ニュース

DALIの人気エントリースピーカーが「SONIK」へ進化。上位機にリボン追加。音質インプレッション付き

左からSONIK 1/CINEMA、SONIK/ONWALL、SONIK 1、SONIK 3、SONIK 5、SONIK 7、SONIK 9

ディーアンドエムホールディングスは、DALIのエントリースピーカー「OBERON」シリーズのDNAを受け継ぐ、後継シリーズ「SONIK」(ソニック)を3月3日に発売する。コンパクトなブックシェルフ「SONIK 1」(ペア90,200円)から、新たにプレーナー型ツイーターも追加したフロア型「SONIK 9」(1台215,600円)までラインナップする。

コンパクトなブックシェルフ「SONIK 1」

ラインナップと価格は以下の通り。

  • ブックシェルフ「SONIK 1」 ペア90,200円
  • ブックシェルフ 「SONIK 3」 ペア129,800円
  • フロア型「SONIK 5」 ペア181,500円
  • フロア型「SONIK 7」 1台136,400円 ※ペア販売品
  • フロア型「SONIK 9」 1台215,600円 ※ペア販売品
  • 壁掛け型「SONIK ON-WALL」 ペア132,000円
  • センター「SONIK CINEMA」 1台93,500円

海外ブランドのオーディオ機器が高価格になっている昨今だが、SONIKシリーズは全てのモデルではないものの、OBERONから価格を据え置きにしているモデルも多い。OBERONは、2018年に登場してすぐに市場で人気モデルになり、DALI自身も、同社の歴史の中で最も重要なシリーズと位置付けているという。また、その人気を支えた日本のユーザーと、日本市場へのリスペクトもあり、SONIKの価格が実現したとのこと。OBERONとの価格差については、以下の画像を参照のこと。

カラーバリエーションはブラック・アッシュ、ナチュラル・オーク、ウォルナット、ホワイト。

OBERONからの進化点

OBERONからの進化点

SONIKはエントリーのシリーズとなるが、ハイエンドモデル「KORE」で培った技術を投入しているのが特徴。さらに、デザインや仕上げのカラーは、スカンジナビアンファニチャーの方向性を注視しながら選ばれたという。

左からOBERON 1、SONIK 1

ハイエンドスピーカーのKOREは、ソフトドームツイーターなど、DALI伝統の有機素材を使いながら、独自技術の高速ドライバーを搭載し、有機素材がもつ損失/ロスという欠点を補完。「ウォームなサウンドでありながら、微細で広大な空間表現が可能」という特徴を持つ。

SONIKの全モデルに登載しているツイーターは、29mmのソフトドームで、サイズや素材はOBERONのものと同じ。

しかし、D&Mのシニアサウンドマスター・澤田龍一氏によれば、「SONIKに先駆けて昨年登場したコンパクトスピーカー『KUPID』(クーピッド)と同様に、磁気ギャップ部分に入れている磁性流体の“粘性”がOBERONのものより低くなっている」という。

D&Mのシニアサウンドマスター・澤田龍一氏

磁性流体が使われるのはボイスコイルの放熱のため。しかし、ユニットが振幅する際に、磁性流体の粘性が高いと、動きを阻害するブレーキになってしまう。しかし、生産性の問題で、磁性流体は入れる必要がある。

そこで、SONIKのソフトドームツイーターでは、「磁性流体を使っていないにも近いほど」という粘性が柔らかいものを採用。その結果、測定をすると、ソフトドームが受け持つ周波数帯の下側、ウーファーの周波数と重なる部分の動きがスムーズになり、中域から高域へのシームレスな音のつながりを実現したという。

OBERONのソフトドームツイーター
SONIKのソフトドームツイーター

さらに、アルミニウムの薄板を加工して高拡散アルミフェイスプレートを作成。そこにソフトドームツイーターを配置。プレート形状を進化させることで、周波数レスポンスを改善。このプレートは発泡アクリル系の両面テープでバッフルに強力に固定されており、プレートが鳴かないようにダンピングされている。

フロア型上位モデルのSONIK 7、SONIK 9では、ソフトドームツイーターに加え、17×45mmのプレーナー型(リボン)ツイーターを登載。OBERONシリーズではコストが高いため使われていなかったものだが、ソフトドーム型とプレーナー型を組み合わせたハイブリッドツイーターは、DALIを代表する技術でもある。プレーナー型の追加により、高域のディテールと滑らかな繊細さを高めた。

左がOBERON 9、右がSONIK 9。17×45mmのプレーナー型(リボン)ツイーターを登載した

モデルによってサイズは異なるが、ミッドレンジとウーファーには13cm/18cmのウッドファイバー・コーン・ドライバーを採用。

OBERONで採用されたミッドレンジ/ウーファーをベースとしているが、SONIKでは振動板に馬蹄形の窪みを設けた。これはClarity Coneテクノロジーと呼ばれるもので、コーンが高速で振幅した歳に、変形しにくくなるようコントロールする役目がある。

この工夫により、ミッドレンジ/ウーファーが担当する帯域の、上の方の伸びがスムーズになり、聴感上のスピード感もアップ。前述の進化したソフトドームツイーターと組み合わせた時に、繋がりが良くなったという。

