ルネサス、新構造デバイスで青紫色レーザーに参入

-BD市場拡大に合わせ8月に量産。2層12倍速対応も


4月27日発表


 ルネサスエレクトロニクスは、Blu-ray Disc記録再生用に光導波路を半導体素子内部に作りこむ新構造を採用した青紫色半導体レーザーダイオード「NV4A61MF」のサンプル出荷を27日より開始。青紫色レーザー事業に参入する。

 サンプル価格は2,000円。量産開始は8月を予定しており、2011年夏には量産規模を月産100万個まで引き上げる予定。

 今回製品化した青紫色レーザーは、レーザーダイオードの特性を左右する光導波路を半導体の内部に作りこんだインナーストライプ構造を採用することで、従来の素子に比べ、窒化ガリウム(GaN)基板上に形成する光導波路の精度を約10倍に向上、素子の放熱性を従来のリッジ構造に比べ、約2割改善できたという。

 これにより、8倍速書き込み可能な350mWという高出力を85度の高温まで安定して発振可能としたほか、低出力から高出力までの電流/光出力特性の直進性を向上。また、BD再生時に課題となるレーザーの雑音(出力の揺らぎ)を1/3以下に低減した。

 光出力は350mW(パルス)/175mW(連続)、動作電流は160mA(175mW時)。今後のBD記録速度高速化に対応するため、さらに高出力の420mW品(2層12倍速用)の12月製品化を進めるなど、積極的に青紫色レーザー事業に取り組んでいくとしている。


(2010年 4月 27日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]