個性派オーディオが集う「Hi-End Show Tokyo 2009」開幕

-元シャープの技術者による1bit、PMC新スピーカーなど

 
会場は有楽町にある東京交通会館

会期:10月9日~11日

会場:東京・有楽町
    交通会館  12F ダイヤモンドホール 

入場料:無料

  オーディオメーカーと輸入商社などが参加する展示・試聴イベント「Hi-End Show Tokyo 2009 Autumn」が9日、東京・有楽町の東京交通会館で開幕した。期間は10月9日~10月11日までの3日間。入場は無料。

 同イベントは2006年まで、1年に1度、10月に開催されていた。しかし、1年に複数回開催して欲しいという来場者からの要望や、新製品をより早く紹介したいというメーカーの声を受け、2007年から春(5月)と秋(10月)の年2回開催されている。

 交通会館12階のダイヤモンドホールに各社が試聴コーナーを設けており、各社ローテーションで再生デモを行なっている。なお、以前は3階のグリーンルームでロッキーインターナショナルが単独でデモコーナーを設けていたが、同社も12階にブースを設けているため、会場は12階のみとなる。


 

■ リリック

 トライパス製のCLASS T PWMアンプを使ったデジタルプリメインアンプ「X-PM1」(139,000円)や、CDプレーヤー「X-CD1」(139,000円)などを発売しているリリックのブースでは、10月7日に発売を開始したばかりの新デジタルアンプ「X-PM2」(89,800円)を出展している。初の1bitデジタルプリメインで、ブランド名は「Nmode」と名付けられている。

 「Nmode」の「N」はリリックの布村常夫代表の名前からとったもので、布村氏はシャープで1bitオーディオ・プロジェクトチームに所属。「SX100」など、一連の1bitアンプを手掛けた人物で、2006年にシャープを定年退職。2008年にリリックを設立し、今回再び1bitデジタルプリメインアンプをリリースしたという。

 S/N比の高い1bitデジタルアンプICをフル活用。12.288MHzの超高速オーバーサンプリングを行なっているほか、高速でローノイズなRコアトランスを採用した電源と各素子の見直しにより、S/N比を向上させている。さらに、内部基板の集積度を上げ、各素子と最短で結ぶことで、「ハイスピードでの濁りのないダイレクトなサウンドを実現した」という。

上がトライパス製のCLASS T PWMアンプを使ったデジタルプリメインアンプ「X-PM1」(139,000円)、下がCDプレーヤー「X-CD1」(139,000円)新製品の1bitデジタルプリメイン「X-PM2」通常のインシュレータに加え、スパイクも装着できる

 消費電力が7.2Wと少ないのも特徴で、アイドリング時は3.1W。定格出力は10W×2ch(8Ω)、15W×2ch(4Ω)。S/N比は100dB。歪率0.01%以下。周波数特性は5Hz~100kHz。デザインや仕様もシンプルを貫いており、入力はアナログRCA 4系統のみ。通常のインシュレータに加え、スパイク(3点支持)も同梱する。外形寸法は420×243×98mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は4.2kg。


■ 47研究所

 コンパクトかつシンプルながら、高品位なコンポを手掛ける47研究所は、新製品のFMステレオチューナ「Model 4730 Midnight Blue」(94,500円)を出展。三連エヤーバリコンを使ったアナログFMチューナで、個性的なデザインにも注目。

 さらに、このチューナとの組み合わせも想定した、「model 4733 Pre Amplifier/USB D/A Converter」を参考展示している。来春の発売を予定しており、価格はチューナと同額(94,500円)を予定している。

 名前の通りDACとプリアンプをセットにしたモデルで、前面にUSB端子とヘッドフォン出力を装備。さらに、プリではあるが、出力2Wのパワーアンプも内蔵しており、スピーカーのドライブにも対応する。

 PCとUSB接続し、小型のデスクトップスピーカーやヘッドフォンをドライブしたり、FMチューナと接続してラジオを聴くといった使い方を想定。入力はアナログ(RCA)2系統とUSB 1系統のみで、光/同軸デジタル入力は備えていない。出力はスピーカーターミナルとアナログ(RCA)×2系統のみ。

三連エヤーバリコンを使ったアナログFMチューナ「Model 4730 Midnight Blue」右にあるのが参考展示された、「model 4733 Pre Amplifier/USB D/A Converter」、「model 4733 Pre Amplifier/USB D/A Converter」の背面


 

■ ヒビノインターサウンド

 ヒビノインターサウンドでは、英PMC製トールボーイスピーカーの新シリーズ「fact8」を参考展示している。新しい「fact」シリーズの第1弾モデルと位置づけられている。日本に上陸したばかりとのことで、価格や発売時期は未定。

 音質を第一に追求する、既発売の「i」シリーズに対し、デザインにもこだわったというシリーズで、シルバーを基調としたスピーカーターミナルや、ミラーを使ったスパイクなどが特徴。価格は「iシリーズと大きく変わらない」という。22mm径ツイータと140mm径のダブルウーファを搭載した2ウェイ3スピーカーのトールボーイ。スピーカーターミナルがシルバーカラーで彩られ、底面のスパイクにも鏡面仕上げが使われている。

PMCの新スピーカー「fact8」シルバーを基調としたスピーカーターミナル一見透明に見えるが、ミラーを使ったスパイクを備えている

上からCDプレーヤー「BCD-1」と、DAC「BDA-1」
 ヒビノのブースではさらに、BrystonのCDプレーヤー「BCD-1」と、DAC「BDA-1」も参考展示している。プレーヤーは音楽CDのみ再生可能なシンプルな仕様で音質を追求。DACはUSB端子も備え、PCとの接続も想定している。価格はCDプレーヤーが40万円弱、DACが30万円程度が予定されている。どちらも今年度中の発売を予定している。



 

■ DYNAUDIO JAPAN

 DYNAUDIO JAPANのブースでは、取り扱っている仏ATOLLの新製品を参考展示。全てオープンプライスで、プリメインの「IN30」は、50W×2ch(8Ω)の出力で実売8万円前後の見込み。

 TEAC製ドライブメカと、WolfsonのDAC「WM8729」を採用したCDプレーヤー「CD30」は95,000円前後の見込み。USB端子も装備しており、PCとも接続できるのが特徴。DACの「DAC100」は、同軸デジタル×3、光デジタル×3、USB×1の入力を備え、こちらもPCと接続可能。ラインオーディオ用には「PCM1796」を、USB用には「PCM2706」を使用する。9万円前後の見込み。12月より順次発売する予定。

仏ATOLLのプリメイン「IN30」CDプレーヤー「CD30」上がDACの「DAC100」の背面

 さらに、DYNAUDIOのスピーカー、Exciteシリーズの新カラーとして、ブラックとホワイトの光沢仕上げが登場する。価格はどちらの仕上げもX12が138,600円(ペア)、X16が196,350円(ペア)、X32が346,500円(ペア)、X36が438,900円(ペア)、X22が103,950円(1台)。

再生デモにはExciteシリーズの新カラー、ホワイトのモデルが使われた


(2009年 10月 9日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]