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Google新スマホ「Pixel 10」4機種。カメラ撮影スマホが“コーチ”、自分の声で自動通訳
2025年8月21日 01:00
Googleは、新スマートフォン「Pixel 10」シリーズを発表した。価格は「Pixel 10」が128,900円(128GB)から、「Pixel 10 Pro」が174,900円(256GB)から、「Pixel 10 Pro XL」が192,900円(256GB)から。発売日は8月28日。Googleストア限定特典として、対象スマホを下取りに出すと還元があり、実質49,800円から購入できるというキャンペーンも9月8日まで実施する。
さらに、折りたたみスマホの「Pixel 10 Pro Fold」は10月9日発売で267,500円(256GB)から。
Pixel 10シリーズに共通する特徴として、Google独自のプロセッサー「Tensor G5」を搭載。平均34%の高速化を実現しているほか、TPU性能を60%向上させ、より良いAI体験を実現。デバイス上で20以上の生成AI体験を提供できるという。
このTensor G5とAIを組み合わせた新機能の代表として「カメラコーチ」と「マイボイス通訳」、「マジックサジェスト」がある。
カラーバリエーションはPixel 10がObsidian、Frost、indigo、Lemongrassで、indigoは初代Pixelをオマージュしたカラーとなっている。
Pixel 10 ProとPixel 10 Pro XLは、Obsidian、Porcelain、Moonstone、Jadeの4色展開となる。Pixel 10 Pro FoldはMoonstone、Jadeの2色。
カメラコーチ
「カメラコーチ」は、標準のカメラアプリで利用可能になる新機能。被写体に向けて、Pixel 10シリーズを構えている時に、「カメラコーチ」アイコンをタップすると、Pixel 10がその被写体が何であるか、現在のカメラアングルや設定でどのような写真が撮れるかを分析。その上で、より印象的な写真が撮影できるようなアドバイスをしてくれる。
例えば、スマホがズラッと並んだ場所を撮影しようと、Pixel 10を構えてカメラコーチをタップすると、「何を写真に含めますか?」と表示され、その下に、スマホや、スマホの奥に女性がいた場合はその女性など、写真の中に含めたい被写体を選択。
「スマホ」を選択すると、「スマホにもっとズームインして、ケースの模様の細部をとらえて、はっきりと(写真の)主題にする」といったアドバイスが表示。さらにアドバイスをタップすると「(目を惹く)円形模様のケースを中央に配置する」といったアドバイスも表示され、それに従っていく事で、より印象的でハイクオリティな写真が撮影できる。
例えば女性を撮影する場合は「(足の先から頭の先までを含んだ)フルポートレート」、「(バストアップ撮影の)ミディアムクローズアップ」、「顔のアップ」といった種類を、AIがズームやトリミングなどをした実際の作例を表示しながら提案してくれる。その中から好きなものを選び、アドバイスをもらいながら、実際にそのような写真を撮影できる。
また、Gemini Liveも進化。カメラのセンサーがとらえている被写体を、AIが認識し、例えば目の前の観光地の歴史や、見どころなどをリアルタイムで読み上げてくれる。これにより、旅の記念撮影をしながら、その観光地についてより詳しくなれるという。
さらに、スマホカメラとしてC2PA規格に対応したコンテンツクレデンシャル機能を初めて内蔵。画像に変更を加えた情報が、メタデータに残され、AIなどで加工された画像かどうかを確認できる。
マイボイス通訳
ロボットのような声ではなく、ユーザーに似た声で、通訳した内容を相手に伝えるのが「マイボイス通訳」。電話アプリに内包される機能で、例えば、海外でレストランの予約を変更する時に、マイボイス通話で電話をすると、レストラン側が電話に出た瞬間に、機械音声で、「通話はGoogle AIによって翻訳され、各話者の声で伝えられます。音声は保存されません」という内容の英語の音声が流れる。
レストラン側が英語で話すと、その内容が日本語に翻訳され、Pixel 10から流れる。ユーザーは、日本語で「予約した人数を2人から3人に変更したい」「予約した時間を18時から、18時半に変更したい」などと話すと、その内容が英語に翻訳されるだけでなく、ユーザーの声に似た声の英語音声でレストラン側には流れる。
このように、英語が苦手な人でも、自分の声に似た合成音声で、電話で意思をスムーズに伝えられるのが「マイボイス通訳」となる。
