レビュー

「移動できるスマートモニター」LG Smart Monitor Swingがあれば家じゅうどこでもワーク&エンタメ!

移動ができるLG Smart Monitor Swing

自由に動かせて、自分の好きなスタイルで楽しめるスマートテレビがある。それが「Smart Monitor Swing(32U889SA-W)」だ。場所に縛られず、高さや角度の調整もできるため、使い方の幅が広がりそうな製品である。

Makuake主催の発表会で実物を見たときにすっかり心を奪われ、どうしても使ってみたくなったので、今回お借りして試してみることにした。なお、Makuakeでの販売はすでに終了しており、8月28日に一般販売が予定されている。市場想定価格は149,800円前後。

女性でも軽い力で移動できるモニターをお試し

ドライバー1本で組み立ては簡単

LG Smart Monitor Swingは、背面にホイールを備えた可動式のフレキシブルスタンドを搭載している点が特徴だ。

これまでも移動できるテレビスタンドは販売されているが、同製品が異なるのは「Swing」の名の通り、画面の角度や向きを自由自在に変えられるスイング・ピボット機能を搭載していることだ。縦画面表示にも対応し、角度調整により、見やすい角度にカスタマイズができる。

部品が少ないので組み立ても簡単。HDMIケーブル、USB Type-C-A変換コネクタ、リモコンが同梱されている
台座部分。フタを開けたところ
しっかりと厚みのある土台部分には、ホイールが搭載されている

組み立ては簡単である。モニターとスタンドが分かれて梱包されており、それらを組み合わせるだけでよい。ドライバーは別途必要となるが、女性の筆者でも特に難しい作業はなく、ゆっくり作業しても15分ほどで組み立てが完了した。

一般的なテレビとは異なり、本製品はスマートモニターであるため、接続するケーブルはACケーブル1本のみで済む。テレビ放送を受信するために壁のアンテナ端子の位置に左右されることもなく、アンテナケーブルも不要だ。

台座部分には大きなACアダプタを収納できるスペースがあり、フタをして隠すことが可能。この構造により、台座から出るケーブルの長さは短くなってしまうが、弁当箱サイズのACアダプタを引きずることがなく、スマートに本体を移動させることができる。もしケーブルの長さが足りない場合には、延長ケーブルを用意すれば、移動できる範囲が広がる。

モニターははめるだけ。ボタンを押すだけで簡単に外すこともできる
ACアダプタを台座に収納できるのもスマート

初期設定やWi-Fi接続についても、セットアップウィザードの案内に従って進めるだけでよく、手間はかからない。ディスプレイはタッチ操作にも対応しているが、今回は付属のリモコンを使用して各種設定を行なった。

設定もすぐに終わった

本製品は、31.5インチの大画面4K IPSディスプレイを採用しており、VODアプリやその他のアプリを直接利用できる。YouTube、TVer、Netflix、Disney+、Prime Video、Apple TV+、DAZN、Twitch、TikTokなど、600以上のストリーミングサービスから選択可能である。なお、チューナーレス仕様のため、地上波やBS放送の視聴には対応していない。ミラーリングにも対応しており、スマートフォンの画面をそのままモニターに映すこともできる。

画質もキレイで満足

フルHDおよび4Kに対応しており、色鮮やかで繊細な色再現を実現している。画質に関しては、特に不満は感じなかった。

ソファで寝っ転がりながら見るのにも最高

デザインもスタイリッシュで、インテリアに溶け込む。片手でもスムーズに動かせる軽快さを備えているが、土台部分にはしっかりとした重さがあり、安定感がある。

軽い力で動かせる。ストッパーがないので地震のときがちょっと心配

サイズは幅727mm、高さ1,237~1,566mm、奥行き537.5mm、総重量は21.2kg。スタンドの可動範囲は、前傾が20度、後傾が50度。左右の首振りは左60度・右90度、縦回転は左90度となっている。高さ調整範囲は最大329mmで、無段階での調整が可能だ。わずかな力で角度変更や移動が行なえるため、使用スタイルに合わせて自在にセッティングできるのが特徴である。

高さはこれだけ変わる
左が60度
右が90度。左右で角度が異なる
前傾・後傾は真上、真下に傾けることはできない

モニター本体を移動できるうえ、前後左右の角度を無段階で自由に調整できるため、設置場所を選ばずに使用できる。ソファや床に座っているときでも、見やすい角度に画面を合わせられるのが魅力だ。

自由なスタイルでみられるのが、とにかく便利。画面を下に傾けられるので、ソファに寝っ転がりながら、見られるのは最高だった。近くで見られるので、映画なども迫力があり、大音量にしなくてもモニターを近付けられるので、はっきり聞こえる。

