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ソニー、CMOSとクラウド活用で肌解析する「BeautyExplorer」。デバイスの力で市場開拓

 ソニーは、自社CMOSイメージセンサーを搭載した小型肌測定機と、画像処理技術を応用した解析アルゴリズムにより、肌のキメや毛穴などの状態を高精度に測定して解析する肌解析システム「BeautyExplorer」(ビューティーエクスプローラー)を製品化。測定機器のリースやクラウドサービス利用料金を含め、月額15,000円〜20,000円で3月中旬より提供する。'12年12月に発表した肌解析技術「SSKEP」(Smart Skin Evaluation Program/スケップ)を用いたもので、ソニー初の美容業界へ向けた製品となる。

「BeautyExplorer」に使用する測定器やタブレット

 ソニー製のCMOSイメージセンサーを搭載したワイヤレスの小型肌測定機「Skin View Camera」で測定したデータを元に、クラウド上にある解析アルゴリズムを使って、肌のキメや毛穴、シミ、色み、水分、油分などの状態を高精度/高速に測定、解析するもの。ハードとクラウドソリューションを組み合わせ、エステティックサロンや美容サロン、化粧品メーカー、美容関連製品の販売店など、美容関連企業がパートナーとなり、一般顧客向けサービスとして提供する。なお、現時点では、パートナー企業からサービスを提供する予定で、ソニーが機器やサービスを一般販売/提供するかどうかは、今後の動向を見て検討するという。

「BeautyExplorer」の概要

 測定の操作手順や測定結果は、タブレットと専用の肌解析アプリ「Skin Analyzer」を使って表示。今回のシステムではタブレットにXperia Z2 Tabletを使用する。また、測定後に個人のスマートフォンとアプリ「Skin Viewer」で結果を後から数値やグラフで確認することもできる。

 従来の業務用美容製品は、高精度な解析ができる一方で、製品の大きさや価格、操作方法など、導入が難しいという。一方で個人向けの肌測定機器は、業務用に比べると小型で安価ながら、測定項目や精度が不十分という課題があったとしている。ソニーの「BeautyExplorer」は、簡単に操作できて、業務用レベルの精度を実現できるとしており、従来の業務用と個人用の間のポジショニングを狙っている。クラウド連携により、製品の提供後に機能をアップデート可能なことも特徴。

販売先や販売方法
目指すポジショニング
ハードとクラウド、UIデザインの連携により、簡単操作で高精度な測定を実現

 手のひらサイズという肌測定機「Skin View Camera」は、130万画素CMOSセンサーと複数の波長光源を組み合わせた光学モジュールを新規に開発。近紫外光から近赤外光の領域まで高感度な撮影を実現。水分測定と肌撮影の2つの機能を1台で行なえる。皮膚に含まれるメラニン量や赤み量などを分析することにより、皮膚の表面や内部の目には見えない肌状態も可視化できるという。タブレットへ無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)経由でデータを転送する。バッテリを内蔵し、連続100分の使用が可能。専用USB充電台も付属する。外形寸法は108×38×53mm(縦×横×厚さ)、重量は115g。

肌測定機「Skin View Camera」
穴の部分を皮膚につけて測定する
充電台にセットしたところ。実際は台をUSB接続する
肌解析の仕組み
タブレットアプリで操作方法が説明される
測定例。タブレット画面のボタン、または測定器のボタンで測定開始

 肌解析アプリのSkin Analyzerでは、操作案内などのガイド機能と、解析結果の画面を表示。結果に応じて、どういった色のメイクを選ぶと自然に見えるかといった判断基準にもなる。エステサロンなどで測定されたデータはクラウドに蓄積され、パートナー企業の美容サービス開発にも活かせる。アプリの最新版を常にクラウド経由で配布することにより、パートナーからのフィードバックを踏まえた、ユーザーインターフェースの改良なども行なう。

実際の年齢と肌年齢の差や、キメの解析、毛穴開き、黒ずみなどを表示
頬の色のタイプを判断
スマホアプリでも結果やグラフなどを確認可能

デバイスからセットへの提案で“真似できない製品”。頭皮チェックのカメラも開発

ソニーの業務執行役員SVP デバイスソリューション事業本部 イメージセンサ事業部長 上田康弘氏

 業務執行役員SVP デバイスソリューション事業本部 イメージセンサ事業部長の上田康弘氏は、イメージセンサー事業における「イメージング」と「センシング」をキーワードに説明。デジタルカメラなどのイメージング技術により、美しさなどで感動を与えることがこれまで同社の中心であったが、その市場をさらに広げていくためには、様々な方面に用途を広げていくセンシングが必要になってくると見ており、「ヒトをセンシングする」技術として、美容に着目したという。

 今回のBeautyExplorerは、デバイス側からセット(完成品/サービス)を提案するというもので、従来のように、セットからの要望に応じてデバイスを作るのとは違う点を強調。「我々は高速にデータを処理できるデバイスを作っているが、それはギネスブックに載せるためではない。今のデバイスは、人の動作と機器の反応にタイムラグ/レイテンシーがある。これを限りなくゼロにしたほうが楽しい、という生活を実現するため」と述べた。これまでのように、商品企画を他の部署や社外だけに任せるのではなく、自ら商品を提案して素早くものを作っていくことで、新しい市場の創出を図っていくという。

 上田氏は、今回のBeautyExplorerの強みとして「コンセプトで商品を仕上げているのではなく、コアコンピタンスがデバイスにある。これを中心に仕上げていくことで、人に真似できないユニークな製品になる」とアピールした。

 今後の予定としては、クラウドに蓄積したデータを元にした解析項目の追加や精度向上などを図る予定。顔の肌解析に加え、技術の応用により頭皮の状態を解析できるカメラの研究も進めているという。さらに、美容以外にも(子供などの)見守り分野での応用も想定している。

今後の予定

(中林暁)