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リコー、4K全天球動画が撮れる「THETA V」。4chマイクで360度音声、ライブ配信も

 リコーは、「IFA 2017」の開幕前プレスカンファレンスにおいて、360度全天球カメラの4K対応モデル「THETA V」を発表した。欧州では9月17日に発売し、価格は449ユーロ。カラーはブラック。

リコー 新規事業開発本部 SV(Smart Vision)事業開発センター所長の大谷渉氏がTHETAを披露

 ワンショットで360度動画/静止画撮影ができるTHETAシリーズの上位モデルで、新たに4K解像度(3,840×1,920ドット/30fps)に対応。

前後に2つのレンズを搭載

 さらに、4chマイク内蔵で360度音声記録にも対応。別売で外付けマイク「TA-1」も用意。オーディオテクニカが開発したマイクユニットを搭載したもので、9月に269ユーロで発売する。

360度音声を記録可能
別売の外付けマイクを用意。オーディオテクニカが開発したマイクユニットを搭載

 全天球のコンテンツはFacebookやLINEなどのSNSにアップロード可能。360度からクロップした画面をInstagramでシェアすることもできる。YouTubeの360度動画や、Google Mapsへのアップロードもできる。

ワンボタンで撮影

 接続にはWi-FiとBluetoothの両方に対応。周囲の環境に合わせて通信方法を選べる。スマートフォン/タブレットとのBluetooth常時接続に対応し、Bluetoothのみ接続するとスマホから撮影可能。カメラのスリープ時はアプリから電源ONするなどできる。Wi-Fi接続時はスマホでのライブビュー表示や画像転送なども可能になる。

Wi-FiとBluetoothに対応
タブレットからの操作イメージ

 無線通信モジュールの改良とデータ処理の高速化も実現し、通信速度を最大2.5倍まで向上。プロセッサにはクアルコムのSnapdragonを搭載し、高い処理能力や省電力化などを実現している。

Snapdragonを搭載

 リモート撮影機能をプラグインとして用意。対応するワイヤレスディスプレイアダプタなどを利用して、カメラ内の360度動画/静止画を外部ディスプレイやプロジェクタなどでも楽しめる。

本体底面

 4K動画のリアルタイム出力にも対応。PCや高速なインターネットを利用することでライブストリーミング配信が行なえる。

 今後のアップデートとして、撮影した360度動画を転送時ではなくカメラ本体内で行ない、転送速度を大幅に向上する機能や、カメラ本体をクライアントとして動作させ、Wi-Fiルーター環境でネットにも同時接続させるクライアントモードへの対応を発表。いずれも2017年中の対応を予定している。

今後の実現を計画している機能
THETAのアプリ/プラグインが入手できるストアも計画

 発表会には、ゲストとしてクアルコムのSenior Vice President, Product Managementを務めるRaj Talluri氏が来場。Snapdragonの活用で、「360度カメラやヘッドマウントディスプレイなどの“VRエコシステム”を加速する」とした。

クアルコムのRaj Talluri氏

 また、Google Street ViewのProduct ManagerであるCharles Armstrong氏も登壇。Google Street Viewは、従来モデルのTHETA SやTHETA SCとも連携する機能を持っているが、それに加えて新たに「Street View mobile ready」という仕組みを発表。新しいTHETA Vから、4Kの360度動画をGoogle Street Viewにアップロードできるという。

 また、VRゴーグルを使って建物などを自由な視点で眺められるというStreet Viewアプリの新機能「VR mode」や、間もなく実現するという「Google Earth VR」機能も紹介した。

Google Street ViewのCharles Armstrong氏
Street View mobile ready
Street ViewアプリがVR modeに対応