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500万円のシステムなど“テクニクス”復活。最高の音質を

新4K TVや4K/60pカメラなどパナソニック新製品

 パナソニックは、ドイツ・ベルリンで9月5日〜9月10日(現地時間)に開催される「IFA 2014」の開幕に先立ち、3日にプレスカンファレンスを開催。オーディオ専用ブランド「Technics」(テクニクス)を復活させ、2014年12月から欧州市場への投入を皮切りに、グローバルに展開することを明らかにした。

Technicsブランドが復活

 Technicsは、1965年に密閉型2ウェイ2ユニットスピーカーシステム「Technics 1」を、同ブランドの第1号製品として発売。来年で50年目を迎える。だが、2008年には、パナソニックへの社名変更とブランド統一により、2010年に生産を終了したクォーツシンセサイザー ダイレクトドライブ式プレーヤー「SL-1200MK6」を最後に、Technicsブランドの製品は投入されていなかった。

 今回、欧州市場に投入するのは、最高レベルの音質を実現するリファレンスシステムの「R1シリーズ」と、音楽愛好家のためのプレミアムシステムと位置づける「C700シリーズ」の2シリーズ。

リファレンスのR1シリーズ

 パナソニック アプライアンス社オーディオ成長戦略担当の小川理子理事は、「新たなTechnicsが発信するメッセージは、ReDiscover Music。この製品を、全世界の音楽を愛する人に届けたい」とした。

パナソニック アプライアンス社オーディオ成長戦略担当の小川理子理事
Technicsブランドの歴史
R1シリーズ

 R1シリーズは、ステレオパワーアンプ「SE-R1」、ネットワークオーディオコントロールプレーヤー「SU-R1」、スピーカーシステム「SB-R1」の3製品で構成。

 ステレオパワーアンプ「SE-R1」は、高精度なジッタ削減回路と、PWM変換回路を搭載したフルデジタルアンプ「JENO」、高速、高精度でロスが少なく、ゆとりがあるスピーカードライブを実現するという「GaN-MOSFET Driver」を搭載。周波数位相特性を平坦化するスピーカー負荷適応処理LAPCを採用している。

 ネットワークオーディオコントロールプレーヤー「SU-R1」は、プリアンプを内蔵し、信号劣化が少ないプリ・パワー間伝送を行なう「Technics Digital Link」を採用。ノイズを極小化し、静粛性を追求した。

ステレオパワーアンプ「SE-R1」
ネットワークオーディオコントロールプレーヤー「SU-R1」
スピーカーシステム「SB-R1」
Technicsブランドの「R1シリーズ」(右)と「C700シリーズ」(左)

 スピーカーシステム「SB-R1」は、点音源、リニアフェーズ思想をベースとした、超広帯域低歪再生や、精微な音像定位、広大な音場再現を可能にする高剛性、軽量カーボングラファイト振動板ドームツイータの採用などの特徴を持つ

 価格は約4万ユーロ。日本では500万円弱になるという。

R1シリーズ

プレミアムのC700シリーズ

 プレミアムシステムの「C700シリーズ」は、フルデジタルアンプ「JENO」を採用した「SU-C700」、ノイズの徹底排除による静粛性を高めたネットワークオーディオプレーヤー「ST-C700」、ハイクオリティな音楽再生を実現するCDプレーヤー「SL-C700」、高い透明度と精密な音像を再現する2ウェイスピーカー「SB-C700」で構成。価格は、CDプレーヤーを除いたシステム価格で約4,000ユーロ。日本では約50万円になるという。

プレミアムのC700シリーズ
プレミアムのC700シリーズ
CDプレーヤー「SL-C700」
ネットワークオーディオプレーヤー「ST-C700」
システムインテグレ―テッドアンプ「SU-C700」
2ウェイスピーカー「SB-C700」

