au、5型フルHD液晶の「HTC J」や「Xperia VL」など

IGZO搭載の7型「AQUOS PAD」も。春に新INFOBAR


 auは17日、Android搭載スマートフォンなどの'12年秋冬モデルを発表。フルHD液晶搭載「HTC J butterfly」などスマートフォン9機種と、IGZO液晶搭載タブレット1機種を11月より順次発売する。

 OSは、HTC J butterflyのみAndroid 4.1で、それ以外の機種は4.0。全機種が高速通信のLTEに対応し、テザリングも可能。ワンセグも搭載する。GALAXY SIIIとG'z One Type-Lを除く8機種がNFC(近距離無線通信)に対応。なお、いずれもWiMAXは搭載しない。


型番
メーカー
ディスプレイ発売時期特徴
HTC J
butterfly

HTL21
HTC
5型
1,920×1,080ドット
液晶
12月上旬Android 4.1
防水
Xperia VL
SOL21
ソニー
4.3型
1,280×720ドット
液晶
11月2日WALKMANアプリ
防水防塵
GALAXY SIII
SCL21
Progre
サムスン
4.8型
1,280×720ドット
有機EL
スマートステイ
ポップアッププレイ
AQUOS PHONE
SERIE
SHL21
シャープ
4.7型
1,280×720ドット
S-CGシリコン
液晶
動画ステレオ録音
防水防塵
ARROWS ef
FJL21
富士通
4.3型
1,280×720ドット
液晶
持ってる間ON
防水防塵
Optimus G
LGL21
LG
4.7型
1,280×720ドット
IPS液晶
動画/SNS同時表示
防水
DIGNO S
KYL21
京セラ
4.7型
1,280×720ドット
液晶
2,520mAhバッテリ
防水防塵
VEGA
PTL21
PANTECH
4.3型
1,280×720ドット
液晶
モーション操作
防水防塵
G'z One
CAL21
TYPE L
カシオ
4型
800×480ドット
IPS液晶
気圧など5センサー
防水防塵
AQUOS PAD
SHT21
シャープ
7型
1,280×800ドット
IGZO液晶
12月中旬ペン操作
防水防塵


発表された新機種

 「HTC J butterfly」は、5型/1,920×1,080ドット液晶を備えたモデル。液晶パネルのメーカー名は明かしていないが、440ppiの高精細TFTパネルを使用している。ディスプレイの高精細化に合わせ、タッチパネルについてもストレスを感じさせない操作感を実現するため調整したという。

 カメラはメインが800万画素、サブが210万画素。サブカメラにもF2.0の明るいレンズや画角88度(従来モデルは66度)のレンズを採用している。HDMIを搭載し、MHLにも対応する。CPUはクアッドコア/1.5GHz。IPX5の防水仕様となっている。外形寸法は約143×71×9.1mm(縦×横×厚さ)、重量は約140g。カラーは赤、白、黒。

 「Xperia VL」は、4.3型/1,280×720ドットのHD Realityディスプレイと、モバイルブラビアエンジン2を搭載。音楽再生用にWALKMANアプリを搭載し、新機能としてClearAudio+や、ダイナミックノーマライザーを搭載した。

 メインカメラは1,300万画素の裏面照射CMOSセンサー「Exmor R for mobile」を搭載。1080p動画撮影中のAFにも対応する。HDMIを備え、MHLにも対応。CPUはデュアルコア/1.5GHz。IPX5/7防水とIP5X防塵仕様。外形寸法は約129×65×8.7mm(縦×横×厚さ)、重量は約120g。カラーはピンク、ホワイト、ブラック、ブルー。

HTC J butterflyXperia VL

 「GALAXY SIII Progre」は、4.8型/1,280×720ドットの有機EL「HD Super AMOLED」を搭載。画面を見ている間はスリープに移行しない「スマートステイ」に対応する。動画を観ながら、他のアプリの操作ができる「ポップアッププレイ」も可能。メインカメラは810万画素CMOS。MHLや、DLNA/DTCP-IPに対応する。CPUはデュアルコア/1.5GHz。外形寸法は約139×71×9.4~10.1mm(縦×横×厚さ)、重量は約141g。カラーはオメガブルーとマーブルホワイト。

 「AQUOS PHONE SERIE」は、メインカメラに1,312万画素の裏面照射CMOSを採用。光学手ブレ補正も備える。また、動画撮影時には本体の2マイクでステレオ録音が行なえる。サブカメラにも裏面照射CMOS(124万画素)を採用する。ディスプレイは4.7型のS-CGシリコン液晶を搭載。CPUはデュアルコア/1.5GHz。DLNA/DTCP-IPにも対応する。本体はIPX5/7の防水とIP5Xの防塵仕様。外形寸法は約130×68×11.2mm(縦×横×厚さ)、重量は約148g。カラーはブリリアントピンク、クリアブルー、マットブラック。