モニターを近くに持ってきてソファで観賞
床に座っても見やすい
行儀は悪くてすみません。快適すぎて幸せ

パネルは光沢仕様であり、一般的なモニターのように角度が固定されている場合には、光の反射や映り込みが気になることがある。しかし、本モニターは角度をわずかに調整するだけで、そうした問題も解決できる。

また、直感的な操作が可能なタッチパネルを採用しており、画面に直接触れて操作できる点も魅力である。リモコンが手元になくても、本体を直接タッチして操作できるので便利だった。

直接さわってタッチ操作ができる。ただ、指紋が気になるかも……
リモコンはコンパクトで使いやすい
リモコン操作も反応がよい

エクササイズ系のゲームとも相性がよい

HDMIやUSB-C、Bluetooth、Wi-Fiなどに対応しており、パソコン・スマートフォン・タブレット・ゲーム機など、さまざまなデバイスと簡単に連携できる。

最近はダイエットを目的に、Switch 2でフィットボクシングに挑戦しているので、さっそくプレイしてみた。HDMIケーブルを差し込み、ゲーム機を電源に接続すればすぐに使える。

用途に合わせてモニターをくるっと回転できる
モニターの裏側はUSB Type-Cポートを1つ、ダウンストリームUSB Type-Cポートを2つ、HDMIポートを2つ

我が家のテレビ台は低いため、50インチのテレビであっても視線が下がり、手も下がってしまうことでエクササイズがしにくかった。しかし、LG Smart Monitor Swingはモニターの位置を自在に調整できるため、目線が下がりすぎず、快適にトレーニングできた。

ボクシングがやりやすい! ちょうどいい高さにできる

また、「ゲームオプティマイザ」という機能を搭載しており、ゲームジャンルを選択するだけで、プレイスタイルやジャンルに応じた最適な画質モードが自動で適用される。ただし、筆者としては画質設定に対するこだわりは少なく、設定を変更しなくても遅延などは特に気にならなかった。

デュアルモニターとしても使用し、仕事にも使える

パソコンに接続すれば、デュアルモニターとしても活用できる。リビングのテーブルでノートパソコンを開き、そのままテーブルの横に本製品を設置し、HDMIケーブルを接続した。画面共有や資料作成もスムーズに行える。縦画面にすれば、Webページや文書を縦長に表示できるため、閲覧性が向上する。31.5インチという大型モニターを手軽に仕事用へ切り換えられる点は非常に便利である。

テーブル横に持ってきて、サブモニターとして使えば仕事の効率アップ

子どものリビング学習にも活用できそうだ。オンライン学習を行なったり、YouTubeを一緒に視聴したりと、モニターを近づけることでさまざまな使い方が可能である。小型モニターやノートパソコンでは、学習用として見づらいこともあったが、本製品であればそのような不便は軽減されるだろう。

「モニターは定位置に置くもの」というイメージを覆した

LG Smart Monitor Swingは、思わず欲しくなってしまう製品である。ただし、ひとつ気になる点もあった。5W+5Wの2.0chステレオスピーカーを搭載しているが、音質がいまひとつである。中間の音域がばっさりと削られたような印象であり、特に音楽系のYouTubeを視聴したり、推しの曲をBGMとして音楽を流したりした際に、「こんな曲だっただろうか?」と感じてしまうことがあった。

スピーカーは裏側にある

音質を補う手段として、Bluetoothでワイヤレススピーカーと接続するという選択肢も考えられる。しかし、この製品の最大の魅力は、スマートに持ち運びできることだ。スピーカーを別途取り付けて移動するのはスマートとは言いがたく、また別の場所に設置すれば映像と音の位置がずれてしまい、視聴体験に違和感が生じる。できることなら、本体スピーカーの音質がもう少し豊かで自然な音色に改善されると理想的だ。この点だけが、唯一惜しまれる部分である。

というわけで、不満が残ったのは音質のみで、使い勝手については満足度が高かった。これまでにない体験で感動し、欲しくなった。従来の用途にとどまらず、仕事や学習、エンタメなど、あらゆるシーンで活用の幅が広がる製品であり、「手軽に移動できるスマートモニター」の便利さを改めて実感させられる一台だった。

石井 和美

家電プロレビュアー。白物家電や日用品のお役立ちグッズなどを中心に製品レビューを得意とする。テストスペースとして守谷市に一戸建てタイプの「家電ラボ」開設し、冷蔵庫や洗濯機など、大型家電のレビューも行なっている。レビュー歴10年以上。

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