このミッドレンジ/ウーファーには、鉄製ポールピース上部にSMCディスクを配置。純鉄ポールピースのみの同等ウーファーと比べ、第3次高調波歪みを大幅に低減した。

筐体はCNC加工したMDFキャビネットパネルを採用した高剛性構造。バスドライバー専用チャンバーや、デュアルフレア・バスレフポートを備えている。

SONIK 1
SONIK 3
左からSONIK 5、7、9

バスレフポートは基本的にリアに備えているが、「SONIK CINEMA」は前面に配置。センターだけでなく、センターだけでなく、左右スピーカーとして縦置きでも使えるようになっている。

SONIK CINEMA

壁掛け用「SONIK ON-WALL」は、壁掛け設置に最適化されたリフレックスポート設計になっている。

SONIK ON-WALL

フロア型のSONIK 5、7、9には、新設計のアルミ製スパイク・アウトリガーを底面に配置。EPIKOREからインスピレーションを受けて開発されたもので、堅固かつ安定性の高いフットとなっている。スパイクまたは半球型ラバーフットを選択可能。

スピーカーターミナルは真鍮ブロックからの削り出し。いずれもシングルワイヤリング。ユニット構成やサイズは記事の最後に記載する。

OBERONから音はどう変化したのか

OBERON 1
SONIK 1

発表会において、短時間だが試聴したのでインプレッションをお届けする。まず、お馴染みのOBERON 1とSONIK 1を比較試聴し、SONIKの進化点に注目した。ジャズトリオや金子由香利のシャンソンなどを聴いた。

どちらもソフトドームツイーターを登載しているので、ややウォームで、ナチュラルな音の質感は共通しているのだが、音が広がる空間の広さが、驚くほど進化。OBERON 1よりも、SONIK 1の方が音場のスケールが大きく、左右だけでなく、奥行きの深さもより深くまで見える。

高域もSONIK 1の方が伸びやかで、よりストレスが無い。この変化によるものか、低域の深さも、SONIK 1の方がより深くなり、量感も増したように聴こえる。

エントリーでも、ナチュラルでホッとするようなDALIらしいサウンドでありつつ、スケール豊かな描写は、確かにハイエンド機KOREの特徴を踏襲している。自然な音に、ゆったりを体を包まれるようなサウンドになったのが、SONIK 1の魅力と言えそうだ。

フロア型のSONIK 5にすると、SONIK 1の印象のまま、低域がより深く沈み、重さも増す。低域がよりリッチになる事で、スケール豊かなサウンドが、より雄大に展開する。

フロア型上位機SONIK 7になると、さらにスケールアップするのだが、SONIK 7の場合はそれに加え、リボンツイーターを登載している事で、高域の透明感、分解能がワンランクアップ。ヴォーカルの吐息や、ベースの弦の震える様子など、細かな音に注目するとそれらがより克明に聴き取れるようになる。

SONIK 5
SONIK 7

ユニット構成など

  • SONIK 1
    ツイーター:29mmソフトドーム
    ミッドレンジ/ウーファー:130mmSMCウッドファイバー・クラリティ・コーン
    再生周波数範囲:50Hz~26kHz(±3dB)
    外形寸法:162×222×274mm(幅×奥行き×高さ/グリル含む)
    重量:4.1kg(グリル含む)
  • SONIK 3
    ツイーター:29mmソフトドーム
    ミッドレンジ/ウーファー:180mm SMCウッドファイバー・クラリティ・コーン
    再生周波数範囲:47Hz~26kHz(±3dB)
    外形寸法:200×306×350mm(幅×奥行き×高さ/グリル含む)
    重量:6.5kg(グリル含む)
  • SONIK 5
    ツイーター:29mmソフトドーム
    ミッドレンジ/ウーファー:130mm SMCウッドファイバー・クラリティ・コーン×2
    再生周波数範囲:39Hz~26kHz(±3dB)
    外形寸法:162×270×800mm(幅×奥行き×高さ/グリル含む)
    重量:10.8kg(グリル含む)
  • SONIK 7
    ツイーター:29mmソフトドーム、17×45mmプレーナー型ツイーター
    ミッドレンジ/ウーファー:180mm SMCウッドファイバー・クラリティ・コーン×2
    再生周波数範囲:36Hz~26kHz(±3dB)
    外形寸法:200×330×9800mm(幅×奥行き×高さ/グリル含む)
    重量:16.2kg(グリル含む)
  • SONIK 9
    ツイーター:29mmソフトドーム、17×45mmプレーナー型ツイーター
    ミッドレンジ/ウーファー:180mm SMCウッドファイバー・クラリティ・コーン×3
    再生周波数範囲:34Hz~26kHz(±3dB)
    外形寸法:214×376×1,100mm(幅×奥行き×高さ/グリル含む)
    重量:24.6kg(グリル含む)
  • SONIK CINEMA
    ツイーター:29mmソフトドーム
    ミッドレンジ/ウーファー:130mm SMCウッドファイバー・クラリティ・コーン×2
    再生周波数範囲:46Hz~26kHz(±3dB)
    外形寸法:571×214×170mm(幅×奥行き×高さ/グリル含む)
    重量:7.9kg(グリル含む)
  • DALI SONIK ON-WALL
    ツイーター:29mmソフトドーム
    ミッドレンジ/ウーファー:130mm SMCウッドファイバー・クラリティ・コーン
    再生周波数範囲:55Hz~26kHz(±3dB)
    外形寸法:245×121×385mm(幅×奥行き×高さ/グリル含む)
    重量:4.9kg(グリル含む)