ソニー、コントラスト12万:1のSXRDプロジェクタ「VW85」

-実売35万円/6万:1の「HW15」も


ソニーディーラーコンベンション2009に展示されたVPL-VW85(下)とVPL-HW15(上)

10月25日発売

標準価格:63万円(VPL-VW85)
      オープンプライス(VPL-HW15)


 ソニーは、フルHDのSXRDパネルを採用したプロジェクタ2モデルを10月25日より順次発売する。

 ダイナミックコントラスト12万:1で、倍速駆動パネルを採用した「VPL-VW85」と、ダイナミックコントラスト6万:1の「VPL-HW15」の2モデルを用意。価格はVPL-VW85が63万円。HW15はオープンプライスで店頭予想価格は35万円前後の見込み。


■ VPL-VW85

VPL-VW85

 0.61型/1,920×1,080ドットの反射型液晶パネル「SXRD」を搭載したフロントプロジェクタ。パネルは120Hzの倍速フレームレート表示に対応。従来モデルVW80に搭載のパネルから細かな改良が加えられているという。

 残像感を低減する「モーションフロー」を搭載。撮影映像に起因するぼけを補正する「モーションエンハンサー」や、プロジェクタ専用の「フィルムプロジェクション」機能も装備し、フレームごとの映像処理を行なうことで、よりくっきり、はっきりした映像再生を実現できる。フィルムプロジェクションは3つのモードを選択できる。

 VW85の最大の強化点はコントラストの向上。VW80ではダイナミックコントラスト6万:1だったが、動的絞り機構の「アドバンスド・アイリス3」の採用などで、12万:1まで向上している。アドバンスド・アイリス3では、シーンの映像情報を解析して、アイリス制御を行なうことで、特に暗部の滑らかな表現を向上したほか、ピーク輝度も高めている。また、光学ユニット内の特殊フィルタと光学補償板による、漏れ光の抑制もコントラスト向上に寄与しているという。輝度は最大800ルーメン。

 レンズは、光学1.6倍ズームのARC-F(オールレンジクリスプフォーカス)レンズ(F2.5~3.4)を搭載。電動ズーム機構に加え、上下65%、左右25%の電動レンズシフト機構も備えている。すべてのレンズに前面マルチ反射防止コーティングを施している。電源ON/OFFに連動するレンズプロテクターも装備。光源は200Wの高圧水銀ランプ。交換用ランプ「LMP- H201(36,750円)」も用意される。

背面

 映像エンジンとして「ブラビアエンジン 2」を搭載。ダイナミックレンジやシャープネスの調整範囲を拡大している。

 また、画質設定機能を強化。従来は3段階であった黒補正機能を±3ポイントの7段階調整に増やしたほか、同じ補正段階に対応した白補正調整機能も追加した。ガンマモードも従来の7から11モードに増やしている。また、画質モードも、シネマモードだけで、「フィルム映画」、「デジタルシネマ」、「プロフェッショナルモニター」の3種類の設定を用意し、映像の種類に合わせて選択可能とした。


自照式のリモコンが付属する

 入力端子はHDMI入力を2系統(x.v.color、Deep color対応)装備するほか、コンポーネント、S映像、コンポジット、アナログRGB/コンポーネント共用のD-Sub 15ピンを1系統装備する。HDMIはブラビアリンクにも対応。トリガー端子(ミニジャック)×2やリモート端子(RS-232C)も備えている。また、別売のアナモフィックレンズを装着し、VW85のアナモフィックズームモードを使用することで、2.35:1のシネマスコープ映像をそのままのアスペクトで出力できる。

 筐体内のエアフローを最適化し、ファンノイズ約20dBまで低減。消費電力は最大320W(スタンバイモード時約8W/エコモード時約0.5W)。外形寸法は470×482×179mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約12kg。リモコンが付属する。


 


■ VPL-HW15

VPL-HW15

 0.61型/1,920×1,080ドットのSXRDパネルを搭載したフルHD SXRDプロジェクタエントリーモデル。倍速駆動の「モーションフロー」には対応しないが、「アドバンスド・アイリス3」などの高コントラスト化技術や光学ユニット技術をVW85から継承。ダイナミックコントラスト6万:1を実現している(従来モデルVPL-HW10は3万:1)。輝度は最高1,000ルーメン。

 レンズは、光学1.6倍(F.2.5~3.4)のズームレンズ。ズームは手動。上下65%、左右25%のレンズシフト機構も備えている。光源は200Wの高圧水銀ランプ。交換用ランプ「LMP-H201(36,750円)」も用意される。映像エンジンは「ブラビアエンジン 2」を搭載。ガンマモードも従来の4から7モードまで増やしており、より詳細な調整を可能とした。

 入力端子はHDMI×2と、コンポーネント×1、S映像×1、コンポジット×1、アナログRGB/コンポーネント共用のD-Sub 15ピン×1を装備。リモート端子(RS-232C)も備えている。

 ファンノイズは22dB。消費電力は最大300W(スタンバイモード時約8W/エコモード時約0.5W)。外形寸法は407.4×463.9×179.2mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約10kg。リモコンが付属する。


(2009年 9月 15日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]