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新フルデジタルスピーカー、180度映像でリアル運転体験。モーターショー最新技術
(2015/10/28 23:02)
新フルデジタルスピーカーは他社製ナビにも接続可能
クラリオンブースに出展されるのは、デジタルプロセッサとフルデジタルスピーカーを組み合わせた車載用フルデジタルサウンドシステムの新世代モデル。デジタルプロセッサやツイータ、コマンダーで構成する「Z3」と、フルデジタルスピーカーの「Z7」、フルデジタルサブウーファ「Z25W」の3モデルで、クラリオンが'12年より製品化したモデルの音質向上を目指して開発された。これらの製品は、9月にドイツで行なわれた「フランクフルトモーターショー」においてもデモ展示されており、日本では'16年4月に発売される予定。今回のモーターショーで音を聴くことはできないが、今後のイベントなどで、デモカーでの試聴を予定しているという。
従来モデルと同様にDnoteの車載用フルデジタルサウンド技術をベースに、デジタル信号を効率良く音に変換する独自の車載用高出力LSIを開発したことで高音質化。出力はワット数では2倍以上、音圧は10~15dBのアップを実現したという。また、スピーカーに駆動回路を内蔵したことで外付アンプを不要とし、取り付けはプロセッサユニットのみで済むようになった。
従来モデルはナビと一体型で車種を限定していたが、新モデルは他のナビと接続する外部アンプ/スピーカーシステムとしても利用可能になり、装着するカーオーディオ/ナビなどのセンターユニットは、純正/市販や、1DIN/2DIN規格、デジタル出力/アナログ出力を問わず接続できる。
さらに、外部オーディオ機器やハイレゾ対応のAndroidスマートフォンなどとダイレクト接続してフルデジタル再生可能。192kHz/24bitなどのハイレゾ音源も入力可能で、内部でのデジタル処理は96kHz/24bitで行なう。スマートフォンやタブレットからのサウンドチューニングも可能。スマホアプリのイコライザ調整では、タッチ操作でイコライザのカーブを描いて設定することなども可能。新システムに対応するデジタル出力センターユニットも開発中としている。
ウーファの振動板は、従来のアラミド繊維からPPコーンに変更し、薄型化しつつ強度を向上したことで低域を強化。振動板の中央にはアルミリングで固定している。
180度映像とサラウンド音声で、運転の楽しみを思い出す「リアルドライブ」
バンダイナムコエンターテインメントは、運転の楽しみを体感できるという「リアルドライブ」(RD)を参考出展している。スポーツカーのレーシングゲームのようにも見えるが、同社は“スポーツ走行体感マシン”と位置付けており、6速MTと3ペダルを使って、ゲームよりも実際の運転に近いリアルな車の挙動を追求。「昔はスポーツカーに乗っていたが、今はファミリーカー」といった人に、走る喜びを思い出してもらうことを目指している。このため、ゲームセンターなど従来の設置場所だけでなく、会社帰りに気軽に立ち寄れるような場所に置くことを計画。稼働開始時期は検討中としている。
前方の視界180度をカバーするドーム型スクリーンにフルHDプロジェクタで投写する映像と、サラウンド音声で、鈴鹿サーキットなどのコースを走行。例えばゲームだとアクセルを踏み込んだままでも回り切れるコーナーが、RDでは実車に近づけるためスピンしてしまうといったシビアな内容で、逆に運転の面白さを再確認できるようになっている。最初は使える車種が限られているが、レースに参加してゴールド(G)をためていくと、新たな車種やコースなどが利用可能になる。
各社のパーソナルモビリティ体験コーナーも
前回に続き、今年も各社が1人乗りなどのパーソナルモビリティを展示している。西4ホール(4F)では、トヨタの「i-ROAD」、トヨタ車体のEV「コムス」、ホンダ「MC-β」、日産の「NISSAN New Mobility Concept」、ZieDの「ZieD-C1」に乗れる「超小型モビリティ試乗コース」が用意されている。
パイオニアは、こうした小型モビリティでの使用を想定した透過型OLED(有機EL)照明を提案。非常に薄く、曲面にもできる点を活かし、車両のキャノピー全体を照明にすることも可能になるという。透過型のため、車内から外は見えるが、外からは内部が見えないことも特徴。
このほかにも、各社がコンセプトカーや燃料電池車などを多数展示している。東京モーターショーの開催時間は30日が12時30分~20時、それ以外の月曜~土曜が10時~20時、日曜が18時まで。開幕を控えた29日は報道関係者または、限定数の入場券のみで入場可能。