シャープ、スマホ/レコーダ連携の最上位機「AQUOS L5」
-地デジ3チューナで2番組同時録画。3D標準対応
AQUOS L5シリーズ |
シャープは、ネットワーク機能を強化し、レコーダ「AQUOSブルーレイ」やスマートフォン「AQUOS PHONE」とワイヤレス連携できる液晶テレビ「AQUOS L5シリーズ」を7月15日より発売する。40型の「LC-40L5」、46型の「LC-46L5」、52型「LC-52L5」、60型「LC-60L5」をラインナップする。
価格はオープンプライスで、店頭予想価格は40型が22万円前後、46型が30万円前後、52型が38万円前後、60型が45万円前後。
4原色クアトロンパネルを採用し、3Dにも対応。特徴はネットワーク機能を強化し、AQUOS PHONEからの操作やAQUOSブルーレイとのコンテンツ連携、新サービス対応などを実現したこと。発売に合わせて新ネットサービス「AQUOS City」も開始する。
LC-60L5 | LC-52L5 | AQUOS LC-40L5(左)、LC-46L5(右) |
スマートフォンで操作可能 | LC-46L5 | LC-40L5 |
液晶パネルは、4原色技術とともに、独自のUV2A技術を進化させた「ハイスピードUV2A」を採用。3月発売のAQUOS Z5シリーズと同様に、新開発の液晶材料や新セル構造の採用により、高速応答を実現。さらに、240Hzスキャンも採用し、3Dだけでなく2D映像表示時にも240Hz駆動を行なうことで、動画応答性能を向上。2D表示時の残像感と、3D表示時のクロストーク(2重像)を低減させている。
LEDバックライトは直下型で、バックライトスキャン技術「FRED」により、3D視聴時のクロストークの低減に寄与。また、THX 3D認証ディスプレイ規格も取得している。
リモコンの3Dボタンで3D方式を選択可能で、2D-3D変換機能も装備。新たに、目の体操ができる3D映像を約1分ほど表示することで、3D視聴時の目の疲れを軽減できるという「3Dストレッチ」機能も搭載。3Dストレッチ用の素材は、オリンパスビジュアルコミュニケーションズが提供している。
新3Dメガネ「AN-3DG20」 |
3Dメガネは、新タイプの充電式「AN-3DG20」が付属する。メガネフレームメーカーの増永眼鏡と協業し、視力矯正眼鏡や医療機器で導入が進む超弾性素材を採用。従来比約40%軽量化し、重量40gを実現。バッテリを内蔵し、USBで充電可能となっている。
また、従来のAQUOSクアトロンと共通の「AN-3DG10」(実売価格1万円前後)も利用できる。
■ AQUOS PHONEから映像を無線伝送。3チューナで2番組同時録画も
AQUOS PHONEにプリインストールされる「スマートファミリンク」 |
AQUOS L5の特徴はネットワーク機能の強化と周辺機器連携。IEEE 802.11a/b/g/n無線LANを標準で装備し、同社製品との連携機能「スマートファミリンク」を搭載。AQUOS PHONEで撮影した動画(MP4/3gp)や写真(JPEG、MPO)、音楽(MP3)などをタッチパネルを使ってAQUOSに無線LAN経由で伝送し、テレビの大画面で楽しめる。
さらに、AQUOSブルーレイをAQUOS PHONEから操作し、テレビに映像出力できるほか、AQUOSブルーレイ内の録画番組をAQUOS PHONEで視聴することも可能。さらに、AQUOS PHONEからWebサイトのURLをテレビに送信し、テレビのブラウザで表示したり、着信をテレビ画面で通知するなどの連携が可能。
これらの機能は、AQUOS PHONEにプリインストールされるアプリ「スマートファミリンク」上で実現。対応するAQUOS PHONEは、ドコモのSH-12C、f SH-13C、auのIS11SH、IS12SH、ソフトバンクの006SH、007SHなど。
現時点では、AQUOS PHONE以外のスマートフォンへのアプリ提供は行なわない方針。AQUOSブランド製品での付加価値訴求に活用するだけでなく、スマートファミリンクで実現する一部の機能(レコーダ内映像のAQUOS PHONEでの視聴など)のために、スマートフォン側に固有のDTCP用暗号鍵が求められるなど、ハードウェアの対応が必要なことが、その理由という。
ただし、主要な機能はDLNAをベースにしており、スマートファミリンクアプリをDMC(DLNAコントローラ)、AQUOS L5をDMR(DLNAレンダラー)として利用するため、サポートの対象外ながら、一部機能が利用できる可能性はある。
スマートフォンで選択した画像を、無線LAN経由でAQUOS L5に伝送して表示 | DLNAサーバー内の動画再生などにも対応する |
また、「AQUOSリモート」アプリもAQUOS PHONE向けに提供。スマートフォンからの文字入力やテレビ操作が行なえるもので、キーワードの音声入力で、テレビ画面のEPGやUSB HDD内の録画番組、Webサイト、VODコンテンンツの検索結果などを表示できる。なお、AQUOSリモートはAndroidマーケットで提供するが、AQUOS PHONE以外の端末からは利用できない。
AQUOSリモート。Web検索や番組表検索、VODタイトル検索などが可能。入力切り替えもできる | AQUOSのチャンネル操作 | 番組詳細検索 |
DLNA/DTCP-IPにも対応し、AQUOSブルーレイに録画した番組をネットワーク経由で再生できる。DLNAのプレーヤー(DMP)とレンダラー(DMR)にも対応。また、DTCP-IPダビングにも対応し、AQUOS L5でUSB HDDに録画した番組を対応レコーダにダビングできる。
AQUOS City。起動時にスマートホーム画面が立ち上がる |
