NHKオンデマンドの視聴数が、値下げと冬季五輪で大幅増

-PC向けは前月比2.3倍。総視聴回数は4万回を突破


3月4日発表


 NHKは4日に行なった会長記者会見において、NHKオンデマンドのパソコン向けサービスの購入数が前月比2.3倍となる2,300人に増加し、テレビ向けは推定で2,600人が購入したことを明らかにした。

 NHKオンデマンドでは、2月1日に「月額見逃し見放題パック」をそれまでの1,470円から945円に値下げ。また、2月13日より配信を始めたバンクーバー冬季オリンピックのコンテンツ配信の効果もあり、総視聴回数は4万800回(3月4日時点)となった。

 福地会長は「テレビ系はハイビジョンの高画質を大画面で楽しめる点で期待していただけに、増えたことは喜ばしい」とコメント。また、木田NHKオンデマンド室長は「テレビ系サービスの購入者が増えた要因は、テレビをインターネットにつなぐことに抵抗感がない30~40歳代の方々が、年末年始に高機能テレビを購入したこと。この傾向が続けばNHKオンデマンドの収支も改善に向かうものと期待している」と述べている。

 NHKオンデマンドでは、バンクーバー五輪で85番組を配信。視聴回数が最も多かった番組は「フィギュア女子S フリー」の2,415回で、2位以下は「フィギュア女子S ショートプログラム」(2,395回)、「開会式」(2,382回)、「フィギュア男子S フリー」(2,310回)となっている。そのほかの競技ではアルペン男子滑降、カーリング、モーグルが多く視聴されている。なお、バンクーバー五輪の配信期間は3月30日まで。


 会見では、地上/BSデジタル放送の完全デジタル化まで500日となる3月11日を前に、現在の普及施策についても説明。「遅れていた自主共聴について技術支援の拡大や助成金制度の導入などで、3,000を超える施設のデジタル化が完了し、全体の50%までデジタル化が進んでいる。一層の推進策として新たな自主共聴への支援策を打ち出し、総務大臣の認可が得られれば4月から実施する」(永井技術長)とした。

 また、周知広報のために「マンガでわかる! デジタル放送」を刊行。「ツレがうつになりまして」などで知られる細川貂々さん、「技術系漫画家」の見ル野栄司さん、「ネコでもわかる」シリーズの横井智美さんが執筆し、読みやすくわかりやすい内容になっているという。また、NHKのキャラクター「どーもくん」が、春に「BSデジタルどーも」としてパワーアップし、BSデジタル放送普及を推進していくという。

 テレビの契約件数については、第5期末の契約総数が3,686万2,000件、衛星契約数が1,443万8,000件。衛星契約の増加に向けた施策としては「“BSメッセージ”を使った契約勧奨のほか、CATV事業者や電器店への業務委託など活動の多様化を図っている。これから引っ越しシーズンが本格化するが、地域スタッフによる全戸点検活動を行なっており、訪問集金廃止の影響はない」(西田営業局長)としている。



(2010年 3月 5日)

[AV Watch編集部 中林暁]