au、WiMAX4機種などAndroidスマートフォン6モデル
-DTCP-IPの「ARROWS Z」。クラウド動画配信も計画
発表された新モデル。左からMOTOROLA PHOTON、HTC EVO 3D、DIGNO |
auは26日、Android搭載スマートフォンの2011年秋モデル6機種を発表。10月以降に順次発売する。
AndroidのOSはMOTOROLA PHOTONとHTC EVO 3Dのみ2.3.4で、それ以外の4機種は2.3.5。なお、2011年スマートフォン秋モデルでは他にも、フィーチャーフォン3機種や、WiMAX対応のビジネス向け7型タブレットとデータ通信端末「Wi-Fi WALKER」が発表された。
なお、発表会において、一部で報道されたiPhone 5の投入について記者から質問が出ると、田中孝司社長は「ノーコメント」とした。
製品名 型番 (メーカー) | 発売時期 | ディスプレイ | WiMAX | ワンセグ FeliCa 赤外線 | DLNA | その他特徴 |
ARROWS Z ISW11F 富士通東芝 | 11月上旬 以降 | 4.3型 1,280×720ドット液晶 | ○ | ○ | ○ DTCP-IP対応 | 防水 |
MOTOROLA PHOTON ISW11M モトローラ | 10月上旬 以降 | 4.3型 960×540ドット 液晶 | ○ | - | ○ | 別売HDステーション |
HTC EVO 3D ISW12HT HTC | 10月上旬 以降 | 4.3型 960×540ドット 3D液晶 | ○ | - | ○ | 3Dカメラ |
DIGNO ISW11K 京セラ | 12月上旬 以降 | 4型 800×480ドット 有機EL | ○ | ○ | - | 防水 薄さ8.7mm |
AQUOS PHONE IS13SH シャープ | 11月中旬 以降 | 4.2型 940×540ドット 液晶 | - | ○ | ○ | 防水 2.1型メモリ液晶 |
MEDIAS IS11N NECカシオ | 12月下旬 以降 | 3.6型 800×480ドット 液晶 | - | ○ | - | 防水 手のひらサイズ |
■ DLNA/DTCP-IP対応「ARROWS Z」などWiMAX対応4モデル
ARROWS Z ISW11F |
WiMAXと3Gの両方に対応するモデルは「ARROWS Z ISW11F」、「MOTOROLA PHOTON(フォトン) ISW11M」、「HTC EVO 3D ISW12HT」、「DIGNO(ディグノ) ISW11K」の4機種。これらはいずれもテザリング機能を搭載し、ノートPCなど無線LAN搭載機器のルーターとしても利用できる。「ARROWS Z」と「DIGNO」はワンセグ/FeliCa(おサイフケータイ)/赤外線通信に対応するほか、防水仕様となっている。
富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製の「ARROWS Z」はDLNA/DTCP-IPに対応することが特徴で、家のBlu-ray Discレコーダなどで録画した番組を、無線LAN経由でストリーミング視聴することが可能。ディスプレイは4.3型/1,280×720ドット液晶で、YouTubeなどの720p動画もドットバイドットで表示できる。
内蔵カメラは、裏面照射CMOSの1,310万画素「Exmor R for mobile」を搭載し、画像処理エンジン「Milbeaut Mobile」を組み合わせて、高感度/低ノイズ撮影を実現。感度はISO 25600相当(2,048×1,536ドットの場合)まで対応する。動画は最大フルHD解像度で撮影可能。フォーマットは3GPP。HDMIを備え、撮影した動画などをテレビに出力することも可能。デュアルコアCPUを搭載する。
カラーはファインホワイト、ストリームブルー、ライブピンク、ネオブラックの4色を用意。外形寸法は128×64×10.1mm(縦×横×厚さ)、重量は約131g。連続通話は約330分、待受時間は約290時間。
ARROWS Zの本体カラーは4色 | テレビとHDMI接続して映像出力できる | カメラは裏面照射CMOSで、フルHD動画撮影が可能 |
側面 | 天面 |
MOTOROLA PHOTON ISW11M |
カラーはシャドウブラックのみ。外形寸法は約127×67×12.2mm(縦×横×厚さ)、重量は約158g。連続通話は約530分、待受時間は約210時間。
背面。カメラ部脇にLEDライトを備える | 天面 | 別売クレードルを使ってテレビとHDMI接続 |
HTC EVO 3D |
HTC端末向けの映画ダウンロードサービス「HTC Watch」にも対応予定。既に海外では展開されているもので、日本での展開時期や料金、ラインナップなどは未定。スマートフォン単体で視聴できるほか、HDMI接続したテレビで観ることも可能となっている。
デュアルコアCPUの搭載により、従来のHTC EVO WiMAXに比べブラウザの処理スピードは1.5倍、アプリの起動速度も2倍に向上したという。カラーはブラックのみ。外形寸法は約126×65×12.3mm(縦×横×厚さ)、重量は約171g。連続通話は約450分、待受時間は約320時間。
3D対応カメラを搭載 | 背面スタンドで自立可能 | 天面 |
DIGNOのブロッサムピンク |
本体カラーはグラファイトブラック、オリーブグリーン、ブロッサムピンクの3色。外形寸法は約128×65×8.7~11.1mm(縦×横×厚さ)、重量は約130g。連続通話は約420分、待受時間は約250時間。
カラーは3色 | 側面 | カメラ部 |
