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東芝、BS/CS録画対応で最大8ch全録「新レグザサーバー」

HDD拡張対応。BS 3ch/約17万円の「DBR-M490」

レグザサーバー「DBR-M490

 東芝は、6チャンネル17日間分の番組を録画するタイムシフトマシン機能を備え、新たにBS/CSデジタル放送録画に対応したレコーダ/ホームサーバー「レグザサーバー DBR-M490」を6月20日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は17万円前後。

 タイムシフト用HDD 4TBと通常録画用HDD 1TBの合計5TBのHDDを搭載した、ホームサーバー/Blu-rayレコーダ。BS/CS放送を含む6チャンネル/17日分の放送を録画し続けて、自由に視聴できる“タイムシフトマシン”機能の搭載が最大の特徴。

 従来のレグザサーバー「DBR-M190/M180」は、地上デジタル放送のみタイムシフトに対応していたが、DBR-M490では新たにBS/110度CSデジタルに対応。6chのうち最大3chまでをBS/110度CSに割り当てられる。また、液晶テレビ「REGZA Z8X/Z7」シリーズと同様に、タイムシフトマシンに蓄積した録画番組からおすすめを紹介する「ざんまいプレイ」にも対応する。

 タイムシフトマシンだけでなく、通常録画用に地上/BS/110度CSデジタル3チューナを備え、同社のBDレコーダ「DBR-T360」相当の機能を搭載。このうち、2系統をタイムシフト割当てて、最高8系統のタイムシフト録画が行なえる。また、録画番組のダビングやBlu-ray 3D/BDビデオの再生、プレイリスト編集など、通常のレコーダとしての使い勝手も強化している。

利用イメージ
レグザサーバー「DBR-M490」
背面

【訂正】
記事初出時に、「クラウドサービス TimeOn(タイムオン)対応」と記載していましたが、DBR-M490はTimeOn非対応となります。お詫びして訂正いたします(6月5日14時追記)

タイムシフトマシンがBS/CS対応。容量/チューナ数拡張も

タイムシフトマシンを搭載

 多チャンネル録画機能「タイムシフトマシン」用に、地上デジタルチューナ×6とBS/110度CSデジタル×3を搭載。さらに、通常録画用に地上/BS/110度CSデジタルチューナ×3も備えている。合計のチューナ数は、地上デジタル×9、BS/110度CSデジタル×6となる。

 従来モデルのDBR-M190/M180では地デジのみのタイムシフト対応だったが、DBR-M490ではBS/110度CSデジタルも3チャンネルまで組み込み録画できるようになったことが最大の特徴。BS/CSが3チャンネルまでであれば、1つの有料放送契約で3チャンネルのタイムシフト録画が行なえ、例えばWOWOWのライブ/プライム/シネマの3チャンネルを録画し続けることも可能だ。

B-CASカードはフロントパネルに
3波対応のミニB-CASと、地デジ専用、3波用の3枚のB-CASカードが必要(写真はテスト機のため3波カードを2枚利用している)
タイムシフト録画時のB-CASカード設定
タイムシフトマシンがBS/CSに対応

 録画形式はMPEG-2 TSストリームと、MPEG-4 AVC/H.264への長時間録画モードが選択可能。AVCのモードは高画質(約8Mbps)、中画質(約6Mbps)、低画質(約3.5Mbps)などが選択可能で、同レートでも、従来モデルより画質向上してるという。

 REGZA Z7/Z8Xの録画モードはDRモード(MPEG-2 TS)のみ。パナソニックの全録レコーダ「DMR-BXT3000」ではAVC録画のみだが、DBR-M490ではDRモードとAVCの録画のそれぞれが選択できる。ただし、「DMR-BXT3000」ではチャンネルごとの録画モード調整が可能だが、DBR-M490ではタイムシフトマシン全体で1つのモードを選択する形となる。

【タイムシフトの録画可能時間】
録画モード録画時間
DR約3.5日
(地上デジタル)
約2.5日
(BSデジタル)
AVC最高画質約5日
AVC高画質約7.5日
AVC中画質約10日
AVC低画質約15日
AVC最低画質約17日

 タイムシフトマシンは24時間録画だけでなく、「19時から23時だけ」といった変更や、「3チャンネルだけ」などの設定も可能。ただし、時間設定は全チャンネル一括で、個別のチャンネルごとの時間/画質モード設定はできない。

 新たに初期設定後にタイムシフトのチャンネル設定変更を行なっても、本体の初期化やHDD内の番組が消えないようになった。また、従来モデルでは深夜15分だったメンテナンス時間が1時間に延長されており、この間はタイムシフトマシン録画は行なわれない。

タイムシフトマシンの録画設定
タイムシフトマシンの画質設定
時間指定も可能

・タイムシフト用USB HDDを追加。通常録画の2chをタイムシフトに

“容量”と“チューナ”の拡張に対応した新タイムシフトマシンがDBR-M490の特徴

 タイムシフト用HDD領域の拡張やチューナ数の追加が行なえることが、DBR-M490の新たな特徴。タイムシフト用HDDを追加できるほか、通常録画用のチューナのうち2系統をタイムシフトに流用できる。

