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オンキヨー、新ハイエンドサウンドカード「SE-300PCIE」

−DIDRCやHPアンプ搭載。X-Fiを搭載し、EAX 5.0対応


SE-300PCIE

 オンキヨーは、「WAVIO」ブランドのPC用サウンドカードの新ハイエンドモデル「SE-300PCIE」を4月末に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は34,800円前後。

 2006年に発売された「SE-200PCI」や、そのリミテッドモデルとして2008年に登場した「SE-200PCILTD」に続く、ハイエンドサウンドカード新モデル。従来はPCI接続だったが、新モデルではPCI Express×1接続となった。対応OSはWindows Vista/7で、7は64bit版にも対応する。

 特徴は、セパレートの同社ピュアオーディオ機器で採用しているオリジナル回路「DIDRC」を2chのアナログ出力回路に採用した事。オペアンプは使用していない。また、「DIDRC」を使ったヘッドフォンアンプも搭載。さらに、オーディオプロセッサにCreativeの「20K2 X-Fi」を採用し、「EAX ADVANCED HD 5.0」のサウンドエフェクトにも対応。ゲームにも強いサウンドカードになっている。


2006年に発売された「SE-200PCI」 リミテッドモデルとして2008年に登場した「SE-200PCILTD」 オンキヨーのサウンドカードの歴史


■DIDRC回路を搭載

 2chのアナログ出力に加え、拡張ボードを使った7.1chアナログ出力にも対応(その場合は2スロットを占有する)。2chのアナログ出力では、通常のサウンドカードと異なり、オペアンプを使っておらず、独自のDIDRC回路を採用している。このDIDRC(Dynamic Intermodulation Distortion Reduction Circuitry)は、動的ノイズに着目した技術となる。

 アンプの基本性能を示すSN比は、一般的に“何も入力していない状態のアンプ”が発するノイズレベルを計測し、そのアンプが出力できるレベルに対する比を表している。しかし、音楽を再生すると、それ以外のノイズが現れ、音質に影響を与えているという。そこで、こうした“動的ノイズ”(音楽が鳴り始めてから発生するノイズ)に対応するのがDIDRC回路となる。

 通常、オーディオアンプは人の可聴帯域よりも少し広い範囲(10Hz〜100kHzなど)を再生するが、性能としては数100kHz〜1MHz程度までの高域の増幅能力が備わっているという。しかし、従来のアンプでは、人の耳には聞こえない帯域であるため、こうした超高域には大きな歪みがあるという。

 CDなどの音源では、20kHz程度でそれ以上の高域がカットされているため、アンプに上記のような問題があっても聞こえる音に影響は出ないはずだが、オンキヨーでは、DACで行なわれるオーバーサンプリング処理に注目。処理により、元になった音声と同じ波形が、いくつもの(元の帯域の8/16/24倍など)高周波帯域に発生。それをアンプに入力すると、歪みが発生してしまう。

 このノイズは耳には聞こえない高域だが、それらの周波数が近接して存在すると、ビート現象によって可聴帯域内に余分なノイズ(混変調歪)を生成させてしまうという。そこで、MHz帯までの広帯域再生と、1μ秒の瞬間に最高1,000Vにまで達する反応速度を併せ持つというDIDRC回路を開発。スルーレートを大幅に高めたこの回路により、可聴帯域外に波形があってもそれが歪まず、耳に聴こえるノイズも発生しないため、よりクリアな音楽再生ができるとしている。

高帯域に発生している、無かったはずの波形 スルーレートを大幅に高めたDIDRC回路を採用 市場で評価の高いオペアンプと、DIDRC回路の高周波ビートダウンを比較したところ

 「SE-300PCIE」では、このDIDRC回路をディスクリート部品で上下シンメトリーにした、専用設計で搭載。ヘッドフォンアンプの回路でも、同様の構成を採用している。

製品からシールドを外し、内部パーツが見えるようにしたところ 銅バスプレートで挟まれている右側の部分が、2chアナログ出力回路。DIDRC回路が使われている


■その他の特徴

 電源の安定供給を図るために、PCから供給される電源をそのまま使わず、トランスを装備し、電源回路から±両電源を新たに生成。オーディオ専用に供給している。

 2chアナログ出力(RCA)用のDACとして、TIのバーブラウン「PCM1798」を2基搭載。合計4つのDACの平衝出力を用いて、チャンネル毎にダブルで差動合成。SN比120dBを実現している。また、DAC用のクロックも、±10PPMの高精度なものを搭載する。

 2chアナログ出力は24bit/192kHzに対応。光デジタルと同軸デジタル出力も備えているが、こちらは24bit/96kHzまでの対応となる。

電源部分。親指のそばにある四角いパーツがトランス 写真中央、プレートの近くで見えにくいが、バーブラウン「PCM1798」を2基搭載しているのがわかる

 内部干渉や輻射ノイズから信号を守るシールドも採用。アナログオーディオ回路には磁気歪を発生させない銅シールドで、デジタル回路と電源のDC/DCコンバータには高透磁率の磁性シールドでカバーしている。2chアナログ出力回路にはグラウンド電位の安定化を図る銅バスプレートも配置している。

 オーディオプロセッサには、Creativeの「20K2 X-Fi」を採用。Creativeのドライバーをベースに、オンキヨー用のカスタマイズを加えたものになるという。また、「EAX ADVANCED HD 5.0」のサウンドエフェクトにも対応しており、ゲームプレイ時のCPU負荷を軽減。高い応答速度で出力できるという。さらに、ASIO 2.0にも対応し、DMTなどでも応答速度の高さを活かせるという。

シールドを付けた状態で横からみた所。赤い部分が銅シールド、灰色が磁性シールド。なお、細かいパーツは手作業で取り付けているものもあるという オーディオプロセッサには、Creativeの「20K2 X-Fi」を採用

 出力は2chのアナログ(RCA)、光デジタル、同軸デジタル、ステレオミニのヘッドフォン出力を各1系統装備。拡張ボードを使い、7.1chアナログ出力も行なえる。本体と拡張ボードは専用ケーブルで接続。入力はステレオミニのアナログ音声、ステレオマイク、光デジタルを各1系統搭載する。ヘッドフォンアンプの対応ヘッドフォンのインピーダンスは32〜600Ω。

 カードの外形寸法は181×126.5×25mm(縦×横×厚さ)。重量は300g。拡張ボードの重量は36g。

サウンドカード本体の入出力端子部分 拡張ボードには7.1chアナログ出力などを備えている
サウンドカード本体にある専用端子で、拡張ボードと接続する サウンドカードと同じく、DIDRC回路を搭載したセパレートオーディオと組合せ、B&WのMATRIX 801で試聴。中高域に雑味が無く、極めて自然で伸びやかな再生音が印象的だ。ノイズが少ないため、音場の見通しも良く、聴き取れる情報量が多い。ピュアオーディオライクな音質になっている

(2011年 4月 8日)

[ AV Watch編集部 山崎健太郎]