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GoProで“インスタ映え”する動画が簡単に? 自動編集の「QuikStories」を体験

 GoProは、アクションカムの「GoPro HERO5」で撮影した動画や画像を、スマートフォンで取り込んで組み合わせることで、簡単に“Instagram映え”する動画を作れるという機能「QuikStories」を7月28日に提供開始した。対応カメラは、「GoPro HERO5 Black」と、「GoPro HERO5 Session」の2モデル。28日にメディア向けの体験会を開催。GoProの基本的な操作から、インスタ映えするテクニックなどまでレクチャーが行なわれた。

GoPro HERO5 Black(左)と、Quikアプリ(iOS版)

 QuikStoriesは、GoProからワンステップでスマホアプリへ動画や写真を取り込み、複数の動画に様々なトランジションとエフェクトを加え、1本の動画を自動で作成できる機能。GoProカメラとスマートフォンを連携させるアプリ「GoPro App」と、動画編集アプリ「Quik」の2つをシームレスに連携させることで実現している。

GoPro Appに、QuikStoriesのアイコン(左上)

 編集アプリのQuikは、素早く映像作品を作れるアプリで、自動的に動画クリップの最適な瞬間を分析し、トランジションとエフェクトを追加。自動でBGMも加えられ、その音楽のビートとシンクさせた映像が作成される。音楽はアプリのライブラリにあらかじめ収納されているものだけでなく、スマホなどに保存されている音楽も使える。

 従来はQuikで編集する場合に一度GoProからダウンロードした後に、Quikアプリで写真や動画を選んで編集を始める必要があったが、QuikStoriesではダウンロードを自動で行なえるほか、編集やエフェクトも自動で追加され、ユーザーはできあがったものを調整するだけで見栄えの良い動画を作れるようになった。

 自動作成された動画のカスタマイズとして、各クリップの順番入れ替えや削除、長さの調整、テキストの追加、スローモーションエフェクトやスピードエフェクトなどが行なえる。GoProで撮影したものでなくても、スマホ内に入っている写真や動画も利用できる。動画の長さは、Instagram向けに1分に収まるように設定することも可能。

1つのクリップの前後を切って使いたい部分だけ指定
文字の変更
全体の長さを指定

 作成した動画はFacebookやTwitter、Instagram、LINEなどでシェアできるほか、スマホの本体にも保存可能。QuikStoryで使用された元の動画は、動画編集ソフトでいうプロジェクトのような形でアプリ内に7日間保存され、その後で自動消去される。一度ローカルに保存した動画を再度編集することも可能。

GoPro製品ラインナップとソリューション。写真左下には、海外発表された全天球撮影カメラ「Fusion」も。現時点で発売日などの詳細は明らかにしていない

日常の風景も、自動編集でダイナミックな動画に。GoProでインスタ映えするコツは?

 GoProは、アクションカムとしてエクストリームスポーツなどの過酷な環境下で使われるだけでなく、若い女性にも人気が高まり、Instagramでは、ユーザー発の動きとして、ハッシュタグで「#GoProのある生活」をつけた写真が既に45万件以上投稿されているという。

「#GoProのある生活」というハッシュタグの写真

 新機能のQuikStoriesは、「動画投稿は編集に時間がかかったり、良い動画編集アプリを見つけられない」という悩みにこたえるために、簡単で、インスタ映えする動画作成のテクニックとして提案されたもの。GoPro Training Specialistのイ・スホン氏は、「せっかく良い動画を撮っても『後で編集しよう』と思って、microSDやHDDに眠ってしまうのがもったいないと思って作った」と説明している。

GoPro Training Specialistのイ・スホン氏

 今回の体験会では、参加者にGoPro HERO5 Blackを配布。イ・スホン氏や、他のGoProスタッフとともに、近くの代々木公園まで自転車で移動し、公園内をGoPro HERO5 Blackで撮影。その素材を元にQuikStoriesの動画を作成するまでの一連の流れを教えてもらった。

GoPro HERO5 Black
自転車で移動しながら撮影

 まずはGoProをスマホとペアリング。最初にWi-Fi接続した後で、Bluetooth接続に切り替わり、スマホをビューファインダのように使ったり、GoProの設定変更などが行なえる。

 自転車で移動しながら、GoProで風景を撮影し、代々木公園に到着。木々や噴水など、様々な風景を撮影した。SNS受けする動画や写真を撮りたくても、特に構想もなく挑んでみると、なかなかコレといった被写体には出会えない。撮影した動画をいくつか見返したが、あまり慣れていない人にとっては、アクションカムならではの、ダイナミックな動画を撮るのは簡単ではなさそうだ。

代々木公園で撮影に挑戦

 20本弱の動画を撮影し、GoProからスマホアプリに動画を転送。サムネイルの左下にあるQuikStoriesのアイコンをタップすると、自動で編集が始まった。作成中も、特に待たされる印象はなく、数秒のうちに短い動画が作成され、細かな編集も可能。エフェクトなども、特に用語を知らない人でも、「Sharp」や「Sunny」、「Dandy」といった雰囲気を選べば、一瞬でテイストが大きく変わる。

 筆者の撮影した動画は、1つ1つはそれほど動きがないものだったが、QuikStoriesでまとめられると、画面の切り替わりのエフェクトなどでダイナミックさが加わり、印象が大きく変わった。動画編集ソフトを使うときのように、数多くあるエフェクトの名前や機能を知らなくても、“なんとなくいい感じ”の1本にまとめてくれるアプリのようだ。一方、細部までこだわりたい場合も、後から細かく編集できる。

QuikStoriesで作成した動画
様々なバリエーションから選んで、全体の雰囲気を簡単に変えられる

 もっと上を目指すため、GoProを使って“インスタ映え”する動画はどうやって撮ればいいのだろうか。前述のイ・スホン氏に聞いてみると「グリップなどに装着して視点を変えてみては? (スマホで撮る時のように)ずっと手に持って撮り続けるのはなく、視点を上にしてみたり、下から撮ったりすると面白い。GoProを口にくわえて、両手で何かしている様子を撮ったりするのもおすすめ」とのこと。長く撮り続けるのではなく、短いものをたくさん作ったほうが、つなげた時にインパクトのある動画になるようだ。Media Relations Managerの山下泰広氏からは、「何がインスタ映えするかは、詳しい女性に聞くのが一番」とアドバイス。女性と仲良くなることを含め、どんな努力も惜しんではいけない、ということで納得した。

「ユニークな視点」が動画の印象を大きく変えるという

 同社は、ユーザー向けイベント「GoPro Camp」を9月2日~3日に。撮影講座を受けながら、実際に様々な風景の撮影や、ユーザー同士の交流などもできるもので、GoProを使用するアスリートや、GoProインフルエンサーも多く登場するという。場所は白馬八方尾根スキー場 咲花ゲレンデで、8月1日からGoProのサイトで予約を受け付ける。

GoPro Campを開催