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パナソニック、4K「VARICAM 35」や240fps「VARICAM HS」、多目的4Kカメラも

 11月19日から21日まで、千葉県の幕張メッセで行なわれている国際放送機器展「Inter BEE 2014」から、スーパー35mmセンサーの「VARICAM 35」や、4Kマルチパーパスカメラなどを展示していたパナソニックのブースをレポートする。

パナソニックブース

ハンドヘルドにもリモートにも対応する4Kマルチパーパスカメラなど

 10月に発売されたばかりの4Kカメラ/レコーダ「VARICAM 35」(約600万円)を展示。製品だけでなく、ワークフローを含めて紹介している。

VARICAM 35の撮影コーナー

 スーパー35mmの890万画素単板MOSセンサーを備え、4Kの4,096×2,160ドットや3,840×2,160ドットなどの撮影が可能。14+ストップの広ダイナミックレンジにより暗部からハイライト部までの描写力を向上。映画の低照度シーンなどで威力を発揮するという。フィルムに迫る広い色域を持つという「V-Gamut」も搭載。ガンマカーブは従来のVARICAMのF-RECから、ダイナミックレンジをさらに拡張したV-Logに進化した。フレームレートは1~240fpsの範囲で調整可能(120fpsはファームウェアアップデートで対応予定)。レンズマウントはPLマウント。

 同モデルに加え、最高240fpsのフルHDハイスピード撮影に対応した「VARICAM HS」もラインナップ。センサーは2/3型で220万画素の3MOS。本体で10倍スロー再生(24fps)なども行なえる。マウントは2/3型。レコーディングモジュールはVARICAM 35と共通している。価格は500万円強。

VARICAM 35本体
カラーグレーディングなどを含めたワークフローを紹介
240fps対応の「VARICAM HS」
スロー再生のデモ

 '15年後半の発売を目指しているのは、スタジオカメラからリモート撮影まで対応可能という4Kマルチパーパスカメラ。新開発の4Kセンサーを採用した4Kライブカメラシステムで、電動回転の雲台など周辺機器との組み合わせで、様々な用途に対応可能としている。4K/2K同時出力が行なえる。レンズマウントは2/3型。出力はBNC 4系統。カメラ単体ではなく、主に雲台や伝送装置などとの連携で提案する。

マルチパーパスカメラ
スタジオ撮影時のイメージ
電動雲台を使ったリモート操作も可能。既存のカメラコントローラ「AW-RP120」を使って100台までの連携も可能

 モニターは、超狭額縁液晶の「TH-55LFV70J」4面を組み合わせたビデオウォールを展示。ベゼル幅は3.5mmで、つなぎ目が目立たないシームレスなディスプレイになるという。各ディスプレイはデイジーチェーン接続できる。業務用途のために高信頼パネルを採用したのも特徴で、24時間連続使用や、縦置き設置にも対応可能。

「TH-55LFV70J」を4面使ったビデオウォール

 「TH-84LQ70J」は、84型の4K/3,840×2,160ドット液晶で、パネルはIPSで、バックライトはエッジ型。HDMIやDVI-D、DisplayPortなどに対応するほか、別売ボードの追加で3G-SDIにも対応可能。業務専用設計により、耐久性を高めている。新アップスケーリング技術により、フルHDやPC画像も高精細に表示可能としている。ブース内に上映コーナーを設け、VARICAM 35やLUMIXで撮影した4K映像を観ることができる。また、直下型バックライトを搭載した98型モデル「TH-98LQ70J」も展示している。

84型のTH-84LQ70J
主な特徴
直下型バックライトの98型「TH-98LQ70J」

 4K動画撮影も可能なミラーレス一眼の「LUMIX DMC-GH4」の活用例として、空撮できるDJI製のマルチコプター「Spreading Wings S900」を展示。GH4に対応したジンバル「Z15-GH4」を介して装着することで、GH4で空撮が行なえる。また、同じくDJIの3軸ハンドヘルドジンバル「RONIN」も紹介。こちらはGH4のほか、キヤノンのC100/C300/C500や5D Mark III、ソニーのNEX-7、ニコンのD800など様々なカメラに対応している。

DMC-GH4をマルチコプターの「Spreading Wings S900」に装着したところ
3軸ハンドヘルドジンバル「RONIN」へのGH4装着

(中林暁)