■ 薄型「AQUOS PHONE」、女性も片手操作の「MEDIAS」
シャープ製の「AQUOS PHONE IS13SH」は、薄さ8.9mmのスリムデザインが特徴。ディスプレイは4.2型のNewモバイルASV液晶。サブディスプレイには2.1型のメモリ液晶を搭載する。DLNAにも対応する。メインカメラは800万画素CMOS。
NECカシオモバイルコミュニケーションズ製の「MEDIAS IS11N」は、ディスプレイが3.6型で、女性の片手操作を可能にするというコンパクト設計。ラウンドフォルムにより持ちやすくなっている。7色のイルミネーションも備える。ハンドミラーにもなるインカメラを内蔵。
両機種ともワンセグ/FeliCa(おサイフケータイ)/赤外線通信に対応し、防水仕様となっている。なお、この2機種の詳細は別記事で紹介している。
AQUOS PHONE IS13SH | MEDIAS IS11N | MEDIASの背面イルミ |
■ Eye-Fi技術を使った静止画/動画の自動バックアップサービスも
au one Photo Airのサービス概要 |
専用アプリをインストールしたauスマートフォンと、専用ソフトをインストールしたパソコンで初期設定を行ない、WiMAXまたは無線LANの通信環境に接続することで、スマートフォンに保存された動画/静止画を自動でPC側にバックアップ可能。また、FacebookやPicasaなどのアルバムに自動保存することも可能となっている。3G通信時は、手動でのバックアップとなる。
スマートフォン側の対応OSはAndroid 2.2以降、パソコン用ソフトの対応OSはWindows XP/Vista/7とMac OS X 10.5~10.6。au one Marketから検索できるほか、AQUOS PHONE IS13SHとARROWS Z ISW11F、DIGNO ISW11Kにはホーム画面のショートカットアプリからアクセスできる。
対応フォーマットは動画がMPEG/MOV/FLV/WMV/AVI/MP4、静止画がJPEG。ただし、1ファイル2GB未満となる。PCの専用ソフトは、別売Eye-Fiカードからのデータ転送も可能。auスマートフォンユーザーがデジタルカメラでも自動バックアップ機能を利用したい場合は、別途Eye-Fiカードを購入することで同じPCソフトにより一括管理できるようになる。
無線LAN/WiMAXに接続すると、静止画/動画を指定したパソコンにアップロード/バックアップする | パソコン用管理ソフトの画面。Facebookなどへの自動アップロードも可能 |
そのほか、Skypeのビデオ通話にも対応。これまでSkypeはau専用アプリでの音声通話のみだったが、Android Marketで配布している「Skype for Android」で音声/ビデオ通話の両方が可能になる。対応機種としてアナウンスされているのは9月26日時点でHTC EVO 3D ISW12HTのみだが、今後動作検証を行ない、対応端末は拡大する見込み。Skypeユーザー同士のビデオ通話は、音声通話と同様に無料で行なえる。
料金プランでは、月額980円でau携帯電話同士の国内通話(午後9時~翌午前1時)が無料になる「プランZシンプル」を9月28日より提供開始。au以外の携帯電話や、上記以外の時間帯での通話は、30秒あたり21円となる。
また、WiMAX対応端末における月額利用料を、10月~2012年1月利用分まで無料とするキャンペーンも実施する。
Skypeのビデオ通話にも対応 | 発表された新料金プラン「プランZシンプル」 | WiMAXの利用料が2012年1月まで無料になるキャンペーンも |
■ クラウド配信は動画も展開。端末やサービスなど「未来は選べる」
KDDIの田中孝司社長は、Android au第1弾である「IS03」を発表してから約1年が経ったことから、これまで繰り返してきた「ワクワク感」について振り返りながら、新端末やサービスを紹介。
これまでの様々なスマートフォンのラインナップや、INFOBAR、Windows Phoneといった独自の展開に触れ「スマートフォンを選べる=ワクワク感」と定義したほか、WiMAXやテザリングへの対応、au Wi-Fiスポットの拡大などで「ネットワークを選べる=ワクワク感」などをauの強みとしてアピールした。
KDDIの田中孝司社長 | 2011年秋冬の端末ラインナップ | 新端末を含めた現行モデル |
サービスの中では、提供中のクラウド型音楽配信「LISMO unlimited」に言及。このサービスのユーザーのうち46.3%が着うたフル購入の未経験者だったことから、「音楽をもっと聴きたいけど、お金がかかる……という“バリア”を取り去った。これは、auがパケット定額を最初に始めた時のような感覚。そういう人が1日平均26曲もの楽曲を聴いている」とし、今後の展開として「音楽に続き、ビデオ、and more……ということで、この路線はキープしていきたい」とした。
“auのこれから”については、「私個人としても、会社としても、お客様の“欲しい未来”は個人個人で違うと思っている。今は我々のような提供側の論理を押し付けるのではなく、お客様が自ら選ぶ時代に来ている。その時に、我々は、お客様の要望に本当に応えられるのかどうか、これ一点だ。欲しい時代を、選べる自由。そういった意味で『未来は選べる』というコピーで秋冬商戦を頑張りたい」とした。
LISMO unlimitedのユーザー調査 | 映像についてもクラウド配信の開始を示唆 | 端末の種類やサービス、ネットワークなどが多様なことから、「未来は選べる」をキーワードに訴求 |
(2011年 9月 26日)
[AV Watch編集部 中林暁]