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LINE、“いま”を伝える映像配信「LINE LIVE」開始。レコ大やAKB連動

 LINEは10日、映像配信サービスへの本格参入を発表。LINEのコミュニケーション機能やリアルタイム性を活かした、新たな動画配信プラットフォーム「LINE LIVE」をスタートする。AKB48やラグビー日本代表の五郎丸歩選手など100名以上のアーティストやタレントにうよる公式ライブ配信などを、LINE LIVEアプリを用いて無料で視聴できる。

LINE LIVE

プッシュして「いま」を共有するLINE LIVE

LINE LIVEでは、プッシュで配信情報を通知

 有名人やタレント、企業などのLINE公式アカウントに関連する人気動画やメッセージをLINEで通知し、LINE LIVEアプリから視聴できる映像配信サービス。10日からiOS/Android向けに視聴用のLINE LIVEアプリを提供開始したほか、Webブラウザでも番組視聴が可能。

 いつも持ち運ぶスマホ上で見られるだけでなく、LINEアプリからプッシュで番組情報が届くことが最大の特徴。アカウント登録者は、リアルタイムで映像/番組を見ることができる。アプリではその日の配信番組表を確認できるほか、視聴中に他のユーザーから投稿されたメッセージを見るなど、多人数でのコミュニケーションにも対応する。

LINE LIVE
番組情報なども確認できる。縦位置表示も

 配信コンテンツは、アーティストのライブ前の様子や、スポーツ選手のプライベートなど、普段見ることのできない情報を個人配信形式で届ける「公式パーソナルライブ」や、イベントや劇場、TV/ラジオ番組、スポーツなど、コンテンツプロバイダとの連携/協業による公式番組などを予定。第1弾は10日19時から放送予定の「AKB48劇場10周年トーク」で、AKB48の柏木由紀、渡辺麻友、加藤玲奈が参加予定。

 サービス開始当初に配信を行なえるのは、LINE公式アカウントをもつアーティストやタレント、企業などの公式パートナー。ただし、一般個人向けの配信用アプリも2016年早々に提供予定としている。

 当初は、公式アカウントから、1日3〜8件の公式放送を予定しており、11時〜14時、18〜24時前後など、「スマートフォン利用率が高いゴールデンタイム」に放送する。

左からAKB48の柏木由紀さん、渡辺麻友さん、横山由依さん、加藤玲奈さん

 AKB48のほか、ラグビー日本代表の五郎丸歩選手など、100名以上のアーティストや有名人がLINE LIVEに参加。さらに、TOKYO GIRLS COLLECTIONなどファッションイベントや、劇場とのコラボレーション、ラジオのオールナイトニッポンとの連動なども進め、ラジオ放送と同時のLIVE配信を行なう予定。

100名以上のセレブ、アーティストが参加
今にこだわる
ラグビー日本代表の五郎丸歩選手も

 テレビ局とも連動。年末のTBS「日本レコード大賞」がLINE LIVEと連動する。内容についてはアプリ等で追って伝えるとしているが、番組放送直前の告知番組として利用される見込み。「放送と同時でなければなけないというわけではなく、メディアとは共存共栄でやっていく。役割分担はあるが、マネタイズで手を組める形を考えている」とした。

レコード大賞と連動も
イベント連動
オールナイトニッポンとも連動

 バンダイチャンネルとの連動では、ラブライブ!のμ'sのLIVE映像全7公演も配信予定。LINEによるオリジナル番組として、芸能人のお忍びランチトーク「さしめし」なども制作/配信する。

 ライブ配信だけでなく、アーカイブによる見逃し配信も可能。アーカイブするかどうかやアーカイブ期間は、配信者側の判断に委ねられるとのことだが、LINEではアーカイブすることを推奨しているという。

 当初は、配信パートナーや視聴者も無料で利用可能。今後の収益化の方向としては、まずは広告を想定。さらにECや投げ銭(TIP)の導入も計画している。アーティストのパフォーマンスに対し、視聴者が投げ銭を支払い、その一部をLINEが手数料として徴収する計画。ただし、どの手段をいつごろ展開するか、といった計画については、LINE LIVEスタート後の反応を見ながら練っていくとしている。

 対応デバイスについては、スマートフォンとブラウザを用意。テレビなど他のデバイスへの対応については、「Webバージョン(ブラウザ)を用意したので、テレビや大型スクリーンに出すこともできる。また、Apple TVやChormecastなどは、開発の中で検討している」(佐々木)。また、「スポーツをグループで見る小さなパブリックビューイングや、お笑いライブを皆で見て、どれが面白い? とコミュニケーションするといった展開も考えている」(舛田 取締役)という。

