も投入している。低域にBA×2、中域に4.9mm径のダイナミック型ドライバ×2、 高域にBA×4、合計8基を搭載。前述の「D.O.M.E Midrange Enclosure Technology」により、ダイナミック型は4.9mmだが、「9.8mm相当のサウンドを送り出してくれる」という。

 64 AUDIOの注目製品は、新フラッグシップの「tia Fourte」(ティア・フォルテ)と、ユニバーサルでは世界初という18ドライバ搭載「U18 Tzar」だ。どちらも6月23日から発売されている。価格はオープンプライスで、実売は「tia Fourte」が407,200円前後、「U18 Tzar」が339,400円前後だ。

tia Fourte
U18 Tzar

 いずれのモデルにも、“第二の鼓膜”と呼ばれる専用モジュールを搭載し、聴覚障害リスクを抑える「apex(Air Pressure Exchange) Technology」を採用。

 さらにtia Fourteでは、新技術「tia(Tubeless In-ear Audio)」を投入。ダイナミック型とバランスド・アーマチュア(BA)のハイブリッドイヤフォンだが、tiaテクノロジーはBAドライバに投入するもので、ユニットの筐体を密閉にせず、オープンにする事で、ドライバ自体が持つポテンシャルを引き出し、振動板からの音が直接得られるというもの。共振問題も排除し、音導管やダンパーも不要になっている。

 U18 Tzarは、BAを18基搭載。構成は低域×8、中域×8、tia中高域×1、tia高域×1の4ウェイ。中高域と、高域向けのBAに、tiaテクノロジーを投入している。

 qdcからも新製品が登場。「5CH」というモデルで、BA×5ドライバ構成となる。今月中旬頃の発売を予定しており、価格は12万円程度を予定。、

qdc「5CH」

ULTRASONE

 タイムロードのブースでは、ULTRASONE初のDAC内蔵小型ヘッドフォンアンプ「NAOS」(ナオス)が展示されている。今夏に発売予定で、予約受付は既に開始。価格はオープンプライス。店頭予想価格は22,000円前後だ。

ULTRASONE初のDAC内蔵小型ヘッドフォンアンプ「NAOS」

 重量6g、外形寸法46×18×6mm(縦×横×厚さ)と小型軽量設計が特徴。ヘッドフォン出力は3.5mmのステレオミニだ。DACも備え、PCやタブレット、スマートフォンなどと接続が可能。PCMは192kHz/24bitまでサポート。DSDには対応しない。多くの機器と接続するために、接続先端子がUSB Type-C、micro B、Type-A、Lightningの4種類のケーブルが付属するのも特徴だ。

ULTRASONEのヘッドフォンをスマートフォンなどで再生する際に最適だという
接続先端子がUSB Type-C、micro B、Type-A、Lightningの4種類のケーブルが付属する

エミライ

 エミライブースでは、宮地商会M.I.D.から移管された、米Noble Audioのユニバーサルイヤフォンを紹介している。なお、カスタムモデルは、引き続きWAGNUS.が取り扱う。

 エミライの取り扱いになり、製品の仕様も変更。従来は別売だったシルバーコートの撚り線ケーブルが標準のケーブルとして採用。パッケージも新しいものにリニューアルするという。

米Noble Audioのユニバーサルイヤフォン
従来は別売だったシルバーコートの撚り線ケーブルが標準のケーブルとして採用される

 さらに、発売が待たれるMrSpeakersの平面駆動型ヘッドフォン「AEON FLOW」も出展。付属するハードケースが展示されており、ポータブルプレーヤーをヘッドフォンと一緒に収納できるようになっていた。

MrSpeakersの平面駆動型ヘッドフォン「AEON FLOW」
付属するハードケース

その他

 サトレックスのブースでは、イヤフォン「Tubomi」シリーズの新製品「Tubomi Blue」を展示。8月1日発売予定で、価格は3,680円程度を予定している。ヘッドフォン「DH297-A1Bu」と同じカラーを採用したイヤフォンで、カラーだけでなく音質も既存のTubomiから変更、低域を抑え目にして、中高域の聴きやすさを重視したチューニングだという。

「Tubomi Blue」
ヘッドフォン「DH297-A1Bu」

 コペックジャパンのブースでは、USB Type-Cと3.5mmの同軸デジタル出力を変換するケーブルを参考展示。スマートフォンとChordのポータブルアンプ「Mojo」などとの接続に利用可能。6Nで、高品位な導体を採用。価格は3,000円台半ばくらいになるという。

USB Type-Cと3.5mmの同軸デジタル出力を変換するケーブル「CS-40TC35」

 1MOREのブースでは、「E1004」というノイズキャンセリングイヤフォンを参考展示している。iPhoneなどとLightningで直結できるTypeで、インピーダンスは32Ω。ケーブルは1.25m。再生周波数帯域は20~20kHz。

1MOREのノイズキャンセリングイヤフォン「E1004」

 RHAのブースでは、実物の展示は無いが、今後展開予定の新製品として、ネックバンド型のBluetoothイヤフォン「MA750 Wireless」と「MA650 Wireless」のチラシを配布。どちらもIPX4防水に対応、12時間再生ができ、BluetoothのコーデックはaptX、AAC、SBCに対応する。7月中旬~下旬の発売予定で、店頭予想価格はMA750 Wirelessが19,500円前後、MA650 Wirelessが11,500円前後の予定。

ヒロモリのブースでは、クラウドファンディングのMakuakeで支援募集を行なっているポータブルヘッドフォンアンプ「AUMEO(オウメオ) AUDIO」を紹介。ユーザーの聴覚にマッチした調整を行ない、Bluetoothレシーバとしても機能するのが特徴。スマホ用アプリ「AumeoHub」を使い、左右の耳それぞれ、8種類の周波数で聴覚測定を行ない、オーディオ・プロファイルを作成。「ボリュームを上げなくても本来のサウンドがよく聴こえる」としており、ボリュームの上げすぎによる耳へのダメージも防止できるという