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パナソニック、4Kシネマカメラ「VARICAM 35」を10月発売

 パナソニックは、スーパー35mm MOSセンサーを搭載した4Kカメラ「VARICAM 35」のカメラモジュール「AU-V35C1G」と、最大240fpsのHDハイスピード撮影が可能な「VARICAM HS」のカメラモジュール「AU-V23HS1G」、これらと組み合わせるレコーディングモジュール「AU-VREC1G」を10月20日に発売する。価格は、AU-V35C1Gが320万円、AU-V23HS1Gが230万円、AU-VREC1Gが185万円。

VARICAM 35

 「VARICAM 35」、「VARICAM HS」は、4月に米ラスベガスで開催された全米国際放送機器展「2014 NABショー」に出品され、2014年秋発売とされていた。いずれもカメラモジュールとレコーディングモジュールで構成されており、それぞれをドッキング/分離できることが特徴。レコーディングモジュールはVARICAM 53/HSで共用となり、用途に合わせて2つのカメラモジュールを変更できる。カメラ/レコーディングモジュールはいずれも高い強度と剛性を備えたアルミ合金製。

 VARICAM 35/HSの共用モジュールとして、0.7型/276万ドット有機ELのHDカラービューファインダー「AU-VCVF1G」(80万円)と、ショルダーマウントモジュール「AU-VSHL1G」(25万円)も10月20日に発売する。

 VARICAM 35のカメラモジュール「AU-V35C1G」は、PLマウントを採用し、4K(4,096×2,160/3,840×2,160ドット)の撮影ができる新開発の有効890万画素スーパー35mm MOSセンサーを搭載。最大60fpsのVFR(可変フレームレート)撮影や、2K/HD記録にも対応。ファームウェアアップにより、将来的には120fps撮影にも対応予定としている。3D LUT/CDLの2種類のカラーグレーディング機能を備え、グレーディングしないマスター映像(4K/2K/HD)と、グレーディングした2K/HD映像の2系統を同時に記録できる。

VARICAM HS

 VARICAM HSのカメラモジュール「AU-V23HS1G」は、2/3型バヨネットマウントを採用。220万画素の3MOSセンサーを搭載し、1080pの撮影が可能。AVC-Intra 100コーデック記録時は、1~240fpsの範囲でフレームレートを選択でき、撮影中の変更も可能。インカメラグレーディングはCDLのみ対応する。

 どちらもガンマカーブは、従来の「F-REC」からダイナミックレンジを拡張した「V-Log」に進化。VARICAM 35は14+ストップ、VARICAM HSは14ストップのダイナミックレンジを収録でき、より自由度の高いグレーディングが行なえる。従来の「V-REC」、「CINE-LIKE」に相当するガンマカーブとして、新たに「V-709」を定義。V-709は、モニターでのプレビューや、CM、ドラマなどの放送用コンテンツ制作に適するとしている。VARICAM 35のみ、より広色域の「V-Gamut」もカバーし、将来のBT.2020への対応を可能とする。

 レコーディングモジュール「AU-VREC1G」は、VARICAM 35で利用することで、「AVC-Intra 4K」による、4K/UHD(4,096×2,160/3,840×2,160ドット)の録画が可能。HD映像の記録は「AVC-Intra 100」で、ファームウェアアップデートにより「AVC-Intra 200」、「Apple ProRes」もサポートする。記録には新メディアの「expressP2カード」を使用。4K映像(24fps 4:2:2記録時)で約90分間の記録が可能で、24bit/48kHz/4chオーディオデータやメタデータも記録できる。ファームウェアアップデートにより、Codex製「V-RAW」レコーダをケーブルレスで接続し、V-RAWデータ記録にも対応する。

(一條徹)