CAVジャパン、米SOULのヘッドフォンを国内販売
-低音重視の新ブランド。NCやカナル含む全5機種
SL300のゴールド(GG)モデル |
CAVジャパンは、米SOUL by Ludacris(ソウル バイ リュダクリス)ブランドのヘッドフォンとイヤフォン、合計5機種を12月上旬より発売する。ヘッドフォン3機種、カナル型(耳栓型)イヤフォン2機種で構成。価格は全てオープンプライス。店頭予想価格は下表の通り。
タイプ | 製品名 | カラー | 店頭予想価格 |
NCヘッドフォン | SL300 | ゴールド(GG) ブラック(WB) | 3万円台半ば |
ヘッドフォン | SL150 | ブラック(CB) ホワイト(BW) | 2万円台半ば |
SL100 | レッド(RB) ブルー(UB) | 2万円前後 | |
カナル型イヤフォン | SL99 | ブラック | 1万5,000円前後 |
SL49 | ブラック | 1万円前後 |
Chris Ludacris氏 |
1月の「2011 International CES」で発表され、米国、香港、シンガポール、韓国などで発売が開始されているブランド。グラミー賞を2度受賞し、米国内で1,200万枚のレコード売上を誇るHIP-HOPアーティスト、音楽プロデューサーであり、俳優としても活躍しているChris Ludacris氏がデザインから音質まで監修しているのが特徴。CAVジャパンが日本での正規輸入代理店として12月から販売を開始する。
なお、これらの製品は10月21日~23日まで、秋葉原で開催される「オーディオ&ホームシアター展 TOKYO2011」のCAVジャパンブースにて試聴可能。さらに、10月29日に外苑前スタジアムプレイス青山で開催される「秋のヘッドフォン祭り 2011」の同社コーナーでも展示される。
各製品のユニットサイズや再生周波数帯域、インピーダンス、重量などの詳細は一切明らかにされていない。そのため、各モデルの機能的な特徴と共に、発表会場で試聴した、音質の印象を併記していく。
ケーブルにiPhone/iPod/iPad対応のマイク付きリモコンを装備する | 試聴の様子。「第6世代iPod nano」+「ALO AudioのDockケーブル」+「ポータブルヘッドフォンアンプのiBasso Audio D12 Hj」を使っている |
また、全モデルに共通する特長として、ケーブルにiPhone/iPod/iPad対応のマイク付きリモコンを装備。ヘッドフォンはケーブルが着脱可能になっており、マイクリモコン付きケーブル以外に、ストレートのケーブルも付属。付け替える事ができる。
■SL300
フラッグシップモデルとなる「SL300」は、アクティブノイズキャンセリングヘッドフォン。カラーはゴールド(GG)とブラック(WB)を用意。収納ケースとクロスが付属する。
ノイズキャンセル(NC)機能は、左ハウジングの側面に備えたスイッチで切り替え可能。電源をOFFにしたり、電池が切れた場合もパッシブで音が出せる。電池は単4電池2本を使用。連続使用時間などは明らかになっていない。
ハウジング側面に備えたNC機能のスイッチ | ハウジングの外側 | ブラック(WB)モデル |
ハウジングの外側にブランドのロゴと、それをとりまくようにリング状のパーツがあしらわれているが、このリングは本体内側のボタンを押す事で、光らせる事が可能。クラブなど、暗い空間で個性を発揮できるという。ハウジングの側面は取り外しでき、ここに電池を搭載。High/Lowのゲイン切り替えスイッチも備えている。
本体は折りたたむ事ができ、収納ケースとクロスも付属する。
ヘッドパッド部分は豪華な雰囲気 | 単4電池2本をハウジングの内側に搭載する。ゲインの切り替えスイッチもここに配置 | ハウジングを光らせる事もできる |
静かな室内で体験したため、NCの効果は参考程度にとらえて欲しいが、サーッという細かな騒音は綺麗に消える。あまり効果が強烈に出るタイプではなく、鼓膜への圧迫感も控えめだ。
NC機能のON/OFFで音のキャラクターがガラリと変化するヘッドフォンで、ONにすると中低域が豊富な野太いサウンド。中高域に抜けの良さはある程度確保されているため、あまりこもった音には聴こえない。個々の音に付帯音は少なく、派手なバランスながらクリアな再生音だ。NC機能をOFFにすると、低域がスッと少なくなり、どちらかというと高域寄りのバランスになる。
