「CEATEC 2011」開幕。全録レコーダや4K技術に注目

-レグザサーバー、ソニーの4Kプロジェクタなど


会場は幕張メッセ

 映像、情報、通信の総合展示会「CEATEC JAPAN 2011」が4日、幕張メッセで開幕した。期間は10月8日まで。

 4日は特別招待日で、一般公開日は10月5日~8日。最終日となる土曜日の8日は入場無料の公開日となる。5~7日の入場料は一般1,000円/学生500円だが、事前登録を行なうことで入場無料となる。

 展示ホール1~8を使用。出展者数と小間数は586社/団体、2,255小間。前年の616社/団体、2,255小間と比べ、出展者は減少している。しかし、期間中の登録来場者は前年の181,417人を上回る、20万人を目標としている。

 主催は情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、社団法人情報技術産業協会(JEITA)、社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)、CEATEC JAPAN 実施協議会。

 AV関連の最新技術やコンセプトモデルが多数展示されているほか、各社の新製品も一堂に出展されている。



■東芝

 東芝ブースでは、前日に発表された、6チャンネル/15日分の録画が可能な全録レコーダ「レグザサーバー」や、BDレコーダ「REGZAブルーレイ」新モデル、さらに4K/2Kパネルを採用し、裸眼3D視聴にも対応した液晶テレビ「REGZA 55X3」などを展示。ブースでは4K/2Kパネルの高画質や裸眼3D表示が楽しめるほか、テレビの視聴スタイルを変化させるレグザサーバーの「タイムシフトマシン」機能も体験できる。

 また、レグザサーバーやREGZAブルーレイと連携し、録画番組や放送中の番組をリアルタイムにサーバー/レコーダから受信・表示できるレグザタブレットも登場。同社が「レグザリンク・シェア」と名付けるDTCP-IPを使った連携ソリューションが体験できるようになっている。

4K/2Kパネルを採用し、裸眼3D視聴にも対応した「REGZA 55X3」奥の2モデルがレグザサーバー、手前の2モデルがREGZAブルーレイの上位モデル
レグザタブレットの10.1型「AT700/35D」。レコーダなどとのレグザリンク・シェアに対応する同じくレグザリンク・シェア対応モデルである、スマートフォンの「REGZA Phone IS11T」と、7型タブレット「AT3S0/35D」


■ソニー

 ソニーブースの目玉は、家庭用初となる4K SXRDプロジェクタ「VPL-VW1000ES」(12月下旬発売/168万円)のシアター展示。世界最小の0.74型4K SXRDパネルを搭載し、フルHDソースを「4K映像表示デバイス向けデータベース型超解像処理LSI」で4K映像にアップコンバート。超高精細、かつ黒が締まる高コントラストな映像が楽しめる。

 さらに、Sony Tabletや、Android搭載モデルも含む新型ウォークマン、有機ELパネルを使ったヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T1」、 3DのフルHD動画撮影も可能なデジタル双眼鏡「DEV-3」など、同社が精力的に発表・投入している新製品が一挙に体験できるブースとなっている。

家庭用初となる4K SXRDプロジェクタ「VPL-VW1000ES」と、その投写デモコーナーヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T1」の体験コーナーも大人気
3DのフルHD動画撮影も可能なデジタル双眼鏡「DEV-3」も体験できるAndroid搭載モデルも含む新型ウォークマンも展示

PlayStation Vitaも触ることができるAndroidタブレットの「Sony Tablet」



■シャープ

 シャープブースでは、I3(アイキューブド)研究所と共同開発を進めている60型/解像度3,840×2,160ドットの「ICC 4K 液晶テレビ」が展示されている。アイキューブドの4K映像創造技術「ICC」(Integrated Cognitive Creation)と、シャープの大画面/高精細液晶技術を組み合わせた次世代テレビで、人間が自然の景色や被写体を光の刺激として脳で理解する『認知』の過程を、映像による光の刺激として再現するという画質に注目。

 さらに、NHKと共同開発しており、「NHK技研公開 2011」にも出展された、スーパーハイビジョン(SHV)の7,680×4,320ドットに対応した85型の液晶ディスプレイも展示されている。

 また、「フリースタイルAQUOS」の魅力も、具体的な設置・使用シーンを通じてアピールされている。

アイキューブド研究所と共同開発を進めている60型/解像度3,840×2,160ドットの「ICC 4K 液晶テレビ」手軽に家の中でテレビを移動できる「フリースタイルAQUOS」の魅力を訴求
スーパーハイビジョン(SHV)の7,680×4,320ドットに対応した85型の液晶ディスプレイも見る事ができる


■パナソニック

 パナソニックのTV向けクラウド型サービスである「ビエラ・コネクト」や、より快適な操作を可能にした「アクトビラ」、ブルーレイDIGAとお風呂テレビやキッチンテレビなどを連携させる「お部屋ジャンプリンク」などの各機能を紹介。スマートフォンやWi-Fi対応LUMIXなどを使ったモバイル機器連携サービスも案内している。

 さらに、3D表示に対応したVIERA、3D対応ブルーレイDIGA、3D対応LUMIXなど、3D業務用ソリューションと併せ、最新の3D製品・技術も紹介されている。

「お部屋ジャンプリンク」の説明コーナーパナソニックのTV向けクラウド型サービス「ビエラ・コネクト」の画面。ここから様々なサービスが利用できるほか、機能を追加するアプリもここで配信される
アクトビラのビデオ配信とスマートフォンの連携機能も参考展示。テレビと同じIDでアクトビラにスマートフォンからログインする事で、スマートフォンで購入・再生したいVODコンテンツを選択し、テレビで再生。再生中はスマートフォンをリモコンとして早送りや巻戻しなどが行なえる


■その他

 三菱電機では、広色域の鮮やかな映像が特長の「レーザー映像テクノロジー」を訴求。赤色レーザーとシアン色LEDを光源に採用した「レーザーバックライト液晶テレビ」を参考展示しているほか、レーザー光源を用いたプロジェクターも展示。

 RGBの3色全てにレーザー光源を採用したレーザーテレビ「LASERVUE(レーザービュー)」も展示されている。さらに、3D対応で、BD/HDDレコーダを搭載した「MDR2シリーズ」など、液晶テレビの新モデルも多数用意されている。

レーザーバックライト液晶テレビの参考展示レーザー光源を用いたプロジェクタの投写画面RGBの3色全てにレーザー光源を採用したレーザーテレビ「LASERVUE(レーザービュー)」
3D対応で、BD/HDDレコーダを搭載した液晶テレビ「MDR2シリーズ」BDレコーダのラインナップも展示されている

 日立のブースでは、バックライトに「S-LED」を採用し、エリア駆動に対応した新液晶テレビ「L46-S08」や、偏光方式の3Dに対応した液晶テレビ「Wooo V09シリーズ」などの新製品を展示。

 将来的な技術として、24台のプロジェクタやレンズなどを使って実際の物体と立体映像を重ねて表示する立体映像表示技術・フルパララックス3Dディスプレイと、その応用技術なども参考展示している。

バックライトに「S-LED」を採用し、エリア駆動に対応した新液晶テレビ「L46-S08」偏光方式の3Dに対応した液晶テレビ「Wooo V09シリーズ」
24台のプロジェクタやレンズなどを使って実際の物体と立体映像を重ねて表示する立体映像表示技術。フルパララックス3Dディスプレイ技術を応用している。鉢植えを回転させると、その動きを読み取り、重ねて表示する立体映像も後ろを向く

(2011年 10月 4日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]