au、4.3型有機EL/Android 4.0スマートフォン「HTC J」

-ワンセグ/WiMAX対応。「Beats」イヤフォン付属


「HTC J ISW13H」を手にするKDDIの田中孝司社長(左)と、HTCのPeter Chou CEO

 auは20日、Android 4.0搭載のスマートフォン「HTC J ISW13H」を発表した。5月下旬以降に発売する。カラーはレッド、ホワイト、ブラックの3色。

 4.3型/960×540ドットの有機EL「Super AMOLED Advanced」ディスプレイを備えたAndroidスマートフォン。日本市場に向けた端末となっており、ワンセグやFeliCa(おサイフケータイ)、赤外線通信にも対応。通信は3GとIEEE 802.11a/b/g/n無線LANに加え、WiMAXにも対応。テザリングも行なえる。


レッド
ホワイト
ブラック
左から、ブラック、レッド、ホワイト

 背面カメラは800万画素の裏面照射CMOSセンサーを搭載し、F2.0のレンズを採用。0.7秒の高速起動と0.2秒のAFを実現している。最高1,920×1,080ドットの動画撮影も可能。また、動画撮影中の静止画撮影や、静止画のハイダイナミックレンジ(HDR)撮影、最大99枚の連写にも対応。HTCは新しいカメラ機能を総称して「アメージング カメラ」と名付けている。前面カメラは130万画素。さらに、オンラインストレージのDropboxアプリがプリインストールされ、ユーザーは25GBまでを2年間無料で利用できる。

 チップセットはクアルコムのMSM8660Aで、CPUはデュアルコア/1.5GHz。内蔵メモリは16GBで、microSD/SDHCカードスロットも備える。バッテリは1,810mAh。外形寸法は132×66×10~11.2mm(縦×横×厚さ)、重量は約142g。

レッドモデルディスプレイ表面は丸みを帯びている背面

 

 なお、海外では、テレビとスマートフォンを無線LAN接続できるアダプタをオプションで販売しており、スマートフォンで静止画表示時に3本指でテレビ側にスワイプすると、手元の静止画をテレビ画面で表示することや、テレビ画面に静止画を表示したまま、スマートフォンで電話やメールをするデュアルディスプレイ表示が可能。このアダプタの日本での販売についても検討中としている。なお、「HTC EVO 3D」とは異なり、MHLには対応しない。

 付属するイヤフォンは、HTCが子会社化したBeats Audio製で、マイクや音楽再生用のコントローラも備えたカナル型(耳栓型)の「Beats by Dr Dre urBeats In-Ear Headphones」。これは既存のイヤフォンではなく、HTC Jのために開発された新規製品だという。また、本体には、アーティストの意図する音を再現するという高音質化技術「AUTHENTIC SOUND」を採用している。

最薄部は10mmフルHD動画撮影も可能音楽再生画面
海外で販売されているテレビ接続用アダプタスマートフォンの写真を無線LAN経由でテレビに表示することなどが可能付属するBeats Audioのカナル型イヤフォン。短時間だが試聴したところ、Beatsブランドならではの力強い低音が感じられた。ハウジングに金属素材を使っているようで、手に持った時の重量感や、見た目の高級感もある
 

 発表会では、auのAndroidスマートフォン向け(IS01を除く)に行なう新たな音楽配信サービス「LISMO Store powered by レコチョク」も発表された。また、HTC J ISW13Hの“アンバサダー”を務める乃木坂46が駆けつけ、会場を盛り上げた。

HTC J ISW13HイヤフォンはBeats Audio製0.7秒起動のカメラを搭載
ワンセグに対応乃木坂46が登場した

 


■ レコチョク楽曲のダウンロード配信も

 auは、今回発表のHTC Jを含めたAndroidスマートフォン向けに、ダウンロード音楽配信サービス「LISMO Store powered by レコチョク」を4月25日より開始。IS01を除く同社Androidスマートフォンで利用できる。

 このサービスは、レコチョクが持つ約100万曲の楽曲からダウンロード購入できるというもので、再生アプリのLISMO Playerと連携し、購入後すぐに再生可能。プレーヤー内にもLISMO Storeすぐに呼び出せるストアボタンを設置する。

 キーワードでのアーティスト検索や、楽曲検索など、操作性を高めており、シーズンや、話題のジャンルなどに合わせた特集も企画する。配信楽曲は全て試聴も可能。楽曲の購入代金はauの通話料金と合算でき、auポイントも利用できる。

 

LISMO Storeのアーティスト検索画面(左)と、ランキング画面(右)キーワードでの検索画面試聴画面(左)と、楽曲紹介画面(右)

 サービス開始を記念したキャンペーンも実施。4月25日~6月30日に「LISMO Store」で楽曲を購入すると、先着2万名に1曲分の「うたコード 」をプレゼントする。また、4月25日~5月1日には、auスマートパス会員の先着15,000名に、1曲分の「うたコード」をプレゼントする。


 


■ 乃木坂46がCM出演

 

田中孝司社長(中央)と、Peter Chou CEO(右)。司会はクリス・ペプラーさん
 両社は、2011年に発売したETC EVO 3Dから協力関係を構築。発表会では、個人的にも親交があるというKDDIの田中孝司社長と、HTCのPeter Chou CEOの2人がトークセッションの形でHTC Jの開発を振り返った。

 田中氏は、HTCでの日本向け端末の開発にあたり「カラフルで、持ちやすく、それでいて中身はすごいものが必要だ、と彼(Peter氏)に言うと、『俺はそう思わないけど、お前の言うことを聞いてやる』と言われた(笑)。KDDIの人間も台北に何度も行って、両社の“一緒にやろうよ”という気持ちがあって、ここまでできた。auとHTCのジョイントワークの結果を見ていただきたい」と自信を見せた。


開発の様子。デザインの決定までに多くの協議を重ねたという
 Peter氏は、「2年前に田中さんが我々のオフィスに来たとき『日本の製品をやってみないか』と言われ、その熱意を感じて『やりましょう』と答えた。その時は技術サイドの話しかしていなかったが、その後、田中さんから『Peterさん、プロダクトはかわいくデザインすることも必要なんだよ』と言われた。我々は世界中のモバイル事業者と手を組んでおり、顧客のニーズにフォーカスを当てている。我々は田中さんの情熱を感じて、いろいろなデバイスを見せてもらった。そういったことでコンセンサスができ、今回のようなデザインを実現するために、KDDIは我々を助けてくれた」と述べた。

 発表会には、HTC Jを応援するという“アンバサダー”を務めるアイドルユニットの乃木坂46が登場。CMに採用されたセカンドシングル「おいでシャンプー」(5月2日リリース)のライブステージを行なった。

 HTC Jを触った印象については「カメラ機能が充実していて、鮮明に映っていて驚きました」、「音楽の機能に感動しました。周りがざわざわしているところでも、このHTC Jだと音楽だけしか聴こえないようになることがすごくて、いっぱい聴いてしまいました」といった感想がメンバーから挙がった。


乃木坂46がCM曲を披露。会場を盛り上げた

 


(2012年 4月 20日)

[AV Watch編集部 中林暁]