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NTT西、DTCP-IP対応/リモコンを一新したSTB「光BOX+」

Twonkyアプリなど搭載。将来は4Kサービスも視野

光 BOX+ HB-1000

 NTT西日本は、テレビと接続してインターネットのコンテンツを利用できるSTB「光 BOX+ HB-1000」を6月25日に発売する。価格は8,800円。

 販売はNTT西日本エリアで行なうとしており、設置サービス(有料)などのサポートは富山県、岐阜県、静岡県以西の30府県に限られるが、購入とサービスの利用はその他の地域でも可能。回線契約は不要。

 「光 BOX+」はテレビに接続して、インターネット動画やニュース・天気情報など様々なコンテンツを利用できる小型STB。昨年発売の「光 BOX+ HB-100」からUIやリモコンを一新し、シンプルな操作でコンテンツにアクセスできる。

 OSは従来機はAndroid 2.3だったが、新モデルはLinuxベースとし、詳細は明らかにしていない。動作メモリは1GBで、記録ストレージとして4GBのフラッシュメモリを内蔵。無線LANはIEEE 802.11b/g/nに対応し、1000BASE-TのEthernetを備える。Bluetooth 4.0にも対応する。

 テレビへの出力はHDMIのみで、1系統。USBホスト端子2系統や、SDカードスロットも備える。電源はACアダプタを使用し、消費電力は最大15W。外形寸法は115×105×31.5mm(幅×奥行き×高さ)。

「光 BOX+ HB-1000」本体
シンプルなボタン配置のリモコン
テレビに接続したところ

 インターネット動画は、「YouTube」や「ひかりTV」のほか、NTT西が提供する「動画チャンネル」などのアプリを搭載。なお、従来モデルではHuluアプリも搭載していたが、新モデルでは未定としている。十字キーリモコンで見たいコンテンツを選んで視聴できるほか、動画チャンネルでは、スマートフォン用アプリ「光 BOX+リモコン」を利用して、スマートフォン上で見たいコンテンツを選択し、テレビで再生することもできる。また、動画レコメンドアプリ「MOVIE SCREEN」を搭載し、一定時間操作がないと自動で起動して動画コンテンツをランダムに15秒ずつ再生。その中に見たい動画があれば、動画を視聴できるアプリへ移動することができる。

【訂正】記事初出時、「Huluアプリを搭載」としていましたが、実際は搭載していませんでした。お詫びして訂正いたします(6月20日13時40分)

メイン画面
MOVIE SCREENのイメージ
MOVIE SCREENから動画アプリへ移動できる

 無線LANを搭載し、DLNAのレンダラー(DMR)に対応。従来機では非対応だったDTCP-IPにも新たに対応し、「Twonky SmartPlay」アプリを利用して、同一LAN上に接続されたレコーダの録画番組や画像・動画ファイルを再生できる。また、ユーザーの嗜好にあった楽曲をレコメンドする音楽配信サービス「FaRao(ファラオ)」のアプリを搭載。最新のヒット曲を聴けるほか、BD/DVD/CDドライブを備えた三菱電機製テレビ「REAL LSR4」シリーズと接続することで、音楽CD再生時に、楽曲の歌詞やアーティスト情報などを表示することができる。

「SmartPlay」のトップ画面
DTCP-IPに対応。レコーダの録画番組を再生できる
「FaRao」で音楽CDを再生したところ

 地震速報や見守りなどのアプリを充実させた点も特徴。「スマートひかりタウン」アプリでは、自治体と連携して、行政通知や地域情報など表示することが可能。地震速報通知アプリ「ゆれくるコール」は、地震速報を画面に表示する機能以外にも、テレビの電源を自動でオンにして通知する機能や、本体のランプやUSB接続したスピーカーで警告する機能も搭載。自治体と協力し、防災無線のような利用方法も視野に入れているという。このほか、テレビ電源のON/OFF情報を指定アドレスに自動でメール送信する「見守りアプリ」や、離れた家族とも写真やメッセージの共有ができる家族専用SNSアプリ「wellnote(ウェルノート)」なども用意される。

「スマートひかりタウン」画面
「ゆれくるコール」テスト画面
「見守りアプリ」の説明
背面

 アプリは、用意された画面上のアイコンを選択してインストールするが、従来機の「光アプリ市場」やスマホのアプリストアのようなメニューは無く、基本的には用意されたアプリ以外の追加はできない。アプリは従来機でも使用できるものが多いが、MOVIE SCREENなど一部使えない機能もある。

目標は2014年度末までに100万ユーザー獲得。4Kも視野に

NTT西日本の村尾和俊社長

 発表会は、大阪会場でのNTT西日本の村尾和俊社長による新商品発表と、東京会場での商品説明に分かれ、各会場はネット中継された。

 村尾社長は、新「光 BOX+」について、「オープンなアライアンス(連携)で、豊富なサービスを提供できることが最大の特徴」とし、「シンプルな操作にこだわってホーム画面やリモコンを一新し、あらゆる世代に親しんでもらえるようにした」と説明した。

100万世帯を目標

 また、2013年6月中旬現在で約7万世帯のユーザー数を、2014年度末までに100万世帯まで拡大することを目標に掲げ、その方策として「今までパソコンに慣れ親しんでこなかった層に使用してもらえることを期待している」と、新規ユーザー獲得に努める一方、自治体への提案も進め、「例えば町ごと採用してもらえるような構想もある」とし、現在、長崎県が行なっている新上五島町での事業に採用されていることを明らかにした。

 4K8Kなどの次世代映像についても触れ、今回の製品では対応していないとしながらも、「スマートTVの延長線上に4K8Kコンテンツがある」との認識を示し、4K8Kサービス開始目標については、「課題はあるが、1、2年の間で技術開発が進み、サービスとして提供できるようになるのでは」と語った。

(一條徹)