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ソニー、4K TV連携強化のBDレコーダ4機種。クロスメディアバーからUI一新

 ソニーは、UIを一新したBDレコーダの新モデル4機種を4月30日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は3チューナモデルの「BDZ-ZT2000」(HDD容量2TB)が8万3,000円前後、「BDZ-ZT1000」(1TB)が7万円前後。2チューナの「BDZ-ZW1000」(1TB)が6万円前後、「BDZ-ZW500」(500GB)が5万円前後。シングルチューナモデルは用意しない。

BDZ-ZT2000

 BDレコーダの買い替え、買い増しのサイクルは約5年とされている。2010年やアナログ停波が行なわれた2011年にレコーダを購入した人が多く、2016年はその買い替え、買い増しサイクルにあたるため、ソニーでは市場が活性化すると予測。幅広いユーザーが使いやすい、操作性を高めたレコーダを投入する。

筐体デザインは全モデル共通

 全モデルに共通するのは、UIを刷新した事。従来は左右に機能項目、上下にコンテンツなどが並ぶ「クロスメディアバー」を採用していたが、新モデルではこれを上下2階層構造のホーム画面に変更。色味もクロスメディアバーのブルーから、ややクリーム色がかった白を基調としたものに変更している。レコーダとしての機能の多くは、従来モデルのものを踏襲している。

 新たなホーム画面は、上段に「録画する」、「視聴する」、「削除/編集」といった、ユーザーの目的に合わせて選べるアイコンを表示。その中から例えば「視聴する」を選ぶと、下段に「録画番組の視聴」、「放送番組の視聴」といった、より細かな機能のアイコンが表示される2階層構造になっている。

新ホーム画面。上段にユーザーの目的に合わせて選べるアイコンを、下段に細かな機能のアイコンが並ぶ

 さらにEPGも刷新。ユーザーの80%以上が、週1回以上、番組表から録画予約を行なっているという調査結果から、より見やすく、使いやすいEPGを開発。1画面に9個のチャンネルが並ぶのは従来モデルと同じだが、番組情報量の表示量を増加させ、出演しているゲストの情報など、より細かなデータを閲覧しやすくした。

 5分番組など、EPG上でのマスのスペースが小さな番組は表示が困難だが、その場合は番組にカーソルを合わせると、EPG下部にある横長のスペースに番組内容が表示される。

刷新されたEPG。文字サイズの変更などもできるほか、短い時間の番組でマスの中に番組説明が表示できない場合は、下部の横長スペースに表示される

 表示のカスタマイズも可能で、リモコンの黄色ボタンを押すと、表示チャンネルが9列、7列、4列とズームされる。さらに、文字サイズの変更も、「大きめ/標準/小さめ」から選択可能。9列表示のまま、文字だけ大きく表示するといった設定も可能。

BDZ-ZT2000
BDZ-ZW1000
下部のカバーを開いたところ

 録画した番組を再生するリスト画面も刷新。クロスメディアバーでは、デフォルト状態ではコンテンツがズラッと上下に並び、それをスクロールして目的の番組へ移動していた。番組のジャンルなどで分けて表示する事も可能だが、その際はジャンル分け表示のボタンを押す手間がかかる。

録画した番組を再生するリスト画面。番組説明のEPG情報が表示されており、番組の内容がわかるようになった

 新UIでは、デフォルト状態でジャンル分け表示となっており、スクロールの手間を省き、短いステップで目的の番組へたどり着けるとする。また、録画番組リスト表示画面でも、番組のEPG情報が表示できるのが特徴。ゲストを招いてのトーク番組を毎週録画している場合などに、同じ番組名のコンテンツがズラッと並んでも、番組内容に書かれているゲストの名前などで、再生時に番組の内容をある程度把握できる。

左が新リモコン
新リモコンのアップ

 録画番組画面でカーソルの右を押すと、タイトルの削除や次回番組の予約など、細かな操作ができるオプションメニューを表示。左カーソルを押すと、ジャンル別表示よりも細かな絞込検索機能が表示され、芸能人の名前などを入力し、その芸能人が登場している録画番組だけを表示するといった事も可能。

内蔵HDDに1万、外付けHDDに1万タイトル録画可能に

 なお、管理できる録画番組の数も大幅に増加。従来は内蔵HDDで999タイトル、これに加えて「保管済みフォルダ」内で999タイトル、外付けHDDで999タイトルという制限があった。新モデルでは、内蔵HDDで1万タイトル、外付けHDDで1万タイトルに強化。さらに内蔵HDDと外付けHDDで表示を変更する事なく、一つの録画番組表示画面で内蔵/外付けHDD内タイトルを一括表示できる。

天面はフラット。従来モデルと較べて奥行きが短くなり、薄型になっている

 従来から搭載している「みんなの予約ランキング」も利用可能。対応レコーダのユーザーが、録画予約の情報をネットにアップロード。それを集約し、注目を集めている番組を提示する機能だが、従来のUIでは利用するまでの操作が複雑だった。新UIでは、「録画する」アイコンを選ぶと、すぐに下の段に「みんなの予約ランキング」アイコンが登場。ステップ数を半減させる事で、より活用してもらうことを狙っている。

