マクセル、BA+ダイナミックで約1万円「MXH-DBA700」

新イヤフォン2機種。ダイナミック×2「DD600」も


左がBAとダイナミック型のハイブリッド「MXH-DBA700」、右がダイナミック型×2基の「MXH-DD600」

 日立マクセルは、バランスド・アーマチュア(BA)とダイナミック型ユニットを両方内蔵したカナル型(耳栓型)イヤフォン「MXH-DBA700」を12月10日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は1万円前後。カラーはブラック(BK)。

 さらに、ダイナミック型ユニットを2基搭載した「MXH-DD600」も12月10日に発売。価格はオープンで、店頭予想価格は8,000円前後。カラーはブラック(BK)とレッド(RE)の2色となる。

 なお、音質のレビューについては、後ほど別記事で掲載する。


左からDBA700のブラック。DD600のブラック、DD600のレッド。ハウジングのmマークの部分に光沢があるのがDBA700となる



■BA+ダイナミックと、ダイナミック×2

 DBA700の特徴は、高域担当のBAユニットと、中低域を担当するダイナミック型ユニットを搭載してる事。2種類のドライバを搭載する事で、繊細な高音域と、迫力のある中低音域を再生できるという。

 ユニットはBAを耳寄りの前方に、ダイナミック型を後方に配置。BAの高音はダイレクトに耳へ届けられ、ダイナミック型は筐体内に斜めに配置する事で、ユニットからの高音を抑え、中低音だけを耳に届ける工夫をしている。ネットワークは搭載していない。ダイナミック型の口径は8mm。


BAとダイナミック型のハイブリッド「MXH-DBA700」
「MXH-DBA700」のイヤーピースを外したところ左がDBA700、右がDD600の内部。DAB700のダイナミック型は斜めに内蔵している両モデルの周波数特性。左がDBA700、右がDD600

 ダイナミック型を2基搭載する「DD600」は、中低音に強い6mmのユニットを前方に、低音域に強い8mmのドライバを後方に配置。厚みのある中音域と、迫力の低音域を実現したという。

ダイナミック型×2基の「MXH-DD600」ハウジングの後部に新シンボルマーク「m」

 再生周波数帯域は20Hz~20kHzで共通。インピーダンスはDBA700が16Ω、DD600が8Ω。音圧感度はDBA700が104dB/mW、DD600が100dB/mW。最大入力は200mW。

 筐体の形状は2機種共通で、金管楽器をイメージ。ホーンのように、音の密度が高まるようなイメージを与える形状を目指したという。角の無い、バランスのとれた形状にすることで、強度を高め、不要共振も抑えているという。素材は高剛性のアルミ。

 磁気回路にはネオジウムマグネットを採用。ケーブルはフラットタイプで、着脱はできない。長さは約1.2mでY型。入力プラグはステレオミニで、L型。金メッキ仕上げ。ケーブルを含めた重量はDBA700が約17g、DD600が約16g。

 イヤーピースはSS/S/M/Lの4サイズを同梱。銀イオンを使い、抗菌効果を持たせている。

ケーブルはフラットタイプ入力はL型のステレオミニ



■新シンボルマーク「m」

 2モデルのハウジングには「m」というマークが入っている。これは、低価格なイヤフォンを主に手掛けてきたマクセルが、ハイエンドオーディオカテゴリの創造に向けて作った、新しいシンボルマーク。キャッチコピーは「飽くなき“音”へのこだわり その系譜を受け継ぎしもの。」だという。

 このMは、マクセルのmであると同時に、ミュージックのmであり、人=manのmでもある。縦の三本線は過去、現在、未来の“人”を表し、左右に突き抜けるラインが“音”をイメージ。「過去から新時代に、“音”でつながるコミュニケーション」を表現している。

 今後の展開としては、2013年1月1日に、香港にヘッドホン等の開発を含む事業統括会社を設立予定。そこを開発拠点に、グローバルに展開していくという。

新しいシンボルマーク「m」コンシューマ事業部 商品企画部の小林是人担当部長

 コンシューマ事業部 商品企画部の小林是人担当部長は、現在の国内市場規模を約1,500万台とした上で、スマートフォンの普及や携帯ゲーム機での利用拡大により、世界的に市場拡大が続くと予測。

 そのマーケットを数量シェアで見ると、5,000円未満の製品が95%を占め、5,000円以上は5%しかない。しかし、金額シェアでは、5,000円以上が28%と見逃せない規模になっている。また、ファッションの一部としてデザインにこだわるユーザーが増えた事、音楽の種類や目的によってグレードを変えて楽しんでいるユーザーが増えている事などを紹介した。

ミドルユーザー層に向けた製品に参入

 その上で、「良い物(いい音)に目覚める人が拡がりつつあるが、1万円を超えるような高価なヘッドホンを買うのは大変というユーザーが多い。そこで、手の届く価格帯で、本格的な音質を楽しみたいユーザー層を取り込んでいきたい。現在のマクセルは1,000円~5,000円の価格帯をメインにしているが、その上のミドルユーザー層に向けた製品に参入する」と説明。

 前述のシンボルマーク「m」と共に、同社の音へのこだわりや、音響理論、独自の高音質か技術なども含め、“マクセルの音”を訴求していくという。


(2012年 11月 21日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]