 会場では、Technicsブランドの製品を振り返る展示も行なわれていた。

1965年に発売したスピーカーシステム「Techinics 1」
最初のプリアンプとなるTechnics 10A
1966年発売のTechinics 20A
1968年に発売したTechnics 30A
プリアンプのSU-10000
スピーカーシステム「SB-RX50」。1986年に発売した
1975年に発売したスピーカーシステム「Techinics 7」
フロアスタンド型ツインスピーカーシステム「SMB-10000」
パワーアンプフィルター「SE-A7000」
1970年に発売した世界初のダイレクトドライブ式ターンテーブル「SP-10」
パワーアンプフィルターSE-10000
全自動ターンテーブル「SL-10」。1979年の発売
ツインロードホーンスピーカー「SST-1」

4Kテレビや4Kカメラも

 また、4K液晶テレビでは、インテリアにあわせたデザインを採用した65型および55型の「AX900シリーズ」、85型の「X940シリーズ」のほか、55型、48型、40型の「AX630シリーズ」を、欧州市場向けに新たに投入。

 最高峰に位置づけられるAX900シリーズでは、2014年11月から欧州市場で発売することになる。同製品は、プラズマテレビを含めて長年培った色再現技術や、より高精度なLEDバックライトコントロール技術などにより、圧倒的な4K画質を実現できるとしており、新開発の高速プロセッサーの搭載により、スマートテレビの機能も進化させたという。

4K/60p記録に対応した新製品「HC-X1000」
パナソニック アプライアンス社 上席副社長 ホームエンターテインメント・ビューティー・リビング事業担当兼ホームエンターテインメント事業部長の楠見雄規役員

 パナソニック アプライアンス社 上席副社長 ホームエンターテインメント・ビューティー・リビング事業担当兼ホームエンターテインメント事業部長の楠見雄規役員は、「パソナニックは、ここ数年、高画質化ではリーダー的存在である。AX900シリーズにおいて、さらにそれを進化させた」とし、フルアレイのローカルディミングによるダイレクトLEDバックライトの採用によって、夜空の月なども鮮明な明るさで表示できるとした。

 さらに、4Kビデオカメラでは、従来から発売している4Kウェアラブルカメラ「HX-A500」に加えて、4K/60p記録に対応した新製品「HC-X1000」を発表。多彩な用途に応える記録モードや、業務用カムコーダー開発のノウハウをつぎ込んだプロフェッショナル機能を搭載したという。

 一方、白物家電では、パナソニック アプライアンス社 上席副社長 コールドチェーン・ホームアプライアンス事業担当兼冷蔵庫事業部長の本間哲朗役員が説明。アプライアンス社において、AVCと白物家電を一体化した体制が構築できたことで、「デジタルイメージング技術とネットワーキング技術、インテリジェントコントロール技術、センサーテクノロジー、そしてスチームなどの家電技術が融合した新たな価値が提供できるようになる。プレミアムライフスタイルを提案していくことができる」と発言。鏡に向かうだけで肌の状態を確認したり、推奨する化粧品などを表示して、そこから購入できるといった近未来の様子も紹介した。

 また、ビルトイン型IHクッキングヒーターや、3Dグリラーと呼ばれるユニークなデザインの調理家電、スロベニアのGorenje(ゴレーネ)との協業による冷蔵庫や洗濯機などを発表。「欧州市場における家電事業は2018年度までに2倍規模に拡大。AVとホームアプライアンスをあわせて150億ユーロを目指す」と語った。

 そのほか、パナソニック ヨーロッパのローラン・アバディ(Laurent Abadie)会長は、パナソニックの取り組みを「Town」、「Mobilty」、「Home」の3つの観点から説明。神奈川県藤沢市で展開しているスマートタウンや、センサーを活用した交差点での自動車や歩行者の安全確保、スマートフォンやタブレットを活用したスウェーデンのスマートハウスの事例などを紹介してみせた。

パナソニック ヨーロッパのローラン・アバディ(Laurent Abadie)会長
パナソニック アプライアンス社 上席副社長 コールドチェーン・ホームアプライアンス事業担当兼冷蔵庫事業部長の本間哲朗役員

(大河原 克行)