パイオニア、第1四半期決算発表。営業損失は87億円

-プラズマは8月19日に生産終了。9月末に拠点閉鎖


8月6日発表
2009年度第1四半期連結業績

 パイオニア株式会社は6日、2009年度第1四半期における連結決算を発表した。売上高は前年比40.5%減の957億5,700万円、営業損失は87億5,600万円、純損失は40億9,900万円となった。

 売上高の減少については、世界的な消費の冷え込みや円高の影響などにより、カーオーディオやDVDドライブ、プラズマディスプレイ、カーナビゲーションシステムの売上が減少したことが影響したとする。

 営業損益は、構造改革の効果やプラズマディスプレイに関する特許料収入の一括計上等により、販売費および一般管理費が減少したが、売上高の減少と原価率の悪化により損失が拡大した。

 純損益は、プラズマディスプレイに関する特許権等の固定資産売却益の計上や、税金費用の減少により、前年同期の純損失94億8,700万円から改善したものの、40億9,900万円の赤字となった。


■ プラズマディスプレイの生産拠点を9月末に閉鎖

セグメント別売上高・営業損益

 2009年度第1四半期のセグメント別の業績も発表。ホームエレクトロニクスの売上高は前年比48.2%減の297億500万円で減収となった。これはプラズマディスプレイの売上が海外で減少したことや、DVDドライブの売上が減ったことが要因。BDプレーヤーの売上は新製品が好調に推移し、増加したという。

 営業損益は、プラズマディスプレイにおける特許料収入の一括計上や、原価率の改善、経費の削減などで、10億2,000万円の黒字となった。

 なお、プラズマディスプレイ事業撤退の進捗に関して、計画通り今期中に販売終了と発表。ディスプレイの生産を8月19日に終了し、生産拠点を9月末に閉鎖する予定だとしている。また、光ディスク事業についても計画通り、シャープと合弁会社を設立し、10月1日からの事業開始に向け準備を進める。

 カーエレクトロニクスの売上高は前年比38.4%減の542億3,500万円で、カーオーディオとカーナビゲーションシステムの売上減が減収の要因としている。カーオーディオは海外における市販市場向け機器の売上が減少し、カーナビは国内における市販市場向け機器の売上が減少。ともにOEMの売上も北米や国内で減少した。営業損益は86億9,300万円の赤字となっている。

2010年3月期連結業績予想

 三菱電機との共同開発についても計画通りで、カーナビゲーション・プラットフォームの共同開発に関する覚書を締結し、開発作業を開始しているという。

 その他の売上高は前年比23.9%減の118億1,700万円で、FA機器や電子部品、携帯電話用スピーカーユニット、有機ELの売上減が減収の要因としている。営業損益は16億1,500万円の赤字となった。



■ 組織の再編も

 グループ全体の事業体制のスリム化も引き続き実施。その一環として、10月1日から国内の販売体制を、ホームエレクトロニクスとカーエレクトロニクスの2つの販売会社に統合する。

 ホームエレクトロニクスは、ホームエレクトロニクス製品・AVアクセサリ製品に関する同社の営業部門と、電話関連製品に関する子会社パイオニアコミュニケーションズ株式会社の営業部門、販売子会社のパイオニアマーケティング株式会社を1社に統合。

 またカーエレクトロニクスは、カーエレクトロニクス製品に関する同社の営業部門と、販売子会社5社(パイオニアモーバイル北日本/西日本/九州株式会社、パイオニアモバイルネットワークス株式会社、パイオニアナビコム株式会社)を1社に統合する。

 販売会社統合に関して同社は、「戦略決定の迅速化による販売効率改善や、コスト削減を目的とする」としている。

構造改革の進捗

(2009年 8月 6日)

[AV Watch編集部 大類洋輔]