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蘇るAurexブランド。東芝からハイレゾ再生対応のCDラジオ「TY-AH1000」
(2016/3/1 11:00)
東芝エルイートレーディングは、Aurexブランドで、ハイレゾ再生に対応するなど音質にこだわったCDラジオ「TY-AH1000」を3月下旬より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は33,000円前後。カラーはシルバー(-S)
東芝が1970年代~80年代にかけて展開していたピュア・オーディオブランド「Aurex(オーレックス)」。audioとラテン語で王を示すrexを意味し、ヘッドフォンやイコライザアンプ、カートリッジなどで高い評価を得たという。そのAurexブランドを復活し、音にこだわったCDラジオハイエンドモデルとして、TY-AH1000を展開する。
初のハイレゾ対応「CDラジオ」
TY-AH1000は、一体型で持ち運べる「CDラジオ」として、業界初というハイレゾ対応製品。本体前面に備えたUSB端子やSDカードスロットに、ハイレゾ音源を収めたUSBメモリやSDカードを挿して、ハイレゾ再生が行なえる。
対応ファイル形式は96kHz/24bitまでのFLACとWAV(USBのみ)で、ハイレゾ再生時には[Hi-Res]サインが点灯する。また、PC入力(USBホスト)とPC接続することで、USB DACとしても動作する。PC用のプレーヤーソフトは付属しない。
ハイレゾ楽曲の操作は、本体のディスプレイを見ながらリモコンで選曲。フォルダ管理で、ディスプレイには楽曲名(英数字のみ)の表示も可能。
ハイレゾ再生のため、100kHz再生対応の4cmシルクドームツィータを搭載。9cmウーファとの2ウェイ構成となっており、それぞれを独立したアンプで駆動するバイアンプ方式を採用。低域15W×2ch、高域10W×2chの総合出力50W構成となる。
ツィータは2kHz~100kHzまで対応。「自然さ、ボーカルを心地よくという点を重視してメタルではなくシルクドームツィータを選択した」(東芝デジタルメディアエンジニアリング プリンシパルエンジニア 桑原光孝氏)という。また、放熱性に優れた磁性流体ダンパーの採用により耐入力を向上。磁束密度8,000ガウスのマグネットによる磁気回路によりクリアな音質を実現するという。
ウーファは、9kHzまで再生可能でフルレンジとしても使える特性を有しており、ツィータとのクロス特性の自由度を確保。9,000ガウスの磁気回路の駆動力により、力強い低域再生を可能にしたとする。クロスオーバー周波数は5kHz。
CDは上面に配置し、その脇の操作ボタンで操作可能。また、Bluetooth Ver.3.0に対応し、スマートフォンなどと連携したワイヤレス音楽再生も可能。NFCも備えており、対応スマホとワンタッチでペアリングできる。ライン入力(ステレオミニ)やヘッドフォン出力も装備。ヘッドフォン出力もハイレゾ対応としている。
AM/FMラジオを搭載し、ワイドFMに対応。電源はACアダプタ。外形寸法は400×205×135mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約3.2kg。
Aurex復活。「誰でも手に取れるいい音」を
東芝エルイートレーディングの松本健一郎社長は、「東芝が未参入の分野を開拓する」という同社の事業方針を説明し、ポータブル型のCDラジオのカテゴリでトップシェアという実績を紹介。
東芝のピュア・オーディオブランド「Aurex」については、50歳以上には知名度が高く、憧れのブランドだった。当時のオーディオマニアから高い評価を得ただけでなく、70年代に開催したオーレックス・ジャズフェスティバルでは、ベニー・グッドマンやジャコ・パストリアスなども招聘し、確固たるブランドを築いたことを紹介。「レコードから、カセット、CDとメディアが変わっても良い音へのニーズは変わらない」と述べ、音にこだわった初のハイレゾオーディオ対応CDラジオ「TY-AH1000」の発売とともに、Aurexブランドを25年ぶりに復活。「マニア向けでなく、誰でも手に取れる“いい音”を目指す」と語った。