ニュース

ソニー、CESで4Kの56型有機ELテレビを展示

4K液晶TVには55型と65型。4Kプレーヤーも

 ソニーは、2013 Internatinal CESの開催に先立ち、4K解像度の56型有機ELテレビや、4K対応民生用カムコーダなどを参考展示すると発表した。



56型4K有機ELなど、4K関連

4K解像度の56型有機ELテレビ試作機

 試作機が参考展示されるのは、56型の4K有機ELテレビ。解像度は3,840×2,160ドット。高精細映像を実現する酸化物半導体TFTと、有機EL発光層の光を効率良く取り出せるという独自の「スーパートップエミッション」方式を組み合わせたもので、自発光の有機ELならではの高コントラスト・高輝度・高速動画応答性能・広視野角を実現しているという。

 従来の有機ELテレビでは、有機EL層を駆動して発光させるため、低温ポリシリコンTFT(薄膜トランジスタ)を使っていたが、パネルの大型化に課題があった。そこで、研究開発を進めてきた酸化物半導体TFTを使う事で、56型という大型ながら、4K解像度の高精細なパネルを実現したという。

 また、有機EL素子構造のスーパートップエミッション方式は、構造上、開口率が高く、有機EL層から効率的に光を取り出せる特徴がある。なお、参考展示される有機ELテレビに使われたパネルは、台湾・AUOとの共同開発で試作されたもの。

4K対応液晶BRAVIAに55型と65型が追加される

 さらに、既に84型を発売している4K対応液晶テレビBRAVIAに、65型と55型を追加。「4K X-Reality PRO」に加え、色再現領域を大幅に拡大するという「TRILUMINOS Display(トリルミナスディスプレイ)」を新たに採用。このTRILUMINOS Displayは、米QD Visionが開発した発光半導体技術「Color IQ」を使ったもので、QD Vision製の光学部品をソニー独自のディスプレイ技術と組み合わせることで、色再現領域を拡大させている。

 広色域での撮影や再生・伝送を実現する「TRILUMINOS Color(トリルミナスカラー)」に対応したデジタルイメージング商品やホームエンタテインメント商品とあわせ、「自然で色彩豊かな映像体験の世界を広げていく」としている。

 筐体デザインでは、ダンパーレス構造を採用。クリアで迫力あるサウンドを実現するという、独自開発の磁性流体スピーカーをテレビに初搭載。前面にスピーカーを配置するなど、新たなデザインコンセプトを採用している。他にも、スマートフォンをワンタッチするだけでコンテンツを表示できるワンタッチミラーリング機能やTV SideViewにも対応する。

 さらに、4Kの映像ソースとして、4K以上の解像度で撮影した映画や、フィルムからスキャンしたソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)の映画を、フルHDでBlu-ray Discに収録し、広色域データに対応させた「ブルーレイディスク “mastered in 4K”」というソフトを今春より発売。当初は新作やカタログ名作など10数タイトルを発売し、順次展開していくという。

 また、4Kコンテンツの配信サービスを、今夏より米国で開始。専用の4Kメディア・プレーヤーを用い、ソニー製の4K対応液晶テレビで、SPEの映画などが視聴できるという。

 この他にも、PlayStation 3専用ソフトウェア「PlayMemories Studio」が4K解像度の静止画に対応。写真の管理や表示ができる。

 さらに、民生用カムコーダで4K記録に対応したモデルを参考展示。映像制作用途の業務用カメラで展開されている、新しいフォーマット「XAVC」に対応する予定だという。



シアター機器やポータブルサーバーも

 他にも、スマートフォンの新モデルとして、5型のフルHD「Reality Display」を採用した「Xperia Z」や、磁性流体スピーカーを採用したBDホームシアターシステム「BDV-N8100W/N7100W」、同じく磁性流体スピーカーを採用した「SRS-BTX500」などのワイヤレススピーカーも出展。インターネットの動画や音楽サービスにも対応できるBDプレーヤー「BDP-S5100/S3100」も発表。

 スマートフォンで撮影した写真や動画をワンタッチで保存できるパーソナルコンテンツステーション「LLS-201」も発表。1TBのHDDを内蔵し、様々な機器で撮影された写真や動画を集約保存。スマートフォンやタブレットからワイヤレスで簡単に操作、再生できるという。HDMI出力も備え、DLNAにも対応。

 また、スマホやタブレットから、ワイヤレスで共有できるポータブルワイヤレスサーバー「WG-C10」も発売。コンパクトな筐体にメモリーカードを挿入し、写真や音楽を再生したり、ファイルの共有/保存が可能。内蔵バッテリからスマートフォンへの給電もできる。

 「Google TV」プラットフォームに対応したインターネットプレーヤー「NSZ-GS7」を最新プラットフォームへアップデート。音声サーチに対応したリモコン「NSG-MR7U」も発売する。音声による操作や、コンテンツ視聴中に画面上で別のコンテンツを検索できるアプリ「PrimeTime」の対応なども行なわれる。

 さらに、フルハイビジョン動画撮影できるデジタル録画双眼鏡を参考展示。従来機比約30%の軽量化と、有機EL電子ビューファインダーの採用により、暗いところでも被写体をとらえられる“ハイパーゲイン”機能を搭載。防塵・防滴に対応し、高倍率ズームを搭載するなど、大幅な性能向上が行なわれている。

 ヘッドホンでは、米国で高視聴率を記録したリアリティ音楽オーディション番組「THE X FACTOR」の音楽プロデューサー サイモン・コーウェル氏とデザイン、音質面でコラボレーションしたヘッドホンの第2弾モデルも展示予定。

(山崎健太郎)