 「ARROWS ef」は、4.7型/1,280×720ドットのIPS液晶を搭載。狭額縁技術により、本体幅を約62mmに抑えている。手に持っていることを検知して、画面がスリープになるのを防ぐ「持ってる間ON」に対応。カメラは810万画素CMOSを搭載し、約0.5秒の高速起動が可能。DLNA/DTCP-IPにも対応。本体はIPX5/8防水とIP5X防塵仕様。外形寸法は約127×62×10.7mm(縦×横×厚さ)、重量は約139g。カラーはソフトブラック、ソリッドブラック、ピンクゴールド。

GALAXY SIII ProgreAQUOS PHONE SERIEARROWS ef

 「Optimus G」は、4.7型/1,280×720ドットのIPS液晶を搭載。動画やワンセグを見ながら、SNSなどのアプリを重ねて表示することも可能。MHLにも対応する。カメラは1,300万画素CMOSを搭載。ピンチイン/アウトで動画の縮小/拡大も可能。MHLに対応。動画をテレビに出力しながらスマホ画面でメールなど他の操作をすることもできる。CPUはクアッドコア/1.5GHz。IPX5/7防水仕様。外形寸法は約137×69×9.6~10.3mm(縦×横×厚さ)、重量は約143g。カラーはアストロブルーとプリズムホワイト。

 「DIGNO S」は、4.7型/1,280×720ドット液晶のモデルで、メインカメラは808万画素の裏面照射CMOSを採用する。特徴は2,520mAhという大容量バッテリを搭載する点。また、通話時にディスプレイ全体を振動させる「スマートソニックレシーバー」を搭載する。アプリ操作や文字入力を音声で行なえる「すぐごえ」にも対応する。MHLや、DLNA/DTCP-IPにも対応する。CPUはデュアルコア/1.5GHz。本体はIPX5/7防水、IP5X防塵仕様。外形寸法は約134×66×10.8mm(縦×横×厚さ)、重量は約157g。カラーはブラック、ホワイト、ピンク。

Optimus GDIGNO S

 「VEGA」は、タッチせずに操作できるモーション認識機能「VEGA Motion」を搭載することが特徴。赤外線センサーで手の動きをとらえ、料理中や入浴中、PC作業中などにスマートフォン本体に触れなくても操作可能。ワンセグや音楽/動画再生、着信応答。新着メール確認などに利用できる。ディスプレイは4.3型/1,280×720ドット液晶で、カメラは800万画素CMOS。CPUはデュアルコア/1.5GHz。本体はIPX5/7防水、IP5X防塵。外形寸法は約129×65×10.8mm(縦×横×厚さ)、重量は約134g。カラーはプレシャスホワイトとリュクスブラック。

 「G'z One Type-L」は、気圧/ジャイロ/加速度/方位/温度の5つのセンサーを搭載するモデル。ディスプレイは4型/800×480ドットのIPS液晶。カメラは808万画素のCMOS。腕時計のG-SHOCKとBluetooth接続して、着信やメールをG-SHOCKから確認できる機能も搭載する。IPX5/8防水とIP5X防塵に対応。CPうはデュアルコア/1.5GHz。DLNA/DTCP-IPにも対応する。外形寸法は約134×69×14.7~15.9mm(縦×横×厚さ)、重量は約181g。カラーはレッドとブラック。

VEGAG'z One Type-L

 タブレット「AQUOS PAD」に搭載するIGZO液晶は、7型/1,280×800ドット。IGZO液晶は、省エネやタッチパネルの高精度などが特徴で、AQUOS PADは付属のスタイラスペンでも操作できる。液晶とタッチパネルを直接貼り合わせた構造となっており、液晶に直接書き込める感覚で利用できるという。

 カメラは800万画素CMOSを搭載。CPUはデュアルコア/1.5GHz。MHLや、DLNA/DTCP-IPにも対応する。バッテリ容量は3,460mAh。IPX5/7防水とIP5X防塵に対応する。外形寸法は約190×106×8.9mm(縦×横×厚さ)、重量は約280g。カラーはフィールブラック。

AQUOS PADIGZO液晶を採用する


■ 電子書籍読み放題の「ブックパス」開始。うたパスも機能強化

 

ブックパスのライブラリ画面
 サービスとしては、新たに電子書籍の読み放題サービスを含めた「ブックパス」を開始。また、ビデオ見放題「ビデオパス」や音楽配信「うたパス」を組み合わせて割引することも発表した。

 12月上旬より開始する「ブックパス」は、既存の「LISMO Book Store」の9万冊のコンテンツを引き継ぎ、新たに読み放題サービスも採用したもの。料金は月額590円だが、auスマートパス(月額390円)会員であれば'13年3月末まで追加料金無しで利用できる。さらに、同じく3月末まではauスマートパス会員がビデオパス(月額590円)をセットにしても合わせて月額780円で利用可能。

 ブックパスの読み放題対象となるコンテンツは、開始当初が約500冊。有料化が始まる'13年4月からは約3,000冊になる見込み。読み放題ではない「アラカルト購入」の場合は、従来のLISMO Book Storeと同じ価格で購入できる。利用できる端末は、Androidスマートフォン(IS01除く)と、秋以降に発売する4G LTEタブレットなど。フォーマットは.book、XMDF、BS Reader、OMF。