■SL150
NC機能は備えていないヘッドフォン。カラーはブラック(CB)とホワイト(BW)を用意する。SL300と同様に折りたたみが可能。標準プラグへの変換コネクタや、キャリングポーチを同梱する。
ホワイト(BW)モデル | ブラック(CB)モデル |
ブラックモデルのハウジング側面 | ケーブルは着脱可能 |
中高域の抜けが良く、爽やかなサウンド。SL300ほど低域が主張せず、中低域が不必要に膨らまないため、バランスの良いハイファイ調の再生音だ。ワイドレンジで、最低音の伸びも感じられる。
■SL100
上位2モデルはアラウンドイヤータイプだが、小型のSL100はハウジングが小さくなったオンイヤータイプ。軽量で耐久性に優れ、スポーツなどの用途でも使用できるとしている。キャリングポーチとクロスが付属。ハウジングは折りたたみできる。カラーはレッド(RB)とブルー(UB)。
ブルーモデル | レッドモデル | 折りたたみも可能 |
上位モデルと比べると最低音の沈み込みは浅いが、量感のある中低域をたっぷり出すタイプで、小型ヘッドフォンだが、リッチで豪快なサウンドが楽しめる。上位モデルでもそうだが、中高域の抜けが良いため、派手な低域に負けないクリアさもある。
■SL99
カナル型イヤフォン。ケーブルは平型で、ケーブルの途中にマイク付きリモコンを備えている。収納ケースも同梱する。
カナル型イヤフォン、SL99 |
サウンドは“強烈”の一言。「SOUL by Ludacris」のブランドイメージを体現したモデルと言え、アコースティックベースでも、打ち込み音楽の低域でも、低い音は量感豊富に、ダイナミックに再生する。この野太い低域が全体域に覆いかぶさるように展開するが、それに負けじと極めてソリッドで、エッジが立った高音が突き抜ける。ヒップホップや打ち込み系の楽曲をダイナミックに楽しめる、極めて個性的なサウンドだ。
■SL49
SL99と同様に、平型ケーブルを採用したカナル型で、ケーブルにはマイク付きリモコンを搭載。収納ケースも同梱する。
SL49。平型ケーブルを採用する |
SL99の強烈な中低域は控えめになり、中域の盛り上がりも低減。最低音をしっかりと描写し、クリアさに振ったサウンドだ。エッジの立った高域はSL99に通じるものがあり、適度な低音がありつつ爽やかなサウンド。強い個性は無いが、様々な音楽に対応できそうなモデルだ。
CAVジャパン事業企画部の青木隆氏は、製品デビューから7カ月で、全世界20万台以上を販売している事や、韓国でBIG BANGを起用したマーケティングが話題になっている事などを紹介。さらに、ブランドの音の特徴として「太」という漢字をスクリーンに表示。豊かな低域が魅力である事をアピールした。
CAVジャパン事業企画部の青木隆氏 | ブランドの音の特徴は「太」 |
日本市場での展開にあたっては、DJやヒップホップ音楽の愛好家、ダンサーなどをターゲットと想定。デザイン性の高さを活かし、ヘッドフォンを愛好する女性「ヘッドフォン女子」も第2のターゲットだという。
また、ブランドの認知拡大を目指し、日本の公式サイトやfacebookページも開設、クラブなどを使ったローンチイベントや、体験会などを検討しているという。さらに、量販店や楽器店、レコード販売店の店頭において、試聴可能な展示を精力的に行ない、「まずはSOUL by Ludacrisのサウンドを体験してもらう事が重要。来年3月までに、最低でも2万人のお客様に体験していただけるようにしたい」と語った。
法月利彦社長 |
法月利彦社長は、ヘッドフォン市場への参入について、「2006年に会社をスタートしてから、早期にヘッドフォンに参入したいという強い意志を持っていた。自社での企画プロデュースも考えていたが、なかなか手が回らず、今回縁があってSOULというブランドの日本での販売権を取得できた。日本のヘッドフォン市場は、2010年で年間1,300万台、230社が参入している。我々は最後発となるが、それだけにユーザーにとって魅力のある製品でなければ参入する意味はない。吟味を重ねた結果、ユーザーやディーラーに支持していただける製品だと確信している」と語った。
(2011年 10月 20日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]