 HDD容量については、タイムシフトマシン専用のUSB HDDの増設にも対応。USB HDDを追加することで録画時間を延長でき、2TBのHDD増設時でAVC最低画質モード利用時には約26日の録画が可能となる。

 録画用のUSB HDDとしては、容量2TBのアイ・オー・データ機器「AVHD-UR2.0B」と「AVHD-A2.0U」を推奨。レグザーサーバー背面のタイムシフト録画HDD専用のUSB端子に接続する。

USB HDDを追加してタイムシフトマシン領域を拡張
タイムシフト用HDDの拡張にも対応
2TB HDDの追加で最大26日分の録画が可能に
タイムシフトマシン用USB HDDの追加画面
USB HDDを割り当て
通常録画用チューナの2つをタイムシフトに活用可能

 また、ユニークなのは通常録画用の3つのチューナのうち、2つをタイムシフト用に割り当てられること。2つのチューナと、通常録画用の1TB HDDのうち最大750GBをタイムシフト用に設定することで、タイムシフト用の6chとあわせて、合計8chのタイムシフト録画が可能になる。

 BS/CSの2系統をタイムシフトに割り当てれば合計5chのBS/CS録画が可能となる。ただし、1枚のB-CASカードで対応できるのは、BS/110度CSデジタル3チューナまでのため、2つのBS/CS契約が必要となる。

 また、通常のタイムシフト録画との違いとして、MPEG-2 TSのDRモード固定でのタイムシフト録画となり、MPEG-4 AVC/H.264の長時間録画はできない。そのため、2chのBSデジタルをタイムシフト領域750GBで利用する場合、BSデジタルで36時間、1日半での録画時間となる。タイムシフト用に割り当てたチューナは、通常録画用としては利用できない。

タイムシフトマシンのシステム構造
DRモードでの全録対応がパナソニック「DMR-BXT3000」との違い
【タイムシフトマシンの仕様】

DBR-M490DBR-M190/M180REGZA Z7/Z8X
チューナ
(タイムシフト)
地デジ×6
BS/110度CS×3
地デジ×6
チューナ
(通常録画)
地上/BS/110度CS×3地上/BS/110度×2地デジ×3
BS/110度×2
タイムシフト
BS/CS対応
3ch--
タイムシフト
最大ch数
8ch
(BSは最大5ch)
6ch
HDD4TB4TB/2TB別売
AVC長時間録画-
最大ストック日数17日
(容量拡張可)
15日(HDD容量に依存)
外付けHDD増設
(タイムシフト用)
--
DRモード録画
ざんまいプレイ-

レグザサーバーが「ざんまいプレイ」対応。基本機能強化

過去番組表

 レコーダのプラットフォーム(開発基盤)も一新。従来はREGZA用に開発した「レグザエンジンCEVO」であったが、DBR-M490はレコーダ/サーバー機能に特化したLSIを採用。それに伴いユーザーインターフェイスなども見直された。

 録画した番組は「過去番組表」から選択して再生でき、放送途中の番組も、「始めにジャンプ」ボタンを押すことで、番組の最初から再生可能になる。10秒前に戻る「ワンタッチリプレイ」にも対応する。タイムシフトマシンの録画領域が少なくなると、古い番組から自動で削除する。

過去番組表(8ch)
過去番組表(6ch)
表示チャンネル数を切り替え
視聴済みの番組はマークで区別

 過去番組表は、新たに視聴済みの番組に「視聴済み」マークが付くよう改善されたほか、再生を途中で停止した番組は、「緑」ボタンで再生停止シーンからレジューム再生できるようになった。また、タイムシフトマシン録画でも、番組情報や字幕情報を保存できる様になった(データ放送部は保存できない)。

 タイムシフトマシン番組は一定時間を経過すると、自動消去される。そのため、番組を保存する場合は、タイムシフトマシン領域から通常録画領域へのダビング/ムーブが必要。このダビング速度も従来の約1.4~2倍に高速化している。ただし、CM部にチャプタ付与する「マジックチャプター」選択時には、ほぼ実時間でのダビングになる。

 ダビングの強化点としては、タイムシフトマシン番組を直接BD-R/REにダビング可能となった。これまでは、通常録画領域にダビングしてから、BD-R/RE書き出しとなっていたが、この手間が不要となる。

過去番組表から直接BDダビングも可能に

・レグザサーバーも「ざんまいプレイ」対応

ざんまいプレイ

 また、「ざんまいプレイ」にもレグザサーバーとして初対応。REGZA Z7/Z8Xシリーズで搭載しているタイムシフトマシン録画番組の“おすすめ”機能で、リモコンの「ざんまいプレイ」ボタンを押すことで、タイムシフト録画されている番組から、現在視聴中の番組やユーザーの好みに関連性の高い番組を画面上でおすすめする。

 ざんまいプレイボタンを押すことで、視聴中の番組に関連する番組を右側に「ほかにもこんな番組」と表示。例えば、ゴルフの視聴中にゴルフのレッスン番組を探したり、海外のゴルフ中継を探したりなどの使い方ができる。

