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クリプトン、低価格化したデュアル構造オーディオ用USBケーブル。ポタアン用も

 クリプトンは、ハイレゾ音源の伝送に対応するオーディオ向けUSBケーブルの新製品として、コストパフォーマンスを重視した「UC-HRP」シリーズ5製品を6月下旬より発売する。価格は、PCオーディオ用のUSBタイプA-B「UC-HRP1.0」(1m)が8,000円、ポータブルオーディオ向けのUSBタイプA-micro B「UC-HRP0.15」(15cm)が6,500円など。その他の長さと価格は後述する。

「UC-HRP」シリーズ

 同社ではオーディオ用USBケーブルとして、セパレータ付きのデュアル構造を採用して音質に配慮した設計の上位モデル「UC-HR」を'11年に発売。しかし、50cmの「UC-HR0.5」で実売3万円からと高価格であるため、上位モデルの技術を踏襲しつつセパレータを省いて低価格化したUC-HRPシリーズを新たに追加した。「UC-HR」シリーズ4製品も併売され、クリプトンのUSBケーブルは計9製品で展開していく。


    「UC-HRP」シリーズ
  • UC-HRP1.0(1m/USB A-B):8,000円
  • UC-HRP1.5(1.5m/USB A-B):9,000円
  • UC-HRP2.0(2m/USB A-B):10,000円
  • UC-HRP3.0(3m/USB A-B):12,000円
  • UC-HRP0.15(15cm/USB A-micro B):6,500円
ケーブルのデュアル構造を踏襲しながら低価格化
新ケーブルのパッケージ

 「UC-HRP」シリーズは、ケーブルを電源線と信号線に分けたデュアル構造とし、アルミとポリエステルを貼りあわせたシールドテープで個別に巻いて、電源線に乗ったデジタルノイズの悪影響から信号線を保護。これにより、ジッタ成分が少なく、電圧マージンもとれ、ノイズ耐性に優れたUSBケーブルを実現したという。

「UC-HRP」シリーズのデュアル構造のケーブル内部
通常のシングル構造のケーブル内部

 なおクリプトンでは、ケーブルの信号線と電源線を単独シールドしてSN比を高める技術などについて特許取得を行なったという。

「UC-HRP」シリーズのデュアル構造と信号特性
ケーブル技術の特許を取得

 外装には柔軟性の高い素材を使用。端子にはインピーダンスマッチングが良く、嵌合精度に優れた24Kの金メッキを施している。また、ポータブルアンプとパソコンの接続用にショートモデル(15cm)も用意。カラーは黒(B)と白(W)の2色で、手持ちの機器のデザインに合わせられるとする。ただし、USB On-The-Go(OTG)には「機器の互換性検証が難しいため」、非対応としている。今後、OTG対応ケーブルの開発も検討する。

ポータブル向けの15cmモデル

 上位モデル「UC-HR」では電源線と信号線の間に特殊形状のセパレータを入れていたが、「UC-HRP」シリーズではこれを無くしている。導体は銀メッキOFCを採用(上位モデルは信号線にPCOCC-Hを使用)し、低価格化した。

上位モデル「UC-HR」のラインナップ
UC-HRシリーズのケーブル構造

USB規格準拠の測定を実施。正確なデジタル伝送を重視

UC-HRP0.5のアイパターン測定結果。特性の悪いケーブルはオレンジ色の波形がこれよりも太くなる

 開発にあたり、上位モデルと同様にアイパターン測定と試聴を繰り返し実施。アイパターン測定は、USBケーブルがUSB規格を満たしているかを評価する際に実施するもので、信号波形の遷移をサンプリングして波形を重ね合わせ、その太さなどを確認する。縦軸が電圧マージン、横軸は時間軸。

 特性の悪いケーブルでは、信号に不要な反射が起こり、戻ってくる繰り返し信号に“ズレ”が生じてジッタ成分となる。アイパターン測定結果のグラフ上で、信号の線が太くなっている部分がこの現象を示している。クリプトンではオーディオにおける正確なデジタル伝送を重視し、クリアなアイパターンを実現したという。

(庄司亮一)