「コピー出来ない今を伝える」ために

LINE 舛田淳 取締役 CSMO

 「LINEの新たな中核事業として取り組む」というLINE LIVE。LINE 取締役 CSMOの舛田淳氏は、「映像配信/モバイル時代は、オンデマンド性は高まったが、体験の断絶化や個別化を生み出している。だから、みなが『体験』をキーワードにしだして、夏フェスなど『コピー出来ないなにか』を求め出している。コピー出来ないものとは、『今』を伝えること」と語り、「いま」にこだわり、モバイルのプッシュ通知を活かした映像配信に取り組むことを強調した。

キーワードは「今」
みんなの“今”を繋げる

 舛田氏は、テキスト、スタンプ、写真、音楽(LINE MUSIC)というLINEの進化とともに、エンターテイメントプラットフォームとして新たに「動画」に対応すると宣言。テレビ(その場にいなくても見られる)、ビデオ(いつでも見られる)、PC(好きなモノを見たいときに見る)、モバイル(いつでもどこでも見たいものを好きなときに見る)という進化の次のステップとして、「いま」をキーワードにしたLINE LIVEの特徴を説明した。

 LINE LIVEでは、いまを共有できる体験を重視。「いまという時間にこだわるフォーマット。みんなの今を繋げるライブ配信プラットフォーム」と位置づける。そして、時間の共有のために重要なのがLINEの特徴でもあるプッシュ通知機能だという。

佐々木大輔 執行役員

 LINE LIVEを担当する佐々木大輔 執行役員は、1年前からスタートした「LINE LIVE CAST」がベースになっていることを説明。LINE LIVE CASTは、タレントや企業の公式アカウントを通じ、当該アカウントを友だち追加しているユーザーに対してリアルタイムで映像配信できるサービスだが、テスト的にスタートし、1年程サービスを運営してきた。

 LINE上以外の告知はほとんどしていないにも関わらず、'14年10月の「LINEオーディション」には、10万人以上が応募し、視聴者数は62万を超えた。さらに、コメント数230万を超えた「中川翔子&でんぱ組inc.」や視聴者数512万を記録したコスプレイベント「T-SPOOK」など、破格の視聴者を集めている。

LINEオーディションの例
T-SPOOKは500万を超える視聴者

 LINEの強みと佐々木氏が語るのは「プッシュ通知でお知らせできること」、さらに「友達からのおしらせとして通知できる」ことの2点。「友達もアーティストも企業もすべてフレンドリストに入っているので、(通知を)無視できない」。このことがLINE LIVE CASTの成功に繋がったという。

 プッシュというLINEの特徴を活かしながら、ライブ配信サービスとして整備したものが、LINE LIVE。アーティストやスポーツ選手などの公式アカウントからの映像配信を強化するほか、イベント連動やテレビ、ラジオ連動配信などを行なっていく。

プッシュと友だちリストが最大の特徴

 公式アカウントだけでなく、配信機能の一般向け提供も計画。ただし、まずはプロの配信を優先していくという。「(ネットサービスでは)UGC(ユーザー参加型コンテンツ)からプロに広がるという流れがあるが、今回は逆のパターン。LINEのスタンプやマンガと同じで、まずは我々が『LINEのスタンプはこういうもの』というロールモデルを作り、その世界を見てクリエーターさんに参加してもらうという形」と説明した。

 舛田氏は、LINE LIVEを、同社が目指す「エンターテイメントバリューチェーン」の一環と位置づける。「LINE公式アカウント」、「LINEブログ」、定額制音楽配信の「LINE MUSIC」など、アーティストからの情報発信とコンテンツ提供をそれぞれ連携させ、さらに、それを強化するものとしてLINE LIVEを追加。「国内5,800万人のLINEユーザーベースを活かして、タレント/アーティスト、エンタテインメントと、ファンのコミュニケーションを強化していく。LINEだからこそできるバリューチェーン。収益化についてもアーティストの支援を行なう」と語り、投げ銭(TIP)構想についても説明した。

早期の1,000万ユーザー達成を目指す

 さらに、追加予定のEC機能では、アーティストが紹介した商品を、その場で購入できるという仕組みを提供予定。また、LIVE配信の中に広告を入れていくなどで、アーティストらへの対価還元を行なっていく考え。

 当面のサービスの目標は、「月間視聴者数1,000万。早々に達成して、2,000万、3,000万と、社会にインパクトを与える規模のサービスにしていきたい」と語り、ライブだから実現できる、「リアルタイムだからこそのリアリティ」、「配信者とのリアルな関係」の実現を目指していくとした。

LIVE is Real

(臼田勤哉)