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米MrSpeakers、追従性が高い振動板の平面駆動型ヘッドフォン「ETHER」

 エミライは、米国のヘッドフォンメーカー・MrSpeakersの取り扱いを開始。第1弾モデルとして、平面駆動型で開放型の「ETHER」(MRS-ET-C013-1)、密閉型の「ETHER C」(MRS-EC-C013-1)を10月24日に発売する。価格は各248,400円。

左から開放型の「ETHER」、密閉型の「ETHER C」

 MrSpeakersは、ヘッドフォン専業のオーディオメーカーとして、2013年4月にDan Clark氏により米カリフォルニア州サンディエゴに設立された。Dan Clark氏は設計エンジニアとして、'90年代後半からのPlatinum Audio speakersなどハイエンドオーディオ市場で20年以上のキャリアを持ち、ハイエンドのリテールマーケットだけでなく、アンプの設計や特定顧客向けの音響機器、商業施設向けの大型スピーカー設計などを手掛けているという。

 ETHERシリーズの特徴は、新規設計の特許技術を用いた「V-Planar振動板」を搭載している事。既存の平面ドライバは、完全に平面性を維持したまま動くのではなく、実際はエッジ部の境界線上では「あたかも“ロック”されたように固定されているのが現実。結果的に、ドライバは飛行機の翼のようにアーチ状に曲線を描く形で動く」という点に着目。

 そこで、振動板にアコーディオンのひだの部分のように、意図的に皺をつけ、追従性、柔軟性が高い状態にする事で、振動板の非線形歪を減少させるのが「V-Planar振動板」となる。これにより、信号が入力されると、「ピーク・ディップが十分に深いストロークをもって表現され、それでいて物理的な構造は維持されたまま動作する」という。この特許技術は、'97年にBruce Thigpen氏が特許を取得したローレット加工の技術をベースとしており、MrSpkearsとBruce Thigpen氏は共同でV-Planarローレット技術の特許を保有しているという。

V-Planar振動板
左が開放型の「ETHER」、右が密閉型の「ETHER C」

 ヘッドフォン自体を軽量化するため、ヘッドバンドにはニッケル・チタン合金「NiTiol(ニチノール)」を採用。軽量かつフレキシブルな素材で、「最小限の側圧で目覚ましい装着性をもたらす」という。イヤーパッドはフラットタイプで、ラムスキンレザーを使っている。

 密閉型モデル「ETHER C」のハウジングには、カーボンファイバーを使用。3Dプリンタを駆使して作られているという。

 重量はETHERが375g、ETHER Cが394g。能率はどちらのモデルも96dB/mW、インピーダンスも23Ωで共通。

 ケーブルは着脱可能で、標準プラグで1.8mのケーブルが付属。別売オプションとして3mのケーブルや、1.8mのステレオミニ、4ピンのXLRケーブル(1.8m/3m)も用意する。

(山崎健太郎)