記録型BDは'11年度に2億枚突破。DVDは市場縮小
-JRIAが記録メディア需要予測。8cmDVDは役目終える
日本記録メディア工業会(JRIA)は3日、Blu-ray DiscやDVD、ビデオテープなどの記録メディアの世界需要予測を発表した。2013年度までの3年間の中期予測をまとめたもので、いずれも2010年度の推定実績に基づいて算出している。
新たにBlu-ray DiscをBD-R(追記型)、BD-RE(書換型)に分割したほか、これまで追記/書換型を別々に予測していた8cmDVDを需要規模の縮小から一本化。FD(フロッピーディスク)は、需要規模縮小と国内メーカー完全撤退を受けて予測を中止した。
■ BDは2011年度に2億枚を突破。BD-Rが需要をけん引
記録型BDについては、2010年度に録画用の世界需要が1億枚を超え、2011年度は83%増の2億7,000万枚、2013年度は4億1,200万枚に達すると予測。国内需要が中心で、2011年度は84%が日本国内だが、海外におけるデジタル放送化などを受け、2013年度には海外市場の構成比が35%になるととしている。
国内需要のタイプ別では、2011年度のBD-Rが1億100万枚で構成比58%、BD-REが7,300万枚で同42%。2013年にはBD-Rが1億6,800万枚で構成比63%、BD-REが9,900万枚で37%と、BD-Rの伸長を予測している。
【記録型BD世界需要】
- | 2010年推定実績 | 2011年予測 | 2012年予測 | 2013年予測 |
日本 | 105 (219%) | 174 (166%) | 224 (129%) | 267 (119%) |
その他地域 | 8(200%) | 33(413%) | 81(245%) | 145(179%) |
世界合計 | 113(217%) | 207(183%) | 305(147%) | 412(135%) |
【BDタイプ別国内需要】
- | 2010年度 推定実績 | 2011年度 予測 | 2012年度 予測 | 2013年度 予測 |
BD-R | 59 (56%) | 101 (58%) | 139 (62%) | 168 (63%) |
BD-RE | 46 (44%) | 73 (42%) | 85 (38%) | 99 (37%) |
単位:百万枚、()内は前年比
■ 記録型DVD市場縮小。「8cmDVDは役目を終えつつある」
記録型DVDについては、追記型が2011年度に前年比8%減の43億6,000万枚で、'13年度には35億3,000万枚に減少。書換型も'10年度が前年比16%減の2億3,000万枚に、'13年度は1億5,300万枚まで減少すると予測。JRIAでは「世界需要は加速度的に減少する。アクセス速度で勝る小型メモリーカードやUSBメモリとの競合、HDDレコーダの普及が大きな要因」と分析している。
録画用は'11年度予測で8%減の5億4,000万枚、データ用が8%減の3億6,000万枚で、'13年までにさらに減少する見込み。国内需要においては、フラッシュメモリへの移行だけでなく、記録型BD需要の拡大の影響も受けるとしている。8cm DVDは、'11年度は前年比32%減の1,900万枚、'13年度は700万枚と大幅な市場収縮を予測。「ムービー市場はHDD/メモリカードが主流となっており、記録メディアとしての役割を終えつつある」としている。
記録型CDについては、データ用CD-Rが'11年度が前年比17%減の36億2,500万枚、'13年度には24億7,500万枚への減少を見込む。録音用CD-Rは'11年度に前年比15%減の1億5,200万枚、'13年度は1億500万枚と予測。CD-RWは'11年度が同23%減の6,400万枚、'13年度は3,900万枚まで減少するとみている。
オーディオ用カセットは、'11年度が前年比28%減の6,300万巻、'13年度は2,900万巻。録音用MDは'11年度が前年比29%減の1,500万枚、'13年度は500万枚。ビデオテープは、'11年度が同46%減の3,400万巻、'13年度は1,000万巻。ミニDVカセットは'11年度が同28%減の5,200万巻、'13年度が2,500万巻と予測。いずれもメディアシフトに伴う需要減が見込まれる。
一方で、SDカードなどの小型メモリーカードの国内需要については、2010年度推定実績が前年比12%増の6,260万枚、'11年度は同2%増の6,410万枚、'13年度は同2%増の6,810万台と予測する。
(2011年 3月 4日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]