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三菱、レーザー+シアンLEDで4Kテレビ参入。「REAL LS1」

58型で50万円〜。左右独立の「DIATONEスピーカー」

 三菱電機は、赤色レーザー光源やシアン色のLEDの採用などにより広色域化した、同社初の4K液晶テレビ「REAL LS1シリーズ」を10月30日より発売する。65型の「LCD-65LS1」と58型「LCD-58LS1」の2モデルを用意し、価格はオープンプライス。店頭予想価格は65型が70万円前後、58型が50万円前後。

REAL LS1シリーズ「LCD-65LS1」

 三菱電機初の4K液晶テレビで、国内の4K液晶テレビとして初めて、バックライトに赤色レーザーとシアンLEDを採用し、高精細と広色域を両立。さらに、独立したサイドスピーカーボックスや「DIATONEスピーカー」などの採用で音質を向上。2TB HDDレコーダも内蔵した、液晶テレビ「REAL」のフラッグシップシリーズとなる。

4Kテレビ「REAL LS1シリーズ」

4K時代の広色域化「LASER BACKLIGHT」の理由

LCD-65LS1

 65/58型のいずれも、4K/3.840×2,160ドットの4K液晶パネルを搭載。特徴はバックライトシステムで、独自の赤色レーザーや新開発のシアンLEDの組み合わせで、4K映像のスタジオ規格「ITU BT.2020」に対して色域カバー率80%以上の広色域を実現。従来のBT.709規格に対しては100%をカバーし、既存の白色LEDバックライトでは、再現できない立体感ある映像を実現するという。このバックライトシステムを同社では「LASER BACKLIGHT」(レーザー バックライト)と命名している。

 直進性が高く、色純度が高い赤色レーザーを光源に利用することで、緑と赤が混ざらず、赤だけでなく、緑や、青の純度も向上。LEDの色も白からシアン色にすることで、赤色成分を完全に除去する他、純度の高い青や緑色を実現可能になったという。これにより従来比(同社LCD-50MLW5)で約145%の広色域を実現できたとしており、深緑やスカイブルーなどの表現力を向上した。

 4K放送では、色域がBT.2020対応となるため、従来のBT.709比で約170%の色域拡張が必要になることや、デジタルシネマにおいてもDCI規格でBT.2020に対応予定のため、4Kテレビにおける広色域対応が急務となっている。一方で、既存の白色LEDではBT.2020対応は難しいため、三菱電機ではレーザーを活かした製品開発を進めるという。

4K放送にあわせて進む色域の拡張
赤色レーザーによる広色域化の概要

 LEDは直下型で、レーザーは側面から照射し、専用のデバイスで拡散して、映像を表示する。なお、赤色レーザーやシアンLEDのほか、写真のsRGB表示[ニュートラル]などの対応のための色調整用のデバイスも内蔵しているとのこと。

 映像エンジンには「DIAMOND ENGINE 4K」を採用。映像のぼやけ成分を解析・補正し、解像度の高い映像を作り出し、フルHD映像の高精細な4K化などを行なう「DIAMOND HD」や、12色を独立コントロールする「LASER COLOR CONTROL」、なめらかな動画再生を行ない240Hz(4倍速)相当に動画応答性を向上する「DIAMOND Scan 240」などを搭載。直下型LEDの特性を活かし、ブロックごとに発光制御を行なうローカルディミングのほか、映像の明るい部分に電力を集中させ、ピーク輝度を上げる「輝きダイナミックレンジ」も搭載し、コントラスト感を高めている。パネルは、光沢コートを施した「Brilliant Dia Panel」。

 2D-3D変換表示も搭載。別売の3Dメガネ「EY-3DGLLC2」を 追加することで、3Dにも対応する。

REAL LS1シリーズ(左)と白色LED搭載製品の比較

テレビの常識を越える「DIATONEサウンド」

 サウンド面にもこだわり、“テレビの常識を越える”という左右独立の「DIATONE サウンドシステム」を搭載する。画面の左右に独立したスピーカーボックスを備え、容量は合計6Lと、従来比(LCD-50LSR6)で約200%拡大している。

LCD-65LS1。左右に独立したスピーカーを装備
NCVのツィータ×2と、ウーファ×1。パッシブラジエータ×2から構成

 スピーカーボックスは、アルミ製の円筒形状で、円筒が画面を支えるようなデザインを採用することで、映像の浮遊感と安定感を両立している。

 ツィータとウーファは、チタン並みの伝搬速度と紙製振動板と同等の内部損失を持つという、独自の「DIATONE NCVスピーカー」を採用。ツィータは、左右に2個づつ(合計4個)搭載し、1個を上部に向けることで、立体的な広がりを出している。ウーファは1万ガウスの磁束密度を持ち、歯切れのよい低音再生を実現。また、パッシブラジエータも2つづつ装備。2つのパッシブラジエータの素材も変更しており、2個のスピーカーの共振周波数をずらして、重低音の迫力を向上している。アンプの総合出力は58W。

