BookLive、WiMAX内蔵/8,480円の電子書籍端末

「書店で売る」端末。「すぐ使える」を訴求


BookLive! Reader Lideo

 電子書籍配信サービスを手がけるBookLiveは、BookLive専用の電子書籍端末「BookLive! Reader Lideo(リディオ)」を12月10日より発売する。価格は8,480円。三省堂書店などの書店、およびBookLiveで販売。「電子機器ではなく本を売りたい。そのため、家電量販店では売らず、書店経由で売りたい」(BookLive 淡野社長)とする。

 端末はNECが供給。特徴はワイヤレスデータ通信のWiMAX通信機能を搭載していること。購入してユーザー登録無しにWiMAXを利用し、BookLive上のコンテンツを購入できる。通信費はBookLiveが負担し、ユーザーは通信費を意識する必要はない。なお、LideoのWiMAX接続先はBookLiveのサーバーのみに限定されている。

 6型/600×800ドットのE-Ink電子ペーパーを採用した電子書籍端末。タッチパネルは赤外線センサー式。ハードウェアボタンも装備し、タッチパネルとボタンを組み合わせて操作できる。メモリ容量は4GB。microSDスロットなどメモリ拡張機能は備えていない。

 外形寸法は165×110×9.4mm(縦×横×厚み)、重量は約170g。WiMAXに対応するほか、IEEE 802.11b/g/n無線LANに対応する(WPS非対応)。対応フォーマットは.book、XMDF、EPUB。BookLiveで配信中の約10万冊のうち、95,000冊(楽譜等含まず)をLideoで購入可能。

BookLive! Reader Lideo
箱から出してすぐ使えるを訴求

 各端末が固有IDを持つため、メールアドレス入力などが不要。箱から出して電源を入れた後は、誕生日、性別、パスワード設定を行なうだけで初期設定が完了。クレジットカード情報を入れて、すぐに電子書籍が購入可能になるとする。

 そのためBookLive! のアカウントを作らずに、端末単体でBookLive!の電子書籍を購入できる。ただし、BookLiveのIDを紐付けることで、PCやスマートフォン、タブレットなどで購入し、クラウド書庫で管理しているコンテンツを、Lideoにダウンロードして閲覧できるなど、マルチデバイス利用が可能になる。



■ Lideoは“サービス”。数十万台の端末を調達

BookLive 淡野社長

 BookLiveの淡野正社長は、10万冊以上の電子書籍を有していること、クラウド書庫によるマルチデバイス対応などの特徴を説明。今回「専用端末」を発売するに至った経緯については、「これまでの電子書籍サービスでは本を読むまでの設定などが難しかった。現在の電子書籍サービスは主にスマートフォンやタブレットで利用されているが、本をよく読む50歳台以上の利用率が低い。また、スマートフォンでの読書はカジュアルなものが多く、本格的に読書をする人にとっては専用端末が適している。年配の方でも誰にでも利用できる端末が必要と考えた」と説明。「メーカーではない我々が、サービスとして提案するのがLideo」とする。


パートナー各社の代表が登壇

 そうしたターゲット層のため、とにかく初期設定をシンプルにし、PCの接続を不要とした。また、販路についても書店とBookLiveの直販を中心に据える。「電子機器ではなく本を売りたい。そのため、家電量販店では売らず、書店経由で売りたい」とし、三省堂書店などの書店で展開。三省堂では対面販売を行ない、購入時に最低限必要な登録をその場で済ませるなどのサポートも担当する。

 サービスとして端末を提案するというBookLiveだが、ハードウェアの導入台数は「数十万台単位」、端末からの利益は「あまりない」とのこと。BookLiveユーザーのうち専用端末がどれくらいの構成比になるかについては、「具体的なものは見えていない。新しいものにどう対応していくかだが、最終的には(専用端末が)3割ぐらいでは」とした。


(2012年 11月 7日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]