ソニー、5,000lm相当のプロジェクタ用小型RGBレーザー

-小型/高出力のSHGレーザー採用。1万lm以上にも対応


3月8日発表


 ソニーは8日、シアタープロジェクタなどの光源として利用できる高効率のRGBレーザー光源モジュールを開発したと発表した。この技術はソニーマニュファクチュアリングシステムズに移管され、同社より2010年後半にサンプル出荷が開始されるという。

 赤と青は半導体レーザー、緑には小型/高出力が特徴のSHGレーザー(Second Harmonic Generation/2次高調波による波長変換方式)を採用するプロジェクタ向けレーザー光源。出力は赤10W、緑6W、青5Wの計21Wで、5,000ルーメンに相当する。

 明るさ1,000ルーメン程度のホームシアター向けプロジェクタの光源として利用できる。また、3色の光線が垂直/水平方向に広がりにくい平行光で出力されるため、複数モジュールを積み重ねることができ、1万ルーメン以上の大型プロジェクタや、デジタルシネマ向けプロジェクタへの応用も可能としている。光学部品の小型化などで、デジタルシネマなど大型プロジェクタの光源としては業界最小クラスという、530ccパッケージを実現した。

 各色のレーザーは15~18%(3色平均18%)という、可視域の高出力レーザーとしては高いエネルギー変換効率を達成。赤と青は半導体レーザー結晶の高い品質と高効率で排熱する実装技術を、緑には波長の変換効率を高める独自のレーザー構造を採用したことで実現している。5,000ルーメン時の消費電力は110W。高効率化による発熱低減で、レーザーの冷却用部品を小型/簡略化できる。

 さらに、レーザーを光源とすることで、既存のキセノンランプに比べ3~20倍に相当する、1万時間以上の長寿命化を可能にするという。外形寸法は152×114×30.5mm(幅×奥行き×高さ)。



(2010年 3月 8日)

[AV Watch編集部 中林暁]