 CMなどの急峻な音量変化を抑える自動音量調整技術「DIATONE Volume」や、サラウンド機能「DIATONE サラウンド 5.1/2.0」、「DIATONE サラウンド HEADPHONE」などを搭載する。音像定位の良いスピーカーシステムと斜め上向きのツィータと、DIATONEサラウンド技術により、テレビだけで縦方向にも広がるサラウンドを実現できるという。

独立したスピーカーボックスを搭載
DIATONEスピーカーシステムの概要
テレビでも迫力のサラウンドを

 また、Bluetoothも装備し、リモコンの[ワイヤレス音楽]ボタンからすぐに入力選択が可能。SDカードに記録した静止画をスライドショー再生しながらの音楽再生などにも対応する。

録画機能も充実。4K対応HDMI×2。BDを省いたのは「壁掛け重視」

録画機能も充実

 チューナは地上/BS/110度CSデジタル×3で2TBのHDDも内蔵。デジタル放送録画に対応する。最長12倍の長時間録画に対応し、2番組の同時録画も可能。HDD内での録画モード変換なども行なえる。「おすすめ自動録画」機能も備えている。別売のUSB HDDを接続できるが、USB HDDへの直接録画はできず、内蔵HDDからのダビングになる。

 DLNAサーバー機能を搭載し、家庭内の対応機器への録画番組配信が可能。DTCP-IPムーブにも対応し、内蔵HDDの番組を、ネットワークダビング対応レコーダにダビング可能。LAN経由でのCATV録画にも対応する。

 なお、最近のREAL上位モデルでは、HDDレコーダだけでなく、BDレコーダ機能も搭載している製品が多かったが、REAL LS1シリーズはBD非搭載となる。三菱電機 京都製作所の能勢純一所長は「LS1シリーズのサイズ(58型以上)では、壁掛け率が高くなると想定している。そのため、BDを外し、壁掛け優先でデザインやコンセプトをまとめた」とその理由を説明した。

 4Kチューナの搭載については、「現在の4K試験放送については、シャープの4KチューナをHDMIで接続すれば表示できる。本体への内蔵については、現時点では試験放送ということもあり、放送方式などの確定を待って対応したい(能勢所長)」とした。

 入力端子はHDMI×4(うち2系統が4K対応)と、ビデオ入力×2、音声出力×2、光デジタル音声出力×1、ヘッドフォン×1など。SDカードスロットやUSB、Ethernet×2などを装備する。Hybridcastにも対応する。

リモコン

 SDカード内の写真表示にも対応し、「写真専用画質モード」も搭載。色鮮やかで広色域表示を行なう「フォトビビッドモード」と、自然な色合いの「フォトナチュラルモード」が選択できる。

 外出先のiPhoneやiPadから、REALの録画予約などが行なえる専用アプリ「REAL Remote予約」や、チャンネル選局や音量調整、番組表表示などを行なう「REAL Remote 音声操作」などのiOSアプリも提供。また、タニタの活動量計カロリズム「AM-160」や体組成計と連携する「REALウェルネス」にも対応する。

 「アクトビラ」や「TSUTAYA TV」などのビデオ配信サービスに対応。リモコンからの三菱HEMS対応機器の操作も行なえる。

 外形寸法/重量は65型が169.7×40.2×93cm(幅×奥行き×高さ/スタンド含む)/49.4kg、58型が153.9×40.2×84.9cm(同)/43.1kg。

画質、音質、デザインで勝負

リビング・デジタルメディア事業部 菊池 家電映情事業部長

 リビング・デジタルメディア事業部の菊池康男 家電映情事業部長は、独自性の高いBtoCと、顧客仕様にあわせた対応で差別化したや4KサイネージなどのBtoB対応の両面でAV事業を強化する方針を説明。今回のLS1などのREALシリーズは、BtoC向けとなるが、2014年度に入ってテレビ市場で50型以上の伸長が顕著なことや、4Kテレビの構成比が高まっていることから、今回三菱電機として初の4Kテレビを投入することを決定したとする。

 4Kテレビの支持理由については、画質のほかに、省スペースかつ、視聴距離を短くできるため、省スペースに置き換え可能な点などを訴求。4Kテレビ購入者は画質や、音質、デザインを重視する傾向が高いため、それらの各ポイントに三菱ならではの技術を導入し、差別化を図る。

(臼田勤哉)