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エソテリック、最高を目指したプリメインアンプ「Fシリーズ」

Class Aのリファレンスプリメイン「F-03A」など

 エソテリックは、新プリメインアンプ「Fシリーズ」の「F-03A」と「F-05」を4月1日より発売する。価格はF-03Aが95万円、F-05が70万円。

F-03A

 新展開の「Fシリーズ」は、フラッグシップGrandiosoで得たセパレートアンプの開発成果を余すところ無く投入して開発したというプリメインアンプシリーズ。Grandioso直系の卓越した表現力やオーディオ性能を一体型に凝縮しながら、使い勝手の良さにも配慮し、「基本形であり、完成形」を目指したという。

 いずれも、フラッグシップ機「Grandioso C1」直系のフルバランス・プリアンプを搭載し、F-03AはClass Aパワーアンプを採用、F-05はGrandioso S1をコンパクトにまとめたハイパワーアンプモジュールを搭載する。出力はF-03Aが30W×2ch(8Ω)/60W×2ch(4Ω)、F-05が120W×2ch(8Ω)/240W×2ch(4Ω)。

F-05

 F-03Aは、Class Aアンプ搭載により、滑らかで密度が高く、芳醇な音色、テクスチャーの繊細な陰影を表現できる「一体型アンプのリファレンスモデル」と位置づける。ヘッドフォンアンプを除く全段でデュアルモノラル構成とし、デジタルプレーヤーのエソテリックK/Nシリーズのポテンシャルを引き出すという。

 F-05は、Fシリーズの中核モデル。「ダイナミックにステージを開放するパワー、表情豊かに展開する音楽の躍動感を大切にする人におすすめ」としており、F-03Aと同様にデュアルモノラル構成としている。

 前面パネルやパワーアンプ以外の基本的な構成は、F-03AとF-05の多くの部分が共通化されており、いずれもフルバランス・プリアンプやデュアルモノラル構成を採用し、チャンネルセパレーションを向上している。ボリュームは独自のESOTERIC-QVCS(Quad Volume Control System)を採用。左右チャンネルと、正/負ごとに独立させた合計4回路のラダー抵抗切替型ボリュームを一括連動し、チャンネルセパレーションと位相特性に優れ、低歪化を実現したという。

 ボリュームやセレクタは、Gradiosoと共通のベアリング機構を採用。パネル上の全てのノブはアルミニウム無垢材からの削りだしとなる。フォノアンプは独立電源、独立回路のデュアルモノ・フォノアンプ(MM/MC)を搭載。ヘッドフォンアンプには、TI「TPA6120A2」を採用する。

 パワーアンプもフルバランス化し、ダイナミックレンジを向上。電源部には、940VA 大型カスタムEI電源トランスを採用し、ブロックコンデンサーはチャンネルあたり10,000μF×4パラレルのデュアルモノ構成。配線は極太ケーブルをボルトで接続し、低インピーダンス化を徹底。「音楽のダイナミクスを忠実に再生する」という。

 瞬間動作34Aの電流供給能力を持つ大型のバイポーラLAPTトランジスターや、その高域特性を素直に引き出すという3パラレル・プッシュプル3段ダーリントン構成を採用。セパレート機に迫るスピーカー駆動力を有しているという。

 3Dオプティマイズド・シャーシにより、各回路の相互干渉を抑え、最短経路で配線。外装は肉厚のアルミ材を採用し、F-03Aはピンポイントフット、F-05はスチール製インシュレータで4点支持。振動を効果的に抑制する。

 また、オプションボードを追加できるスロットを1基用意。11.2MHz DSDや384kHz/32bit対応DAC「OP-DAC1」を追加できる。プリアンプ、パワーアンプをそれぞれ単体使用することも可能。

 入力端子はXLR×2、RCA×2、PHONO×1、外部プリアンプ入力×1。出力端子はXLR×1、RCA×1、ヘッドホン×1。外形寸法と重量も共通で、445×468×191mm(幅×奥行き×高さ)、重量は32kg。アルミ製のリモコン「RC-1301」が付属する。

(臼田勤哉)