先回りしてユーザーをサポートするマジックサジェスト
「マジックサジェスト」は、従来は複数のアプリを切り替えながら行なっていた情報の確認や登録を、スマホ側が先回りして提示してくれる機能。
例えば、友人とのメッセージ交換で昼食を食べに行く計画の話をしていて、行くお店が決まると、マジックサジェスト機能がその画面内に、決めたレストランの予約をするかという提案を表示。お店に電話をしたいという意思を表示すると、電話アプリが起動する。
さらに、レストランに行く予定の情報をGoogleカレンダーに登録したり、その日に、そのレストランのある場所の天気予報を表示するなど、従来はカレンダーや天気予報アプリを切り替えて確認していた事を、ユーザーに先回りして提示してくれる。
カメラ機能などハードウェアの違い
各モデルのディスプレイサイズは、Pixel 10が6.3型(1,080×2,424ドット OLED/ピーク輝度3,000nit)、Pixel 10 Proが6.3型(1,280×2,856ドット LTPO OLED/同3,300nit)、Pixel 10 Pro XLが6.8型(1,344×2,992ドット LTPO OLED/同3,300nit)。
カメラ部分に違いがあり、Pixel 10は1,300万画素の超広角カメラ、4,800万画素の広角カメラ、1,080万画素の5倍望遠レンズ搭載カメラを搭載。望遠のカメラは、光学10倍相当の画質を実現しているほか、最大20倍の超解像ズームが利用可能。
Pixel 10のディスプレイはActuaディスプレイで、保護ガラスはコーニングのGorilla Glass Victus 2。優れた低音と音質を実現したというスピーカーも内蔵する。また、搭載するメモリは12GB。ストレージメモリは128GB/256GB。バッテリー持続時間は30時間以上。
Pixel 10 Pro/10 Pro XLのカメラは、4,800万画素のウルトラワイドカメラ、5,000万画素の広角カメラ、4,800万画素の望遠レンズ搭載カメラと採用。望遠カメラは、光学5倍で、光学10倍相当の画質を実現。さらに、最大100倍の超解像ズームProが利用できる。超解像ズームProは、Tensor G5の高速処理を活かし、複雑なディテールをインテリジェントに復元できるようになったという。
ディスプレイはActuaディスプレイ。保護ガラスは、コーニングのGorilla Glass Victus 2。搭載メモリは16GB。ストレージは各モデル256GB、512GBをラインナップする。
内蔵スピーカーにもこだわっており、Pixel史上最高のオーディオ性能を備えたとしている。バッテリー持続時間は30時間以上で、45Wの充電器に約30分接続すると、70%まで充電できる。
なお、Pixel 10シリーズいずれのモデルも、最新のワイヤレス充電「Qi 2」に対応している。また、「Pixelsnap」と名付けたマグネットの着脱システムを搭載。対応する充電器やリングスタンドなどのアクセサリー発売も予定している。
Pixel 10 Pro Fold
折りたたみ式であるPixel 10 Pro Foldの特徴は、折りたたみスマホとして初めて、IP68準拠の防塵・防水性能を備えた事。耐落下性能も向上させ、10年以上の折りたたみ動作に対応するという。
薄さや軽さを追求する他社の折りたたみスマホとの考え方の違いとして、Pixelプロダクトマネジメントのピーター・プルナスキー シニアディレクターは、「我々も薄型化や軽量化に情熱を持っているが、Pixel 10 Pro Foldはそれよりも全体的なクオリティにおいてベストを追求した。ユーザー調査でも、ニーズの多い部分の優先順位を高めており、その結果、使いやすいIP68準拠の防塵・防水性能を備えた折りたたみスマホという、他にはない製品になった。これを実現するために、様々な工夫や選択をした」と説明している。
8型の内側ディスプレイも明るさを追求し、ピーク輝度3,000nitを実現。直射日光の下でも見やすいという。ベゼルは16%薄くなった。サイズは、外側ディスプレイが6.4型で1,080×2,364ドットのOLED。内側の8型ディスプレイは2,076×2,152ドットのOLED。ピーク輝度3,000nit。
カメラは、1,050万画素の超広角と、4,800万画素の広角、1,080万画素の望遠カメラを搭載。望遠レンズは光学5倍ズームで、光学10倍相当の画質を実現したとする。最大20倍の超解像ズームも利用可能。
メモリは16GB。ストレージメモリは256GBと512GBモデルを用意。5,015mAhの大容量バッテリーを搭載し、動作時間は30時間以上。30Wの充電器に約30分接続すると、50%まで充電できる。