ざんまいプレイに対応
ざんまいプレイの概要
ざんまいプレイから直接ディスク保存も

 ニュースで話題になっている用語や、人物名に関するキーワードを抽出して番組検索できる「急上昇ワード」、利用者の視聴履歴を学習し、いつも見ている番組をリストアップする「いつもの番組」、ユーザーの視聴履歴から独自に番組をおすすめする「あなたへのおすすめ番組」、「新番組」、「ジャンル専用リスト」などを用意。ざんまいプレイの画面からの番組再生やHDD/BDダビングも行なえる。

ざんまいプレイの急上昇ワード
あなたへのおすすめ番組

レコーダとしての基本性能を向上

スタートメニュー

 通常録画も強化。従来モデルは地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×2だったが、DBR-M490では地上/BS/110度CSデジタルともに3系統となった。機能的には同社BDレコーダ「DBR-T360相当」の機能を搭載している。

 スカパー! プレミアムサービス対応チューナとネットワーク経由で接続した「スカパー! プレミアムサービス Link(スカパー! HD録画)」にも対応。3番組同時のマジックチャプターやMPEG-4 AVC/H.264の長時間録画が行なえる。通常録画領域もUSB HDDを追加可能となっており、最大4台まで16TBの拡張が可能。ただし、拡張した通常録画用HDDをタイムシフトマシン用に使うことはできない。

 メニューも一新し、DBR-T360でも採用している「スタートメニュー」を採用。通常録画番組をリスト表示する「見るナビ」の名称は「録画リスト」に変更された。

見るナビは「録画リスト」に
録画リスト
フォルダに対応
フォルダ機能の概要

 新たに録画リストで「フォルダ」機能に対応。最大99個までのフォルダを作成可能で、1つの番組を「お父さん」、「お母さん」など複数のユーザーフォルダで管理できる。例えば、「お母さん」と「お父さん」が同じドラマをフォルダに保存し、お母さんがドラマをフォルダから消去した場合でも、お父さんのフォルダ内の番組はそのまま残るという。また、フォルダ内の番組を一括してBDなどにダビングする機能も新搭載した。

 ジャンルやキーワードを利用した「おまかせ自動録画」にも対応。AVCHDビデオカメラからの動画取り込みも可能となっている。Blu-ray 3D/BDビデオ再生や、BDXLへのダビング、BD-RE/BD-RからHDDへのムーブバックも行なえる。

おまかせ自動録画に対応
録画リストでおまかせ自動録画番組を呼び出し

 番組のチャプタ表示やプレイリスト表示にも対応。リモコンのおまかせボタンから、録画番組の本編だけの再生が行なえるほか、プレイリスト編集やチャプタ編集も可能。番組結合や番組分割、フレーム単位での編集にも対応する。

編集機能を強化
リモコンの「おまかせ」ボタンから、おまかせプレイで編集機能を呼び出し
プレイリスト
チャプタ
チャプタ編集
チャプタ編集/結合

 リモコンも新デザインのもので、再生/停止やスキップなどのレコーダ操作用ボタンを大型化。他社製テレビ用のリモコンとしても動作し、新たに装備した[TV]ボタンを押すことで、30秒だけテレビ用リモコンとして活用できる(BD/TVボタンで都度切替る設定も用意)。HDD/DISC/USBの各ドライブを切り替えるダイレクトボタンも装備している。

リモコン
TVボタンを新搭載
操作ボタンを大型化

待機時消費電力も抑制

 DTCP-IPサーバーとして動作し、録画した番組を家庭内のDTCP-IP対応機器に配信する「レグザリンクシェア」に対応。レグザタブレットと対応アプリ「RZポーター」による番組持ち出しや、放送転送機能「RZライブ」、録画番組のホームネットワーク内での再生「RZプレーヤー」などに対応する。

 Ethernetや無線LANを搭載。出力端子はHDMI×1。くっきりと高精細な映像再現を可能とする「XDE」やREGZAとの組み合わせで高画質再生する「レグザコンビネーション高画質」に対応する。

レグザサーバー「DBR-M490」
側面
背面

 待機時の低消費電力を実現する「省エネモード」を搭載。瞬速起動ON時でタイムシフト録画を行なっていない場合の待機時消費電力を約75%削減(DBR-M190比)し、約17Wとした。年間消費電力量も約74%削減の27.6kWh/年で、「タイムシフト録画を利用していない時間外の省エネが可能となった」とする。通常利用時の消費電力は67W(BSアンテナ電源、USB電源供給時は88W)。

 SDメモリーカードスロットやUSB×3(USBメモリ/AVCHDカメラ用/BD-Liveメモリ用×1、通常録画USB HDD用×1、タイムシフトUSB HDD×1)、Ethernet×1を装備。無線LANも内蔵する。HDMI以外の出力端子はコンポジット×1、光デジタル音声×1、アナログ音声×1。外形寸法は、430×336×321mm(幅×奥行×高さ)。重量は約6.4kg。

(臼田勤哉)