新ネットワークサービスの「AQUOS City」も7月15日スタート。VOD系はTSUTAYA TVやアクトビラ、ひかりTV、T's TVなどの有料サービス、YouTubeなどの無料サービスなどを集約したほか、各有料サービスのVODタイトルの横断検索機能を搭載。見たい動画を簡単に検索できるという。また、天気予報や震災情報、地図、オンラインショッピングなどの生活サポート情報も提供する。
「スマートホーム」画面は、左側にテレビ映像、右側にAQUOS Cityの各サービスを表示するもの。初期設定では、テレビの起動時にこの画面が立ち上がり、Webサイトの検索やVOD、録画番組、放送番組などをキーワード検索できる。
また、天気やニュース、おすすめ動画などのネット情報、「おすすめ番組」や録画した番組の「未視聴お知らせ」などを行なう「AQUOSインフォメーション」も搭載。離れて暮らす家族のテレビ利用状況をメールで通知する「見守りサービス」などの機能も用意される。
テレビ版Yahoo! JAPANを表示 | AQUOS Cityのラインナップ | VOD横断検索や見守りサービスも |
チューナは地上デジタルを3系統、BS/110度CSデジタルを2系統と、地上アナログを1系統装備。別売のUSB HDDへの録画機能も搭載し、2番組の同時録画に対応。2番組録画中も地デジの裏番組を使用できる。ひかりTVの番組録画にも対応する。HDMI入力は4系統。
スピーカー出力は7.5W×2+15W。46/52/60型は、4ウェイ8スピーカーシステム「ARSS」と低振動ウーファ「Duo Bass」を搭載し、磁石の改良や高級オーディオ用の振動板の採用などで音質を向上。アンプは1ビットデジタルアンプ。40型は7スピーカーの「ARSS」となる。
リモコンも新デザインのものを採用。画面の明るさを控えめにして、消費電力を約15%抑制する「セーブモード」ボタンも搭載。同ボタンを押した場合は、輝度を抑えるだけでなく、明るさセンサーや無信号電源オフ、無操作電源オフなどが有効になる。
側面に4系統のHDMI。B-CASカードは2枚 | リモコン |
緊急警報速報にも対応。デジタル放送視聴中だけでなく、インターネットやIPTV、外部入力視聴中でも、画面上に緊急警報放送を表示する。
型番 | LC-60L5 | LC-52L5 | LC-46L5 | LC-40L5 | |
サイズ | 60型 | 52型 | 46型 | 40型 | |
解像度 | 1,920×1,080ドット | ||||
テレビコントラスト | 700万:1 | ||||
視野角 | 上下176度、左右176度 | ||||
光源 | LED(直下型) | ||||
スピーカー | 7.5W×2+15W | ||||
入力端子 | HDMI×4、D5×1、コンポジット×2、アナログ音声×1、アナログRGB(D-Sub15ピン)×1 | ||||
出力端子 | 光デジタル×1、音声出力×1、ヘッドフォン×1 | ||||
その他 | USB×2、Ethernet×1 | ||||
消費電力 | 210W | 167W | 150W | 132W | |
年間消費電力量 | 161kWh/年 | 132kWh/年 | 120kWh/年 | 106kWh/年 | |
外形寸法 (スタンド含む) | 139.8×36.2×90.5cm | 122×30.2×80.4cm | 108.6×30.2×72.8cm | 95.3×26.8×64.8cm | |
重量 (スタンド含む) | 約36.5kg | 約27kg | 約23.5kg | 約17.5kg |
■ サービスと両輪で展開。今後も亀山ブランドは継続
AVシステム事業統轄 兼 AVシステム事業本部長の中村氏 |
同社執行役員 AVシステム事業統轄 兼 AVシステム事業本部長の中村恒夫氏は、AQUOSの販売が2011年5月に累計3,000万台を達成したことを報告。7月の地上デジタル放送移行と伴って、AQUOSが次のステージに差し掛かっていることを強調した。
シャープでは、AQUOSの専用ポータル「AQUOS.jp」とともに、2006年から本格的にネット対応テレビを手掛け、750万台がネット対応となっている。AQUOS.jpのページビューも月間400万pvを超えたとする。
そのためにAQUOS L5シリーズで、通信機器との連携による新しい映像の楽しみ方や、便利な使い方を提案。「ソフト、サービスと両輪になってAQUOSから、新しい価値や新しい生活文化を創造する」と意気込みを語った。
一方、中村氏は、「6月3日の経営方針説明会での発表を受けて、『亀山ブランドのテレビが無くなるのではないか』という誤解を与えてしまった。亀山でのテレビパネル生産を止めるわけではない。日本での高品質、高画質パネルは生産し、その技術を活かして堺工場に活用する。今後も国内生産のテレビは『亀山ブランド』で提案していく」とした。
ソフトウェア、サービスとの両輪で新しい価値を提案 | 今後も亀山ブランドを提案 |
AVシステム事業本部 液晶デジタルシステム第1事業部 喜多村事業部長 |
AVシステム事業本部 液晶デジタルシステム第1事業部の喜多村和洋事業部長は、次世代のテレビのキーワードとして、好きな時に、見たいものを、手軽に見る「スマート」と、大画面、高画質、高音質の「エンターテインメント」の2つの要素を提示。
スマートについては、様々なディスプレイを使った「マルチデバイス」展開として、スマートファミリンクの取り組みを紹介。さらに、AQUOS Cityにおける検索性の高さや、クアトロンパネルによる高画質などを訴求し、「AQUOSラインナップの最高峰。ぜひ、実際に見て、使っていただいて、良さを知ってほしい」とアピールした。
(2011年 6月 15日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]