 うたパスは、11月上旬よりアプリをアップデートして、新たに「マイミックス」機能を搭載。現在はauが提供する「チャンネル」を聴く方式のサービスだが、マイミックスを利用すると、その時の気分などの「利用シーン」(ソフト/ハードなど)や、「年代」、「ジャンル」をユーザーが選ぶことで、オリジナルのプレイリストが自動作成される。マイミックスで作成されるプレイリストの曲数は、現在のチャンネルと同じ100曲前後となる。

 ビデオパスの配信画質は、新機種を全てLTE対応としたことに合わせて、従来の「無線LAN用」と「3G用」の間に位置する「LTE用」のモードを用意。3Gよりも高画質で視聴できるようになるという。また、コンテンツは、「ダーク・シャドウ」や「貞子3D」、「キラー・エリート」をDVDレンタルと同時に配信するなど、新作の配信にも注力しているという。また、16日からは新世紀エヴァンゲリオン(テレビアニメ版)を見放題プランに加えている。

 

auスマートパス会員は、うたパス、ビデオパスと組み合わせて割安になる音声案内で操作や情報検索が可能な「おはなしアシスタント」も11月より開始。キャラクターの名前を尋ねてみたが、まだないとの返答CATV用のSmart TV BOXも展示されていた

 


■ auのLTEは「本気のネットワーク」

 

田中孝司社長
 発表会は、スマートフォン/タブレット全機種のLTE対応に合わせて「4G LTE」を前面に押し出す内容となった。KDDIの田中孝司社長は「単にLTEネットワークを始めるわけではない」として、下り最高75Mbpsの速度を10月末の立ち上げ時に実人口カバー率84%、'13年3月末までに96%まで拡大することを宣言。また、'13年以降は112.5Mbpsへの高速化も予告した。

 さらに、通常の基地局より小型の「ピコセル」でビル陰などもカバーすることや、ユーザーが4Gエリアから3Gエリアに移動する場合、事前に3G局への接続要求を実施することで中断することなく4Gから3Gへ接続移行する「Optimized Handover」の導入といったきめ細かなサービス向上も図っており、これらの施策で“本気のネットワーク”の構築をアピールした。

 端末では、前述の10機種の他に、'13年春モデルとしてINFOBARの新機種「A02」も予告。詳細は明かされなかったが、予告動画の中には、4G LTE/クアッドコアCPU/Android 4.1/4.7インチ/9.4mm/2,100mAh/TOUCH NEW UTILITY/TOUCH NEW FUNといったキーワードが並んでいた。

 なお、今回のモデルにWiMAX対応機種は無いが、今後の展開については「UQもお客様が増えて、大変な状態。新たな周波数の割り当てを規制官庁へお願いしていると聞いている。まだ割り当てらわれたわけではないので、計画は話せない」とした。

 また、Windows Phoneについては「秋冬(モデルの採用)は困難になっている。我々は、お客様の“ウォンツ”に応えることを基本としているので、もう少し時間をいただければ」とした。


LTEのカバー率の高さをアピール’13年度にはさらなる高速化もOprimized Handoverなどの技術についても説明した
予告されたINFOBARの仕様と見られる内容
 

 

左から、伊勢谷友介さん、剛力彩芽さん、井川遥さん
 発表会の最後には、CMキャラクターの伊勢谷友介さんと井川遥さん、剛力彩芽さんを招いたトークセッションを開催。11月からオンエアされる新CMは、「LTEのスピード」をアピールする内容になっていることにちなんで、ゲストらがそれぞれの「スピード自慢」を披露した。

 剛力さんは、“ダンスの振りを覚える”のが早く、「短いものであれば教えてもらえばすぐできる」とのこと。また、井川さんは意外にも水泳で“高速犬かき”が得意で、平泳ぎと同じ速度で泳げるという。伊勢谷さんは、“立ち直るのが早い”とのことで、「悩んでも、すぐ次の方法をとることを考える」という。なお、伊勢谷さんは、auが11月上旬以降に発売するスマホ用 カバー「GILD design」(iPhone 5/Xperia/HTC J butterfly用、11,970円)のデザイン監修も務めており、このカバーの背面には、伊勢谷さんの座右の銘「挫折禁止」の文字が描かれている。田中社長は食事のスピードが速く、昼食は5分ほどで終わるということを明かした。

 司会からの指名で、剛力さんはキャッチコピーを作成。悩んだ末に出た言葉は「auの4G LTEは“速い、広い、超速い”」というもので、「普通は同じ言葉が2回もでたらダメですが、auは普通の速いだけじゃ収まらないくらい超速いので」と説明。田中社長は「これはもう採用。しっかり使わせてもらいます」と満足した様子だった。


それぞれの「スピード自慢」を披露した

 


(2012年 10月 17日)

[AV Watch編集部 中林暁]