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final、最新の音質を小ロットで「MAKE MOD」。AK最上位DAP「SP4000」。“静磁”ドライバにも注目

final「A10000」

フジヤエービック主催、「夏のヘッドフォン祭mini 2025」が7月5日にステーションコンファレンス東京で開催。finalやアユートのブースをレポートする。

final

DITA「Prelude」

finalのブースでは、トゥルーダイヤモンド振動板を搭載した新フラッグシップイヤホン「A10000」や、7月発売予定のDITA最新のエントリーレベルイヤフォン「Prelude」などが試聴できる。さらに、未発表モデルとして、finalの「MAKE MOD」というステンレス筐体のIEM型が登場。

3モデルをラインナップし、3BA構成の「MAKE MOD 1.1」、1DD+1BAのハイブリッド構成の「MAKE MOD 2.1」、1DD構成の「MAKE MOD 3.1」を用意する。このMAKE MODは、finalの人気シリーズ「MAKE」のシステムを活かして、最新の音質を小ロットで製品化していく新しいシリーズで、8月の発売を予定している。

finalはブース以外に、試聴用個室も用意。A10000のほか、新ヘッドホンシリーズの「DX6000」や「D8000 DC/D8000 DC Pro Edition」を静かな環境でじっくりと試聴できる。利用には、事前にWEB予約が必要。

試聴用個室も用意

アユート

A&ultima SP4000

アユートブースでの注目は、Astell&Kernから今後日本で発売予定の、新たな最上位DAP「A&ultima SP4000」だ。8月発売予定で、予想価格は693,000円。

A&ultima SP4000

ディスプレイサイズがSP3000の5.46インチから、SP4000では6インチへと大型化、高精細化。DACは、SP3000と同じようにAK4191EQ、AK4499EXを採用しているが、その構成がさらに理想的なものになった。

SP3000はAK4191EQ×2基、AK4499EX×4基だが、SP4000はAK4191EQ×4基、AK4499EX×4基構成に。1つのAK4191EQに対して、1つのAK4191EQを割り当てられ、真のクアッドDAC構成になっている。

オペアンプの構成もリッチになり、搭載する個数がSP3000の2倍、さらにオペアンプを並列配置(SP3000は直列構成)とした。従来は、出力を上げるとノイズも増加し、ノイズを下げようとすると音量が不足するというジレンマがあったが、出力を上げてもノイズを抑えられるようになったという。

並列配置した2倍のオペアンプを使うモードは「High Driving Mode」と名付けられ、Astell&Kernでは「車の四輪駆動」に例えている。なお、High Driving Modeを利用すると、バッテリーの消費は大きくなる。

アユートが新たに国内輸入代理店契約を締結した、米国発の新オーディオブランド・VOLK AUDIO(ヴォルク・オーディオ)の第1弾製品として、ハイエンド・ユニバーサルIEM「ÉTOILE」(エトワール)も展示している。発売は8月予定で、予想価格は693,000円。

ETOILE

アメリカ合衆国ジョージア州アトランタに本拠を置くブランド。米国有数のカスタムIEMメーカーで、長年最先端のIEMを設計開発・製造・販売に携わってきた経験を持つJack Vang氏によって、2025年4月に創設。「Volk」という名は「人々」を意味し、ブランドとしての使命を映し出しており、ただ音を届けるのではなく、深く響く体験を創り上げることを信念にしているという。

ÉTOILEは、クアッドブリッド10ドライバー構成のユニバーサルIEM。超低域~低域用に独自の10mmダイナミック型の「M10」×1基、中域~中高域にSonion BA×4基、高域~超高域にSonion静電ドライバー×4基、さらに高域~超高域に独自の8mm静磁ドライバー「M8」×1基を搭載。

静磁ドライバーは、静電型(EST)の一種で、静電磁気(MST)とも呼ばれている新しいドライバー方式。ESTは静電気を帯電させた振動板の前後に、電極を配置して振動させる方式で、高電圧が必要。静磁ドライバーは、静電気と前後のマグネットによる磁力も併用することで、低電圧で駆動できるようにしているのが特徴。さらに「M8」では、極薄の振動板の表面に導電性トレースを直接組み込むことで、安定した磁界内に均等に吊り下げられている。この振動板は、平面磁気ドライバーのように、表面全体で均一に振動するため、歪が抑えられ、高瀬解像度な描写ができるという。

グラミー賞を5度受賞したロサンゼルスのOsiris StudioのサウンドエンジニアであるMichael Gravesと共同開発され、彼のマスタリング環境における音色の正確さと空間制御を捉えるために精密に調整されたニアフィールド・リファレンス・モニターを目指したという。

6061-T6アルミニウムをCNC加工したフェイスプレートに24K金メッキ加工が施された、ラグジュアリー感漂う世界350本限定生産モデルとなっている。

MUSIN

TOPPINGの新製品として、7月下旬発売予定の「TOPPING DX5II」を出展する。予想価格は49,500円。

TOPPING DX5II

コンパクトな薄型ボディに、7600mW@16Ωのパワフルな出力と一台で完結するコネクションを備えた「TOPPINGの新たなベンチマークモデル」だという。入力として、USB-DAC、Bluetooth受信、光デジタル、同軸デジタルを備え、出力にはヘッドフォンアウト(6.35mm/4.4mm/XLR 4pin)、ラインアウト(XLR/RCA)を備える。

SHANLING「M3 Plus」

SHANLINGからは発売されたばかりのDAP「M3 Plus」が登場。価格は62,370円。アルミニウム製の新たなウェーブデザイン筐体を採用し、4.7インチの大画面ディスプレイを搭載したAndroidプレーヤー。

Cirrus Logic CS43198を4基搭載したQuad DAC回路を採用。後段のアナログ回路にはSGM8262アンプを搭載することで最大800mW@32Ωの高い駆動性能を実現している。