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スマートスピーカーが「Googleアシスタント」内蔵で「360度再生」の理由をソニーに聞いた
2017年9月2日 08:45
ソニーは、「IFA 2017」においてGoogleアシスタント搭載ワイヤレススピーカー「LF-S50G」を発表。ブース内でデモを行なっている。製品の狙いや、ソニーならではの特徴などについて、ソニービデオ&サウンドプロダクツ V&S事業部 事業戦略部 パートナー戦略課 山崎達也氏に聞いた。
Googleアシスタントに対応し、声で操作できるスマートスピーカーの「LF-S50G」は、再生して欲しい曲を指示したり、交通情報、アラーム設定、カレンダーの確認、予定リストへの追加などが可能。ニュースや天気予報といった情報もワイヤレススピーカーから聞ける。
Chromecast built-inで、スマートフォンと連携してスマホから楽曲を再生したり、家庭内の対応IoT機器をLF-S50Gから制御、部屋の温度を設定したり、気分に合わせてライトを消すことも可能。
Spotify、Google Play Music、Pandora、TuneIn、iHeartRadio、ポッドキャストなどにも対応する。
声だけでなく、音量や曲送りをスピーカーに直接触れずに手を近くでかざすなどして簡単に操作できる「ジェスチャーコントロール」も装備。ボリュームを上げたい場合は本体の上空で指をクルクルと回し、逆に回すと下がる。
「Googleアシスタント内蔵」が大きな意味を持ってくるのは、他のソニー製品との連動機能。'17年末までに、米国のBRAVIA '17年モデルのファームウェアアップデートによって、BRAVIAもGoogleアシスタントに対応予定としている。
これにより、BRAVIAのリモコンから音声操作できるだけでなく、別室のLF-S50Gから、BRAVIAのNetflixやYouTubeを声で起動、操作できる「ビジュアルフィードバック」が利用可能になるという。
例えば、キッチンにあるLF-S50Gに、声で「リビングルームのテレビでビデオを再生して」と(英語で)指示すると、別室のBRAVIAがYouTubeから該当の動画を再生。キッチンからLF-S50G経由でテレビのボリューム調整もできる。
なお、IFAの会場は大勢の人で混雑しており、音声認識のデモは上の写真のようにスピーカーに口を近づけて行なっていたが、普通の家であれば、スピーカーに近づかなくても声を認識するとのこと。
しかも、(多くのマイクを使うAmazon Echoとの違いとして)「Googleアシスタント経由の場合は、スピーカー内蔵の2個のマイクだけで正確に声を検出する。音声認識の技術をクラウド側の処理で実現しており、どんな方向から話しても、クラウド側のフィルタリング処理を経て音声を認識し、エラー率はEchoと同等かそれ以上」だという。
山崎氏は、スマートスピーカーの利便性として「スマートフォンでアプリ立ち上げて、曲を選び、その音を鳴らすスピーカーを選ぶという手続きが不要。リラックスした曲が聴きたい、といった場合や、特定の曲を再生したい場合、どちらでも指示できる」ことを挙げる。
ソニーとして最初のスマートスピーカーは「色々な人たちに簡単に音楽を楽しんでいただけること」をコンセプトとし、「バックグラウンドで音楽を流し、日常に音楽があふれる生活を提供すること」を目指し、360度のサウンドを採用したという。
Googleアシスタントの採用については、「スマート機能を多く備えているプラットフォームであること」に加え、前述したBRAVIAのように「Androidとの連携」や、「Chromecast built-in機器との連携で、音楽を飛ばす(キャスト)したり、マルチルーム再生もできる」ことが理由だという。
その他にも、テレビにHDMI接続する端末のChromecastを使えば、Android TVでなくても、「OK Google, Play YouTube on Chromecast」で再生可能。このような連携機能の充実度からみて、現時点でGoogleをプラットフォームとして有力視しているとのこと。ただし、AmazonのAlexaについても「検討はしている。その時点で最適な価値を提供することを考え、今はGoogleにアドバンテージがある」との見方をしている。
日本でのスマートスピーカー普及については「スピーカーを買うという意味では“音楽好きのお父さん”がターゲットだが、購入の決定権は多くが奥さん。『家に音楽が溢れる生活ができる』とプロモーションすることなどで市場を盛り上げていければ」とし、「まずは店頭で体験できるようにして、一旦使って、本当に良ければ購入いただける。そういった地道な活動をやっていく」としている。