「みんなの予約ランキング」も引き続き利用可能

 「おまかせ・まる録」や番組名での予約など、従来からの録画機能を踏襲。「おまかせ・まる録」では、ユーザーが指定した条件とマッチングした番組を録画する際のデータベースが最新のものになっており、例えば「EXILE」と登録しておくと、「3代目JSoulBrothers」が出演している番組も録画されるようになっている。

同じ名前の番組を自動で毎回録画する機能も搭載している

 録画モードは、従来の最長モードが「ER」だったが、新たにより高圧縮な「EER」モードを用意。ERは約11倍の圧縮だったが、EERでは約16倍の圧縮となる。前述の1万タイトルまでの管理可能と組み合わせ、より多くの番組を録画できるようになっている。

 外付けHDDと組み合わせる機能も強化。USB 3.0に新たに対応した事で、対応HDDであれば、3番組の同時録画を外付けHDDに対して行なえる(トリプルチューナ搭載モデルに限る)。さらに、対応するHDD容量も従来の3TBから6TBにアップ。10台のHDDを登録できるようになっている。

 全モデルに無線LAN機能を内蔵。Android/iOS向けアプリ「Video & TV SideView」を使い、スマホなどから宅内外で放送中・録画番組の視聴、録画予約、録画した番組の転送・持ち出しなどができる。

 従来は録画した番組を、LAN内/リモート視聴に向けて配信する際に、あらかじめVGA解像度で1Mbpsなどのモバイル配信用の動画を録画と同時に作成しておき、それを送出する形になっていた。このファイルはワイヤレスおでかけ転送の際に転送するものと同じ。

 新モデルではレコーダの稼働状況により録画と同時作成されないケースもあるが、自動でこの小さなファイルを作成する機能は引き続き搭載している。それをモバイル端末向けに配信するほか、もう1系統、リアルタイムにトランスコードしながらモバイル端末へ配信する事で、2台のモバイル端末に向けて、2ストリームの同時配信が可能になった(従来は1ストリーム)。なお、DLNAで経由でテレビなどに録画番組を配信する際は小さなファイルを使わない。

【訂正】記事初出し時、小さなファイルの作成部分で「録画と同時作成ではない」としておりましたが、「同時作成機能はついており、レコーダの動作状況によって後から作成されるケースもある」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。(3月11日)

従来モデルから省かれた機能も

 ここまでは強化された機能を紹介したが、従来モデルから省かれた機能もある。録画した番組の目次がつき、見たい場所からパッと再生できる「もくじでジャンプ」機能は、アプリ「Video & TV SideView」との連携で似た操作性が実現できることから省かれた。

 録画番組の編集機能では、チャプタの分割・結合が従来通り可能だが、タイトルの分割・結合はできない。また、HDDからDVDにダビングする際、VRモードは可能だが、ビデオモードのダビングには非対応となった。DVDからHDDへのダビング機能も省かれている。

 録画した番組を端末に転送する「おでかけ転送」機能は、従来機は「ワイヤレスおでかけ転送」と、有線接続での「USBおでかけ転送」に対応していたが、有線の「USBおでかけ転送」は省かれ、ワイヤレスのみに絞られた。

 レコーダ買い替えの際に録画番組などを移動させる「お引越し」機能は引き続き対応するが、製品発売時にはまだ対応できず、後日のアップデートで対応するという。

 また、アクトビラ、TSUTAYA TVには非対応となった。CATV LAN録画と、スカパー! プレミアムサービスLink機能も発売当初は対応していないが、後日のアップデートで対応する予定。

4Kテレビとの連携機能も

 4Kテレビとの連携機能も搭載。いずれも画質モードで、「4Kブラビアモード」と「4Kアップコンバート」となる。「4Kブラビアモード」は、ソニーの4Kテレビ、BRAVIAと組み合わせた際に機能するもの。レコーダ側で2K映像から4Kへのアップコンバートはせず、ノイズを除去する処理を行なう。録画番組の情報を把握し、それに適した低ノイズ化した2K映像を、レコーダからBRAVIAに入力、BRAVIA側が2Kから4Kへのアップコンバートを行なう事で、最適な画質が得られるとする。

 「4Kアップコンバート」は、ソニー以外のメーカーの4Kテレビと組み合わせた際に利用するモード。レコーダ側が4Kへのアップコンバート、超解像処理、シャープネス調整、コントラスト調整を行なうほか、処理の際には録画番組情報も活用する。輪郭は抑えつつ、細かな部分はくっきりと調整できるという。

詳細仕様

 地上/BS/110度CSデジタルチューナを、ZT2000とZT1000は各3基、ZW1000とZW500は各2基搭載する。

 入出力端子は全機種共通で、出力はHDMI×1。光/同軸デジタル出力は省かれている。入力端子はコンポジット×1、アナログ音声×1、USB端子×2、Ethernet×1を用意する。

 消費電力は3チューナモデルが27W、ダブルチューナが25W。待機時消費電力は3.5Wで共通。年間消費電力量は3チューナが約24.5kWh/年、ダブルチューナが約24kWh/年。

 外形寸法は430.7×208.6×43.9mm(幅×奥行き×高さ)で、重量はZT2000が約2.9kg、それ以外のモデルが約2.7kg。

BDZ-ZT2000の背面

(山崎健太郎)