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ヤマハ、4K/無線LAN対応で前面スピーカーサラウンドも可能なAVアンプ「AVENTAGE」2機種

 ヤマハは、ハイクラスAVアンプ「AVENTAGE」(アベンタージュ)の新モデル2機種を発売する。どちらも7.1chアンプで、発売時期と価格は、「RX-A840」が8月下旬発売で10万円、「RX-A1040」が9月上旬発売で13万円。カラーはチタン(H)。

左から「RX-A840」、「RX-A1040」

 AVENTAGEの第4世代モデル。「RX-A840」は、7月から発売している下位モデル「RX-V777」(88,000円)に搭載している各パーツをチューニングし、より音質を高めたもので、モデルで、AVENTAGEのラインナップながら、10万円というリーズナブルな価格を実現。AVENTAGEの幅を広げるモデルとなる。アンプ出力は、定格130W×7ch(6Ω/1ch駆動)、最大160W×7ch(同)。

 「RX-A1040」は、「RX-A1030」の後継モデル。進化点として、これまで上位モデルにしか採用されていなかった、筐体のH型クロスフレームを、このクラスにも投入。筐体の制振性、剛性を高め、従来モデルから大幅な音質向上を果たしたという。なお、どちらのモデルもDolby Atmosには対応しない。アンプ出力は、定格140W×7ch(6Ω/1ch駆動)、最大170W(同)。

RX-A1040
RX-A840

 2機種共通の強化ポイントとして、無線LAN機能を内蔵。Ethernetも備えているが、LANもケーブルを使わずにネットワークオーディオ機能や、スマートフォン/タブレットからの操作などが可能。

 ルータに接続し、LAN内のNAS(ネットワークHDD)などに保存した音楽ファイルの再生が可能。ルータを使わずに機器と直接ワイヤレス接続する「Wireless Direct」機能も用意。AirPlay、HTC connectにも対応し、AVアンプ制御用アプリの「AV CONTROLLER」によるワイヤレス再生もサポートする。

 ネットワークオーディオプレーヤー機能では、192kHz/24bitまでのWAV/FLAC再生に加え、96kHz/24bitまでのApple Lossless再生にも対応。ギャップレス再生もサポートしている。

 設置環境の初期反射音を制御し、再生音を最適化する「YPAO-R.S.C.」に加え、計測結果に基づき高音と低音のバランスを音量に応じてコントロールする新機能「YPAO Volume」も利用可能。

 フロントにコンパクトスピーカーを使う場合は、サブウーファが無いシアターシステムで活用できる「新Extra Bass」機能も搭載する。

 リアスピーカーを設置できない環境向けには、フロントスピーカー2台で7.1chサラウンド再生を可能にする「Virtual CINEMA DSP」が利用可能、。さらに、リアスピーカーをフロント側に設置し、バーチャル再生の臨場感をさらに高める「Virtual CINEMA FRONT」も利用できる。

RX-A840
RX-A1040
RX-A1040の背面
付属のリモコン

 内蔵デコーダはHDオーディオをサポートし、ドルビーTrueHDや、DTS-HD MasterAudioなどのデコードが可能。シネマDSP<3Dモード>は、音場に“高さ”方向のデータを加え、左右メインスピーカーの上部に設置したプレゼンススピーカーを用いて立体的なサラウンド空間を再現するというシネマVPS(バーチャル・プレゼンス・スピーカー)にも対応。VPSを活かしたダイアログリフト機能、サラウンドバックとプレゼンススピーカーを自動的に切り替える機能なども備えている。

 上位モデルのA1040は、理想的な強度と重量バランス実現できるという左右対称コンストラクションを採用。相互干渉を防ぐために、従来は3回路分離型だったパワーサプライを、オーディオ、映像、デジタル、FL表示の4回路に電源供給を分離する構造に変更。内部にシールドプレートも挿入する事で、S/Nの向上や、音の瞬発力のアップなどを実現したという。

 A1040の筐体には、HD型クロスフレーム構造を採用。A840とA1040のどちらにも、筐体の底面に、電源トランスの微細な振動も抑制するというアンチレゾナンステクノロジーを応用したインシュレータ「5番目の脚」を装備する。

 A1040はESS製のDAC「ES9006」を搭載、左右対称設計のフルディスクリートアンプも採用している。なお、A1040の目指した音のコンセプトは、「原音に忠実で聞き疲れしない自然な音色をベースとしつつ、アタック感のあるエネルギッシュなチューニング」になっているという。

 どちらのモデルもHDMI端子は入力を8系統、出力を2系統装備。前面1系統はMHLにも対応。2機種とも、HDMI端子は4K/60p(YCbCr 4:2:0)映像のパススルー出力に対応するほか、入力映像を4Kへアップスケーリング出力も可能。3D映像の伝送もサポートする。HDCP 2.2には非対応。

 HDMI CECに対応しており、主要メーカー製のテレビ/レコーダと連携動作が可能。HDMI以外の端子に入力されたコンテンツをHDMI出力を使い、サブルームに伝送するHDMIゾーンスイッチング機能も用意。オーディオリターンチャンネルも利用できる。

 アナログ音声入力はA1040が11系統(Phono入力含む)、A840が6系統(同)。光/同軸デジタル音声入力はA1040が各3系統、A840が各2系統。映像入力はA1040がコンポーネント×3、コンポジット×5で、A840がコンポーネント×2、コンポジット×5。その他、音声出力としてAV OUTをA1040は2系統(RCA×1、光デジタル×1)、A840は1系統、ZONE OUTやヘッドフォン出力も備える。両機種とも7.2chプリアウトは1系統。映像出力はモニター×2(コンポーネント/コンポジット×1)、AV OUT(コンポジット)×1を装備する。USBとEthernetも備える。

 アプリ「AV CONTROLLER」は、バージョン4.10が利用可能。シネマDSPの音場効果をピンチ&スワイプ操作で直感的にカスタマイズできる「DSP調整」や、操作感・視認性にこだわったというロータリー型音量調整、音楽ファイルへのアクセス改善、フラットデザインの採用などが特徴となる。

 消費電力はA1040が400W(待機時最小0.1W)、A840が220W(同)。外形寸法(Wi-Fiアンテナ装着時)と重量は、A1040が435×439×242mm(幅×奥行き×高さ)、14.9kg。A840が435×439×242mm(同)、10.6kg。

(山崎健太郎)